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第108話


「グルルルル………」


 あれから暫く俺とブラッドフェンリルは睨み合っている………………と言うか睨み合うしかなかった。

ブラッドフェンリルは先程の俺の攻撃で1度傷付きヤラれる寸前まで行ってる事を覚えてる様で動こうとせずこちらもブラッドフェンリルの攻撃を受ければヤラれるのは確実……………だから、動けない。

お互いに動けばヤラれる可能性があるから………。


『そこな竜よ何故我の邪魔をする………』


 突然俺の頭の中に聞いた事もない声が聞こえて来た!?。

誰だ!?そんな考えと驚きを隠し目の前のブラッドフェンリルを警戒していたらブラッドフェンリルが低い唸り声を上げた。

その唸り声に重なるかの様にまた頭の中で同じ声が聞こえて来た。


「ガルゥ………『聞こえているのは分かっている答えよ………』」


 まさか!?………そう思いながら俺は声に出した………。


「グルァ?………(まさかお前か?………)」


「ガルゥ………『まさかも何も我以外に誰がいる………』」


 どうやらマジでブラッドフェンリルが話し掛けて来たらしい………。

いきなり過ぎたのと一体何故?と言う思いがあった。

その為、ブラッドフェンリルが話し掛けて来るとは思わなかった………………と言うか話せる事にビックリだ。


「……………グルゥ(……………何で今まで話し掛けてこなかったんだ)」


「ガルル………『単純に奴の支配下にあったからだ………』」


「グルゥ?(奴ってのはそこの燃えカスか?)」


「グルゥ………。

ガルルガウグルゥ。

ガルグルァウガウ

『その通りだ………。

少し前に何者かに突然襲われ気付いたら奴めに支配下に置かれておった。

意識は有れど身体の自由に制限が掛かり奴の命令に逆らえぬ様になっておったのだ』」


 アイツ召喚士じゃなくて魔物使テイマーいのほうだったのか?。

しかし、それでも…………。


「グルァ?………(お前程の魔物を操れる程なのか?………)」


「グルァ…………『普通で有れば不可能だ…………』」


 普通で有れば………ねぇ……。

つまりは奴はその普通じゃなかったって事なのか?。

それは何だろう…………ちっ!?殺すの早まったか?。

普通じゃないその辺の事が分からないと対処出来ないかもしれないな。

もし、同じ力を持ってる奴が出て来て俺に使われたら最悪抗う事も出来ずに操られるかもしれないぞ?コレ?。

そんでもってそれでシアとか皆を傷付けたら……………それこそ俺を操った奴どころか世界を破壊する程の最悪の存在に確信があるぞ?うん………。


「グルァ………『奴はおそらく邪神に連なる者だ………』」


「グルゥ………(邪神………)」


「ガルゥ………ガウ………グルゥ『奴等の力は強力だ………それは途轍もなく抗い辛い誘惑………せいぜい気を付ける事だ』」


「グルゥ………(はい………)」


 何だかさっきまで殺し合っていたのが嘘の様に穏やかな雰囲気をブラッドフェンリルから感じる………。

その所為か先程まで張り詰めていた俺の警戒心が無くなっていく………。

何故………こんな雰囲気を持つ人?いや、狼が皆が言う様な存在になったのだろうか?………。

聞いてみるか?………。


「ガル………グルァ………『さて………竜よ先程の問の返答や如何に………』」


「………グル(………その問に答える前に聞きたい)」


「……………ガウ『……………何だ』」


「グルゥ………(何故人を襲う………)」


 そう問い掛けた瞬間ブラッドフェンリルから物凄い怒りの気配が吹き出した。

こんなにも怒りを顕わにする何て一体何を人はしたのか………。


「ガウ!ガルル!『知れた事!人が我等を裏切ったからだ!』」


「グルゥ?………(裏切った?………)」


「ガルァ!ガル、グルゥ!グラァッ!グルッ!グラァ!『そうだ!かつて我等、神獣と人は邪神を封じる為に共に戦った!。

決戦の直後!邪神が封印されたと確認されるやいなや奴等は我等を裏切り我等、神獣を殺し始めた!。

邪神封印の為にその力の殆どを費やした我等が同胞達は抗う力も残っておらず一方的に殺された!。

そんな奴等を殺して何が悪い!』」


 それが本当ならブラッドフェンリルがコレだけ怨むのも仕方無い。

信じ裏切られた者の怒り………コレだけの怒りを持たせてしまう程の事を人はしたのだ………だが。


「グルゥ………ガァッ!(それは昔の人達が行った事だ………今の人達は関係ない!)」


「ガルッ!ガウッ!ガァッ!『我等の同胞を殺した者達の子孫だ!関係なくなど無い!』」


「グルッ!グラァ!グッグラァッ!(いや!今を生きる人達には全く関係のない事だ!少なくともお前の言う邪神との戦いに関係していない人達と!お前達を裏切っていない人達には!)」


 それに人類全てが裏切ったとは関わらない!。

少なくとも邪神封印の時に関係していない人達にとってはコイツはただの殺人者だ!。


「ガルゥッ!『どうしても邪魔をする気か!』」


「グルァ!(お前が人を殺し続ける限り!)」


「ガァッ!『ならば貴様は我の敵だ!』」


 その宣言と同時にブラッドフェンリルから何かの力が吹き出した。

本当は敵対何てしたく無いのだが………。

シア達を傷付けるのならお前は俺の敵だ!。

その決意と共に俺達は再び激突した………。



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