第112話
明けましておめでとうございます。
去年は自分の拙い文章にお付き合い頂きありがとうございます。
まだまだ未熟なのは理解しておりますが今年1年も拙い文章にお付き合い下さい。
今年もよろしくお願いします。
ブラッドフェンリルとの戦いから1日が経った………。
今日は朝から雨が降っている。
雨が降り出したのは戦闘が終わってから3時間後の事だ。
この雨は俺の【火球】により生じた水蒸気が原因だと思う。
学校に通ってる時に授業で雨の仕組みを教えられたがその時の教師が昔の雨乞いは焚き火を利用して水蒸気を発生させて雨を降らす理に適った行為だったと話していた事がある。
おそらく今降っている雨は俺の【火球】で燃えた魔物達を種火として地面に生えた草木が燃えた事で発生した水蒸気が原因だろう。
戦闘が終わった騎士団は直ぐに戦闘後の処理を行いだし負傷者を本陣の置かれている場所へと連れて行き残った者達で戦場の処理(死体の片付け)を行った。
戦闘が終わった後ブラッドフェンリルの遺体を前にしばらく呆けていた。
その後、あまりにも周りが静か過ぎて違和感を感じて周りを見ると残っていた魔物達は一匹も残っておらず取り敢えず周りが安全なのは確かなのでシア達と騎士団を守る為に作っておいた石壁を解除して現状の報告をした。
その後は魔物と化した住民達の遺体をそのままにしとく訳にもいかないので遺体の片付けをする事になった。
コレだけの数の遺体を1人ずつ丁寧に片付けるのは時間が掛かり過ぎるので纏めて火葬する事になった………。
その準備の為にまずは地面に深い穴を数が数なので広く深く掘る事になった。
穴掘りは魔法で行い直ぐに終わった。
その後はそこら中に転がる魔物の遺体を(ブラッドフェンリルは除く)集めて穴の中に集めた………。
集めて終わった遺体は俺の【火球】を穴の中に放って燃やす事になった。
燃えていく遺体の匂いを俺は忘れられそうに無い………。
取り敢えず遺体が燃え尽きるまでそれを繰り返す事になった。
その際穴に入れた数を数えていたのだが確認した数がなんと形が残っているのだけで28759体もの遺体があった。
全てが元人間の魔物なのかは分からないがもし全てが元人間だったとしたら村等の規模では無く国そのものが滅んでいる可能性があるとシャルが呟いていた………。
俺はその事を理解しあまりの事に絶句した………。
そしてそれはシア達を含めたこの場にいる全ての人が感じた事だった………。
そうして、その遺体の処理が終わった頃に空模様が変わり雨が降り出した………。
「この後は都市の中の確認をしたかったのだが………この雨の中でやるのは流石に辛いか………」
アイゼン騎士団長がそう呟いた後、この数日過ごしているテントのある本陣への帰還を騎士団に指示し俺達もその指示に従った。
テントのある場所に着いたが俺はこの巨体になってる為テントには入れず仕方ないのでシア達には中に入って貰って俺は外で休む事にした………と言っても雨の中では流石に眠れず身体を横にしそのまま一晩を過ごした。
翌朝、アイゼン騎士団長が俺達の所へ来てコレから都市の調査を行うとシャルに報告して調査へ向かった………そしてシア達にはそのままテントの中で休んで貰い俺は外でそのまま座り眠れぬ夜に考えていたブラッドフェンリルの言葉を思い出していた。
『かつて我等、神獣と人は邪神を封じる為に共に戦った!』
邪神………やはりそう言った存在がこの世界には居るんだな………。
俺の予想だけど多分だが今回の騒動の殆どに件の邪神かその関係者が関わっているのでは無いかと思っている。
あの黒フードの男がそれに関わっているのかはまだ分からないが関係してるのならとんでもない事だ。
少なくとも騎士団の中に喰い込める影響力があるのだと言える………そしてそんな相手が少なくとも後1人は残っているのだ………。
考えるだけで頭が痛い………。
『決戦の直後!邪神が封印されたと確認されるやいなや………』
封印………もしかしたら邪神の開放が目的何かも知れないな………。
『奴等は我等を裏切り我等、神獣を殺し始めた!………』
神の指示によってか自分達で判断してかは分からないけど裏切られたブラッドフェンリルの気持ちは相当悔しかっただろうな………。
『そんな奴等を殺して何が悪い!』
それこそ共に戦った者達から裏切られると言うのはそれだけ深い絶望だったのかも知れない………が、だからと言って関係ない人まで巻き込むのはやり過ぎだと思う………。
俺だったらもしシア達が殺されたとしたらそのシア達を殺した者達は許さないと思う………。
それこそ第2のブラッドフェンリルになるかもしれない………。
実際に味わった事の無い俺では想像すら難しいが。
『小僧………お前の……その道…は………想像以上………に……厳しい…モノだぞ?………』
分かってるよ………でも、俺はこの道を進むと決めたんだ。
だから、あの世ってのが有るのかは分からないがそっちで見ててくれよ。
そう思いながら俺は雨の降る空を見上げた………。
「フォル………」
俺は足元から聞こえて来たその声に反応してそちらを見るとそこには雨の中ずぶ濡れになりながら俺を見上げるシアがいた。
「グル……グラァ?(シア……どうした?)」
「ん〜……何かフォルが辛そうだなって」
「グラァ?(え?)」
「何て言ったら良いのか分からないけどそう感じたの」
驚いた………何となくだがシアは俺がブラッドフェンリルの言葉を思い出して色々考え込んでいたのを感じ取ってたみたいだ。
正直これからの事を考えると不安しか無い………。
何せ下手をすれば今回の事で俺は人類の敵認定されるかも知れないのだ………。
しかもあのブラッドフェンリルの言葉『奴等は我等を裏切り我等、神獣を殺し始めた!………』信じていた人類に裏切られた………。
俺もそうなるかも知れないのだ不安にならない訳が無いだろ?………。
そんな俺の気持ちが態度に出てしまっていたのだろうか?………。
その気持ちをシアに隠すつもりだったのだが………まだ俺が何に辛そうにしてるのかは理解している訳では無いようだがそんな俺の態度でシアには早々にバレてしまったみたいだ。
どうするかなぁ………。
話しても良いのか迷う………下手をするとシアも巻き込むかも知れないのだ。
そう思うと躊躇ってしまう………どうするか………。
そんな風に考えながら俺はシアを見つめ続けた………そして。
「見付けたぞ!邪悪なる竜よ!この俺がお前を退治してやる!」
そしてシアに話すか迷っていた俺の思考はそんな声に遮られたのだった………。




