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第113話


「見付けたぞ!邪悪なる竜よ!この俺がお前を退治してやる!」


 雨の中そんな勇者(笑)みたいな声が聞こえて来た。

眠れずに過ごした為に眠い表情のままそんな声の主を見た。

そこには雨避け用のローブを目深にかぶった5人の人がいた。

正確に言うと1人の剣を構えている体格からして男だと思われる(多分声の主)人とその人へと走ってくる4人の人達が見えた。


「その正しく邪悪な竜だな!今直ぐその首を落してやる!」


 って………考え過ぎて眠れなかったから眠いだけなんだが?。

と言うか………邪悪な竜ってやっぱり俺の事か………。

まぁ、ここには竜は俺しかいないからそれ以外考えられないんだけどさ………。

タメだ………眠む過ぎて頭が回らない……………。

そんな事を考えているとローブの男(声で断定)の元に走って来ていた4人が辿り着いた。


「もう!1人で先走らないでって言ったじゃない!」


「そうですよ!何があるか分からないんですから慎重にとあれ程申したではありませんか!」


「しかし!」


「しかしも何も無いかな?邪悪な竜だって決まった訳じゃ無いって話した筈だよ?」


「いや!アイツは邪悪な竜で間違いない!」


「どうしてそう言い切れるの?」


「皆はアソコに有った穴を見てないのか!」


「穴?」


「あぁ!アソコの穴の中には大小様々な焼け焦げた遺体があった!」


「「「「っ!?」」」」


 え?大小様々な焼け焦げた遺体って、ゴブリン(元人)とかのだよな?。

え?アレが人の死体に見えたって事!?。

いや……まぁ……見えなくも無いけど………明確な違いも有るんだが………。

例えばゴブリンやオーガには頭に角が生えてるしオークの中には牙の生えた個体もいたんだが………その辺詳しく見て無いのか?………無いっぽいな………。


「それに見ろ!あの女の子は今正に襲われる所だったんだぞ!」


「え!?私!?」


 あ〜………コイツには俺がシアを襲ってる様に見えたのか?確かにシアがさっきからアイツの【邪悪な竜】発言を聞いて怒りで俯いたまま震えてるんだが………それがシアを襲っている様に見えたと……………………………ふざけんな!誰がシアを襲うものかっ!。

コイツ!深く考えもせずに言ってやがる!しかも仲間から注意されてたみたいなのに短絡的に行動に移してやがるのか!。

俺の前世にもコイツみたいなのが居たがここまで酷い奴じゃなかったぞ!。

ここまで酷いのは初めて…………ん?アレ?ちょっと待て………何かコイツの声聞き覚えが有るんだが?。

と言うか………俺の視界とかが人の時と違うから判別し辛いが背格好とかアイツと同じに見える…………後、他の人の声にも2人程聞き覚えが有るんだが………………………まさか………。


「グル?(ちょっと良いか?)」


「何だ!」


「グルァルゥア?(お前まさかとは思うが英二えいじか?)」


「だったら何だ!」


「グルァルア?(ならそっちの2人はもしかして可憐かれん麻耶まやか?)」


「そうだけど………ってか何で名前を知ってるの?」


「と言うか………さっきから会話が成立してないかな?」


「そうですね……何故か言葉が分かりますね………」


「後先程からアチラの方ですが震えているのでは無く怒ってらっしゃる様ですが?」


「……………え?」


 彼等の中の1人が言った言葉を聞き全員の意識がシアへと向いた………………。


「…………………ル……邪…………ない」


「……………グ、グル?(……………シ、シア?)」


 何と言うか………変だ……………いや、変と言うか様子があまりにもおかしい………。

そんなシアの雰囲気に俺は躊躇いながら声を掛けたのだが…………正直声を掛けた事を後悔した……………。


「………………フォルは悪くないのに何で悪く言われなきゃいけないのよ!そもそも、邪悪な竜なんかじゃ無い!格好良くて頼りになる私の大好きで大切な人で皆を守ってくれた強い子で今回の事で心を痛めてるそんな優しい竜なんだから!それにフォルは転生者で竜の姿だけど人の心を持っていて最初は色々と大変だったのにそんな大変なの状況で私を助けてくれて!そんな私がフォルの事を怖がったら1人で不安で寂しい筈なのに私を怖がらせない様に離れようとして落ち込んで泣いちゃった位に優しいの!その後も!失敗して落ち込んでた私を優しく慰めてくれて!人に危害を加えよう何て一度もした事が無くって!それどころかゴブリン達の所為で大変な事になりそうだったのに命を掛けて街の人達や狩人ハンターの人達を助けてくれたりして格好良かったんだから!しかも!ここに来る時なんか騎士団の人達と一緒に襲われた時にブラッドフェンリルが現れてそれをたった1人で戦って守ったし!ここでの戦いだって本当はしたく無かった筈なのに女神様からの頼み事を聞いて!元人だった魔物にされた人達を殺さなきゃいけなくなったのに我慢しながら1人で頑張って!………頑張って!頑張って!頑張って!女神様の頼み事をやり遂げて!その事に苦しんで!………悲しんで!昨日も悩んで!泣きたいのに我慢して!眠れずにいたのに!………そんなフォルが邪悪な竜な訳ないんだから!………………謝って!今直ぐ!謝りなさい!」


「「「「「ご、ごめんなさい!?」」」」」


 あまりの迫力に5人は俺に謝って来た………。

「ァ〜………グルァ?グルゥ………グゥ………グルァ?。

グッグルァグルゥル!グゥ!?グルラ!グルゥル!(あ〜………別に良いよ?謝んなくて………と言うか………怒ってないからね?。

だから、そんな雨で濡れた地面に土下座何かしなくて良いから!ね!?立って!お願いだから!)」


 そんな風に懇願してしまう程に懇願しながら今だに怒りに燃えているシアを見てこう思った……………。

彼女は絶対に怒らさない様にしようと…………。



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― 新着の感想 ―
[一言] 段々何でもかんでも詰め込んだ上にグチャグチャする未来しか見えんよな
2022/01/10 13:30 退会済み
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