第15話
「さ〜て!フォル、何食べようか?」
ギルドから外に出た瞬間シアは俺に聞いて来た………。
って、言われてもなぁ………。
「クァ、クァァ………(シア、俺こっちの料理知らないんだけど………)」
「あ………そうだよね、ごめんね……」
「クァ、クァァ!(別に良いよ、それよりも何にするかはシアに任せるよ!」
「うん!分かったよ!それなら、私の止まってる宿の近くに美味しい料理屋が有るからそこに行こうよ!」
「クァ!(任せた!)」
やった!ようやく、この世界での初めてのまともな飯を食べられるぞ!どんなんだろ?カレーとか有るかな?。
そう言えばこの世界って米が有るのかな?初代国王が異世界人だったって言ってたよな?もしかしたらその人が見付けてくれてるかな?もしなければ探さなきゃな!。
後、色々向こうの料理とか作ってたりしてくれてれば良いけど………最悪作らなきゃダメかもしれないし色々考えて置こう………。
そんな風に考えながらシアに付いて飛んでいると1つの大きな建物が見えて来た。
その建物はさっきまで居たギルドに負けない位に大きい………もしかしたらこっちの方が大きいかも知れない………まぁ、それはどっちでも良い取り敢えずシアの目的地はどうやらここの様だ。
シアはそのまま中に入ったその後に続いて俺も中へと入った。
中は見た目と同じで広めに作られていてキレイに掃除されていてとても清潔感の有る場所だ。
この感じからして恐らくはシアが言っていた泊まってる宿屋なのだろうと思う。
しかもこの感じ結構高級な感じだ………こんな所に泊まってるのか?。
そんな疑問が浮かんでいたのだがシアは奥に見えていたカウンターらしき場所へと歩きそこに居た人に話しかけた。
「ただいま!」
「お帰りな……っ!ちょっと!その姿どうしたの!?それに!それって血じゃない!?もしかして怪我とかしてるの!!?今、医者を呼んで来るから!あなた!こっちに来て!!?シアが!大変なの!」
そう言いながらカウンターの向こうから出て来てシアに詰め寄った。
その声を聞いてカウンターの奥に有る扉が開き中からガタイの良い目のほっそりした男が現れた。
………何と言うかこの世界にはガタイの良い男しかいないのだろうか………会う人皆体付きが筋肉質何だが………。
そんな風に考えているとそのガタイの良い男は彼を呼んだ女性の近くに走り寄ってオロオロ仕出した。
「……っ!……っ!!?」
「あなたは医者を呼んで来て私は彼女を寝かせて応急処置を………」
そう叫んでシアを横に抱き上げ近くのソファーへと向かいシアをそのソファーへとおろした。
そのまま彼女はガタイの良い男に指示を出しながらシアの服を捲り上げようとしていた。
それに気付いたシアが慌てて叫んだ。
「ちょっ!!?取り敢えず落ち着いて!?大丈夫だから!?怪我とか無いから!?ね!」
シアはシアでこの事態に驚いている。
「本当でしょうね!?嘘だったら承知しないからね!」
「……コクコク!」
そう女性はシアに言葉を掛けその横で男はコクコクと頷いている。
しかし、先程から男は一言も喋らないのだが………まさか喋れないのだろうか?それとも何かの病気か何かなのだろうか?。
まぁ、表情は物凄く豊かなのであまり困らなそうだが………。
そんな風に推移を見守っているとシアは2人に落ち着く様に言った。
「本当に大丈夫だから!じゃなかったらこんなに叫んでないよ!!?」
「そう………所でその状態を見ると何かに襲われたのは分かるのだけれど………まさかとは思うのだけど………そこの竜…………貴方がやったんじゃ無いでしょうねぇ」
そう言って彼女は俺に向かって鋭い視線を向けながらピリピリとした感じを向けて来た。
多分だがこのピリピリとした感じは殺気だと思うがいきなり過ぎて動けないでいるとシアの雰囲気が変わりシアから物凄い圧力の様なモノを感じた…………。
「「っ!!?」」
「……………………メリア………フォルにそれ以上失礼な事をするのをヤメなさい………じゃないと……………………ワカルデショ?」
「も、申し訳御座いませんでした!」
………何かいきなり凄い勢いでシアに土下座をし始めたのだが…………。
そのシアはむしろより圧力を増している………。
「チガウデショ?アヤマルノハワタシニジャナクテフォルニヨネ?」
「は、はい!誠に申し訳ありませんでした!」
「ク……クァァ(お……おう)」
「メリア……フォルはね、私の命の恩人何だから次に同じ事したら本気で怒るからね?」
その一言を言った瞬間シアからの圧力が無くなった………。
いや、ホント雰囲気変わり過ぎて訳分かんないんだけど………。
ただ……まぁ、俺の為に怒ってくれたのは分かったからそこは嬉しく思う…………でもホント雰囲気変わり過ぎ………。
「それにしても………スキルまで使うなんて酷いじゃない………」
「いえ、私の話を聞かずにフォルを悪者にして殺気を向けたのですからこれ位は当然です!」
「それは………確かに話を聞いてもいない内に行動したのは私が悪いとは思うけど………」
「そう思うんだったら次は同じ事が無い様に考えて必要な時だけお願いね?」
「分かったわ………それで?結局誰にやられたの?あなたも気になるわよね?」
「コクコクコクコクコク!」
メリアと呼ばれた女性が同意を求め男に話掛けると男は同意とばかりに凄い勢いで首を縦に振り頷いた。
見ているだけで首が痛くなりそうだ………と思ってたら突然男が蹲り首を抑えだした。
やっぱりおかしくしたか………仕方ないな…………。
「クァ……(ヒール……)」
俺は回復魔法を発動して男を回復させた。
すると………。
『称号:癒やす者が付与されました』
え?何これ?何か称号とか言うのが手に入ったんだけど?。
訳が分からず俺は混乱するのだった。




