プロロ-グ
この小説にアクセスして頂きありがとうございます。
読む前に注意です。
※金髪の少女のセリフは棒線と記号のみ。
※不定期更新なのでお許しを。
※フィクションですが、舞台は地球で日本です。
※主人公はバカです。主人公はバカです。大切なことなので(略)
初めての投稿と執筆作品となります。
初心者であり卵であり未熟なので稚拙な文章だと思いますが、
それでも読んで頂ければ光栄です。
誤文、誤字、脱字、単語の意味が間違っていましたら、
良ければ一報をお願い致します。
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――息苦しい……。
高校制服である紺色ブレザーを折り目正しく綺麗に整え、ネクタイをきちっと首元まで絞めた少年・九ノ葉佑汰は、ネクタイを少し緩め咳を吐き出しながら呼吸を整える。
自分の部屋にいるのに圧迫面接をしているかのような緊迫した面持ちで永遠とも思える時間の中、沈黙が続いている。目の前にいるのは怖い顔で少年を睨む面接官――ではなく、一人の少女だった。
今の少年に置かれている状況を説明すると、かなり難しいと言って良いだろう。それはとても長く困難で……不可解な出来事であるからだ。
まずは少年の目の前に座っている少女について説明しなければいけない。
少女の容姿は、身長から推察すると小学高学年程度にあたる十歳前後。とても長い金髪なのだが、ただの金髪ではなく白が入り混じった美しいさらさらのプラチナブロンド。
少し丸みのある顎に赤い実が成ったような頬、やや小さめの鼻と口、そして何よりも少年を見つめる青く澄んだ穢れの無い無垢な綺麗な瞳。
少年の目の前にいるのは、日本人ではない異国の女の子。
間違いなく美少女だ。
身に着けているのは群青のブレザーにホワイトライン、その胸元には白い紐リボンが左右対称に結ばれている。灰色と黒が交わるチェックスカート。絨毯の上なのに革靴まで履いている。総合して見ると、英国風のお金持ちのお嬢様が学生服を着ているように見える。
ランドセルを背負わせれば、完璧に小学生だろうが彼女が唯一持ってないとすれば、それは鞄だろう。
つまり観光客でも旅行者でも、ましてや近所に住んでいる子でも無いという意味である。
そんな外国人美少女が、少年の部屋に居て黙々と監視するように少年をひたすら見つめながら座っているのだ。
少女は少年の血縁者でも無ければ、少年の家にホームステイで泊めている子でもない。どこの誰かも解らない赤の他人である。
赤の他人同様ではあるが、全く知らないと言うわけでもなかった。
どういう経緯で異国の少女が少年の部屋にいるかなど解らなかった。説明しても到底理解出来るものではないほど深い理由がある。
誤解しないように言っておくが、決して少年が拉致や監禁のような犯罪行為を犯したわけではない。
むしろ一歩間違えれば殺されそうになっているのは少年の方だ。
――こういう場合、お茶を出したほうが良いのだろうか。
「お茶……、出そうか?」
俯いて喋る少年は、異国の金髪少女をチラッと見ながら呟くように訊くと、少女は目を細めゆっくりと手を少年に向ける。
小さな少女の手と指が拳銃の構えになると、少年は酷く怯え始め両手を上げ始めた。
「わぁぁぁぁぁ!! 待ったっ!! 話せばわかる!!」
それは強盗犯が銀行員や従業員を拳銃で脅し、金を盗ろうとしているような場面となっていた。
しかし、少女は勿論強盗でもないし拳銃を持っているわけではない。
強く握れば簡単に折れてしまいそうなか弱い女の子の指だ。
言ってしまえば、浦○幽助の霊丸やダンディ○野がネタでやるような指をしているだけ。ただそれだけなのに怯える少年は、命乞いをするかのように両手を上げ叫び声をあげた。
そんな情けない声を出して叫び上げた高校生の少年を見ながら、小学生ほどの少女はゆっくりと小さな口を開けて、こう言った。
「――――――――――――――。――――――――――――――――――――――――――――、――――――――――――――?」
「………………」
少女が発した言葉は、聴き取れなかったわけでも早口だったわけでもない。
日本語では無いのは勿論、英語でもない。それ以外の国の言葉で喋ったのだ。
「『話せばわかる』と言ったが……。わりぃ……、何を言ってるのかわっからねぇ……」
言葉の壁というせいで、少年は少女の名前どころか、どうして欲しいのか。何をして欲しいのか。少女の要求が解らずにいた。
状況を打破しようにも警察を呼んだところで、少女が暴れて家を破壊され兼ねないし、経緯を説明しても誰も信じてくれはしないと思い無駄だと諦めている。
さらに余計面倒なことに巻き込まれるのも目に見えている。
少年は『テロに屈しない』という国のお偉いさんのスタンスを理解はしているが、個人としては‟テロ以上の力を持つ少女”が実際目の前に現れれば屈しざるを得なかった。
――まぁしかし……、なんだ。‟そんな眼”をされると警察に通報も出来ないわけなんだが。
少女の表情は、様子を伺うかのように無表情でじっと目で少年を見つめているが、少年から少女の眼を見れば何かに困っていて助けて欲しい、ということだけは何となくだが、言葉が通じなくても気がついてはいた。
しかし肝心の言葉が通じなければ、どうしようも出来ない訳だが。
――はてさて、この状況どうしたものか。
少年は両手を上げたまま、ゆっくりと目を閉じて出来事の始まりである数日前を思い出すのであった――。
今回はここまでです。
お読み頂きありがとうございました。
続きをお楽しみに読んで頂ければ嬉しいです。