第124話
戦場を後にしその後門へと戻る際に何度か少集団と戦闘をしながら俺達は門へと辿り着いた。
そこで待っていたのは街を探索する為に来ていたクラリスと騎士5名だった。
「姫様!ご無事で!」
「ええ……心配を掛けました」
「全くです!本来であればあの場合姫様が向かうのでは無く我々騎士団が向かうのが筋で姫様はここに残って助け出した方々の心の安寧を行いつつ我等騎士団に指示を出して頂くのが流れなのです!それを!私が止める間も無く走り出して!あの後姫様の行動で不安になった彼等を宥めるのにどれだけ苦労したとお思いですかっ!その上!フォルテース様にまでご迷惑をお掛けして!ここからでもどれだけ戦闘が激しかったのかアレを見れば分かります!もし!フォルテース様が後を追わなければもしかしたら姫様は死ぬかもしれなかったのですよ!聞いていますかっ!?それに!………」
それから暫くの間クラリスによるシャルへの説教は続き途中シャルは「はい……」「申し訳有りません……」「以降気を付けます……」と返事を返すしか出来ないほど落ち込んでしまった………。
事実、クラリスの言っている事は正論で本来は高貴なるお方であるシャルはこんな所に来るべき人間では無く普通は城等で他の国の人や領主達と会い話をするのが仕事なのだ。
それを………何の因果か俺達と一緒に行動し戦闘に参加する様になってしまった。
もしかすると彼女にとって俺達と一緒に行動するのは彼女の害にしかならないのかもしれない………。
それでも彼女は俺達と一緒に来ると言うだろうが………………と言うか来るなと言ってもこの姫様は行動力の塊の様な所が有るので周りの静止を無視してでも付いて来そう………いや、来るな………確実に。
さて、そろそろクラリスを止めないとな…………なにせ先程からシャルの目が死んだ魚の様な目になっているしな。
それに、こんないつ魔物が襲い掛かって来るかも分からない所で何時までも呑気にしてる訳にはいかないしな………という訳で。
「クァクゥ、クックァクゥア………クックア(クラリス、その辺で一旦終わりにして騎士団のテントまで戻ろう………ここはまだ危ないし)」
「っ!?し、失礼しました!そうですね!ここはまだ安全ではありませんでしたね!分かりました………後の説教はアイゼン騎士団長にお任せする事にします!」
俺の静止の言葉でようやくクラリスの説教は止まり俺達はその場を後にした………。
因みにシャルだが俺の静止によりクラリスの説教が停止して希望を見出した目をした後クラリスの後の説教は騎士団長にと言う言葉を聞いて再び沈んだ目に戻ってまるで機械の様に俺達と共に騎士団のテントへと戻って行った………。
テントに辿り着くとアイゼンが入り口で仁王立ちにて俺達の帰りを待ち構えていた。
「姫様、お帰りなさいませ………クラリス直ぐに報告を聞かせて貰いたい。
それと……救出した人達だが今は医療テントで診察を受けて貰っている。
それが終わり結果次第では彼等には十分な休息と食事を振る舞う予定になっている。
悪いがクラリスには報告の後彼等の世話を任せたい………頼めるか?」
「はい!お任せ下さい!」
「うむ………では、俺のテントへと向おう………他の者達は各班のリーダーは俺と共にテントで報告をその他の者達は怪我のある者は治癒をそれ以外の者達は各自割り当てられたテントにて装備の手入れをした後休息を取ってくれ。
因みに………姫様はテントでお説教ですので強制参加して頂きます………よろしいですね?」
「はい………………」
「それでは解散!」
その一言で俺達はその場で別れクラリスと2名の騎士それとシャルはアイゼンと共にテントへと向った。
その後を追う様にメリアとクレアさんそれとその付き人であるフィルマさんがテントへと歩いて行った。
シャルだけ雰囲気がまるでドナドナされる羊の様だったが………その場に残された俺達はそんな彼等を見送った………。
(シャル………強く生きてくれ……………)
そう思いつつ俺達は自分達の為のテントへと向った。
その道中俺達は街の中で有った出来事をそれぞれ話した。
俺達の方は特にこれと言った事は無くただただ襲って来た魔物を返り討ちにしていっただけで特筆する事が特に無かった。
しかし、シア達の方は違った。
避難をしていた人達を助けた事………。
彼等を連れて街の門へと移動した事………。
その道中に魔物の襲撃が有りそれに恐怖した人達が悲鳴を上げた事………。
その悲鳴を聞き付け他の魔物達が集まって来た事………。
自分達を囮にしてそんな彼等を逃した事等色々聞いた………。
しかもどうやら避難所にはまだ何人か残っている様で一応持って行った食料は置いて行ったらしいので数日は保つみたいだが早い内に残った人達の救出をしないといけないとの事だ…………。
シアを含めた何人かは直ぐにでも行きたそうだったが………。
そうしてる内に俺達は自分達のテントへと辿り着いた。
そこには10人の騎士とそれに檻に入れられた大量の魔物達がいた。
「お疲れ様です!本日の探索で捕獲に成功した魔物達を連れてまいりました!」
あ〜………なるほどね。
アレか……街に入る前に言っておいた出来るだけ捕獲してくれってヤツ………。
態々《わざわざ》それを守って連れて来てくれた訳か………取り敢えずコレだけは言わせてね?……………どっからそんなに大量の魔物を入れておける檻を用意した!?。
そう言いたくなるのも無理は無いだろ!。
だって!その辺にある蔓とか木で作られた簡易的な檻じゃなくて明らかに護送だとかそんなので使う様な物凄く頑丈そうな鉄?の檻何だからさ!。
しかも!その檻の中には10や20ではきかない数の魔物が寿司詰め状態で入っているんだから!。
檻の事も気になるけど!どうやってそんな大量の魔物達をその檻に詰め込んたのさ!?。
下手すると詰め込まれた魔物の何匹かはその数の所為で圧死してんじゃないかな!?これ!。
取り敢えずコイツ等を処理しないとな………。
そう、この後の事を考えながら俺はその檻を見詰めたのだった………。




