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第166話


「それでは報告の方お願いします」


 そう言って大きな竜に戻った俺を、正確には俺の腕に抱えられているマリーを見上げながらスライさんは言った。


「えぇ、そちらもお気を付けて」


 そう言って俺に抱えられているマリーがここに残る事になったスライさんに言った。

その言葉を聞き彼は大きく頷いたそれを合図にして俺は飛ぶ事を皆へと伝え空へと飛び上がった。


「うひょお!凄ぇ!」


 飛び上がった俺の頭に近い所に腰掛け角を掴んでいる英人えいじが早速興奮して騒いでいる。


「煩い!バカにぃ!」


 ジャンケンに負けて俺の腕の中からそう麻耶まやちゃんが叫んでいる。

2人して俺の頭の角に掴まってドラ○ンボールごっこをどうしてもしたがった。

まぁ、俺の見た目は西洋竜だから若干違うのだが………。


「いいなぁ………」


 おっと!どうやら他にもやりたかった人がいるらしい。

ってかシア?それ位何時でもやってあげるからそんな羨ましそうな顔をしないで良いんだよ?。

そうこうしてる内に直ぐに街の壁が見えそのまま外へと出た。

こうして考えるとこの街ってそんなに大きくない感じに思うけどコレに関しては俺の今の姿が大きいから何だろうな………。


「なんっうかこうして外に出るとアレだけ苦労して時間掛けてアソコまで行ったのがバカらしく感じるな………」


「グル、グラァグルル(いや、コレに関してはこの姿になれるだけのスペースがアソコに出来たからだ)」


「そうなんだろうけどよぉ………」


 まぁ、俺も英人えいじと同じ立場だったら同じ事を感じて同じ事を思うんだろうが………。

それよりも………。


「グルルグラァ!(そろそろ着地するからシッカリ捕まってろよ!)」


「おう!大丈夫!大丈夫!」


 コイツがこの言い回しをする時って大抵大丈夫だった試しがないんだけどな………。

まぁ、言っても仕方無いか………。

そう考えながら俺は駐屯地の騎士団長用のテント近くに下りる体制に入った。

シア達は俺の腕にシッカリと捕まり着陸に備えた。

うん!コレなら落ちる心配は無いだろう。

そう思いながら高度を下げると俺達の事に気付いたのかテントからクラリスを含む騎士の人達が出て来た。

俺はその人達を踏まない様に気お付けつつ「ズシンッ!?」と言う音を出しながら着地した。


「おわっ!?あぁぁぁぁ!ぐぇっ!?…………」


 そんな情けない声と共に大丈夫とか言っていた英人えいじが俺の上から落っこちた。


「グルルゥ………(だから言ったのに………)」


「バカ兄め………」


 その言葉には全面的に同意なんだけど………麻耶まやちゃん?もう少し言葉使いを気にして欲しいかな………。


「……………お帰りなさいませ!無事のご帰還何よりです!」


 そう言いながら英人えいじに一瞥もくれる事無くアイゼン騎士団長は近づいて来た。

うん………まるっと無視する気ですね………。

哀れまるっと無視された英人えいじはその場でピクピクしている………。

そんな英人えいじを俺も無視する事にした。


「ただいま戻りました………それで?何が有りました?」


 シャルがそう聞くのも無理は無い………。

何せこの騎士団長達が出て来たテント以外のテントが一部無く騎士達の数も少なく見える………。


「特に何かあった訳では有りませんが?何故その様な事を?」


「テントや騎士の数が少なく感じたものですから」


「あぁ、なる程です。

騎士達の内30名を護衛とし避難民の方々を王都へと送ったところです」


「そうでしたか………ですがコチラは少々問題が発生しました………」


「………何が有りました」


 話はテントの中でと言い俺達は騎士団長達と共にテントへとその言葉を合図に入った。

そして、グラトラスと白衣の女の事や冒険者ギルド内の施設の事。

そして、その施設にスライさんが残っている事を話した。

聞き終えた騎士団長は難しそうな顔をして「うぅむ………」と唸ってから動かなくなった。

暫くするとその顔を元に戻し話し出した。

その内容を聞き俺達は驚愕する事になったのだった………。



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