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第17話


 シアに抱かれて2階に上がり廊下を進んで一番奥の扉に渡された鍵で扉を開き中に入った。


「さっ!ここが私の借りてる部屋です!そして、今日から私とフォルの部屋だよ♡」


 ここがシアの部屋か!。

……………………何にも無いなぁ。

部屋を見回した俺からはそんな感想しか出て来なかった。

何せ部屋の中にあるのはタンスが1つと机が1つ、椅子が1つに後はベッドのみ………他には何も無い。

それこそ引っ越して来たばっかりの部屋みたいだ。


「何にも無い部屋でごめんね……面白くないでしょ?」


 おもしろいとかおもしろく無いとか以前の問題だと思うぞ。

むしろ本当に生活出来てるのか心配になる程だ………。


「………洋服とか生活に必要な物を買いたいんだけどね………私まだ駆け出しの冒険者だからそこまでお金に余裕がないんだ………でも、今回の報酬で少し余裕が出来ると思うからそうしたら洋服とかを買いに行こうと思うからその時はフォルも一緒に来てね♡」


「クァ………クァ!クゥァ!(シア………おう!一緒に行こう!)」


「えへへ♪さて!それじゃ、荷物を置いてご飯を食べに行こう!」


「クァ!(おう!)」


 俺が返事をするとシアは嬉しそうにしながら探索に持って行っていた荷物を部屋の角に置いた。

そしてそのまま俺達は部屋を出て扉に鍵を閉め廊下を進み階段から1階へ降りてそのまま外へと出た。


「フォル、私のオススメのご飯屋さんはここの隣にあるんだよ♡。

それでね、そこのご飯屋さんは冒険者ギルドと提携していて材料を安く手に入れてるらしいんだ♪。

その関係で私達冒険者はギルドカードを出すと少しだけ割引きしてくれるお店なんだよ♪。

しかも味も美味しくってその上量も多めで私達駆け出しの冒険者に優しいお店何だ♡。

きっと、フォルも気に入ると思うよ♡」


 シアは凄く上機嫌だな。

シアが言うにはそこの飯屋は美味いって事だけどどんな料理だろう?ちょっとたのしみだ。

けど………良くこんな感じの異世界物の小説だとただ塩を振って焼いた肉とか素材の味を活かすとか言って味付けが凄く薄い料理だったり後は虫とか滅茶苦茶不味い魔物系のゲテモノとかだったりとか話にはあるけど………そう言うんじゃない事を祈っとこう。

そうこうしてると隣の建物に着いた。

そのまま俺とシアは中に入り………って!俺入っても大丈夫だよな?。


「どうしたのフォル?もしかして入って良いのか心配になったの?」


「クァ………(そうだ………)」


「大丈夫だよ!ここは元はテイマーの人が冒険者を辞めて始めたお店屋さんだからお店に入れるサイズなら従魔でも問題ないんだよ♪だから大丈夫♡」


 シアには俺の事は何でもお見通しの様だ。

しかし、ここまで来ると疑問になってくる………。

そう言えばメリアって言ったか?彼女がシアに俺の言葉が分かるのはアレのお陰とか言ってたっけ?。

…………アレって何だろ?スキルかな?それとも他の何かか?まぁ、何にしてもその内分かるだろ!。

それよりも今は飯だ!。

俺とシアは席に案内されてそこへ座り俺はこちらの料理の事は分からないしその上見た事も無い文字でメニューが書かれているのでシアに俺の分も選んでくれる様に頼んだ。

それを聞いたシアは「だったら私が好きな料理を頼むね♡」と言って注文をした。

それから少しの間待っているといい匂いをさせて料理が運ばれて来た。

俺とシアの前に4枚の皿が置かれた。

1つ目の皿には黒っぽい手の平サイズのパンが載せられている。

所謂黒パンってヤツか?こう言うのって固くて食べられないって良く聞くけど本当なのだろうか?。

まぁ、食べてみれば分かる事だ。

2つ目の皿はこの世界の野菜で作られたサラダだ。

何の野菜を使ってるのだろうか?見た目的にはレタス?と赤や黄色の千状にカットされたモノ………多分パプリカっぽいモノ後は緑色の柵切りになってるモノをこの世界のドレッシングだと思うモノを掛けられて盛り付けされている。

その見た目は元の世界のサラダと変わりが無い感じだ。

最後に俺達の前に一皿ずつ一口大に切られた焼いた鳥肉っぽい肉が盛り付けられた皿が置かれてる。

何かパン以外は向こうでも食べてた様なモノっぽい感じだ。

後は味付けだけど………この見た目から考えると塩が中心的に使われてる感じだと思うけど。

そうやって来た料理を観察しているとシアが「それじゃ♪食べよ♡」と言ってパンを1つ俺に取ってくれた。

俺はそれを受け取りつつ「クァ………(いただきます………)」と言った。

先ずは何から食べよう………。

せっかくシアが取ってくれたのだ。

取り敢えずパンから食べてみよう。

俺は一口齧った………。

何と言うか………硬くも無く柔らかくも無く中途半端な硬さだ。

味は正直言って美味しく無い。

俺は向こうのパンの味を知っているからだと思うが何と言うか………これじゃない感が凄いのだ。

多分このパンに使ってる小麦の味だと思うがそれっぽい味がした後おそらくは使ってる小麦がそこまで良い物では無いのだろう雑味と言うか苦味が拡がり後味が悪いのだ。

俺は齧ったパンを飲み込み次はサラダを食べてみた。

これならばそこまで外さないだろうと思い食べてみたが………………これも何か違う。

掛かっているドレッシングの味だと思うが何と言うか………臭いのだ。

多分使ってる油の匂いだと思うが香りが強くそれでいて苦味がある………しかもそれを誤魔化そうとして何か香りの強い物を混ぜているみたいでそれが更に臭みを出しているのだ。

そして最後に俺は肉を食べてみた…………。

そして俺は口に入れてビックリした………塩や胡椒で味付けされていると思っていたが味が無いのだ。

肉は予想通り鳥肉だと思う。

しかし、その鳥肉は筋っぽくて下処理が荒い所為か硬く鳥その物の臭みが残ってしまっている。

何と言うか………これぞThe!そのままの味をお楽しみ下さい!的な感じだ。

俺は固まったまま落ち込んだ。

シアがここの料理は美味しいと言っていたがこれで美味しいと言われてるのなら他の店はどれだけ不味いのだろう………。

これは俺が料理をした方が良いのかもしれないな。

そう思った。

それと一応言っておくが俺の手はドラゴンの手ではあるがフォークを持てたので素手で食べた訳では無いと宣言しておく。

そして、俺はある決意を固めて持っていたフォークをテーブルの上に置いた。



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