幼馴染みは黒猫でした。
「コウ~、私、遊園地のチケット貰ったんだぁ~。今度一緒に行かなぁ~い??」
そう話しかけてきたのは、相川ノエル。俺の幼馴染みで、超おしゃべりな女。
その上、男共にモテモテ。
「お前1人で行って来いよ・・・。」
「え~嫌だよ~コウがいなきゃ、つまんなぁ~い。」
はぁ・・・これだよ、これ。
いつも、ノエルは、俺を遊園地に誘おうとしてる。
つまりそれは、とっても迷惑であり、俺の素敵な猫カフェタイムを邪魔しているということでもある。
猫カフェタイムというのは、俺がそう呼んでいるだけであり、別にそういう熟語はない。
俺の好きな動物は猫!猫!!猫!!!
そんなことを、昔ノエルに言ったら、
「きもっ!」
と、言われた。
別に、猫が好きなだけできもっ!はないんじゃないか?
と俺は思っているが、
ノエルは気にしない。
いつもは・・・通常なら猫カフェへ行き、可愛い猫と遊んでいる放課後。
しかし、そこにノエルが入ってくるとガラリと変わる。
ノエルが言うことは毎回同じ。それは、
「デート行かなぁ~い?」
そして、その後、チケットを手に入れた言い訳や薀蓄をブツブツ言いながら、俺に断られる。
それが落ち。
でも、今日は遊園地を諦めた後、なにやらたくらんでいるようで、どこかの店の無料券を2枚差し出してきた。
「これ、猫カフェの無料券~。えへへ、私と2人で行くならば、この券あげるぞぉ~。」
いや、正直言って、無料という言葉に反応する人間ではないんだよ、俺は。
でも、どうせ同じ猫カフェに行くのなら、無料のほうが特かもしれない。
「わかった・・・。一緒に行ってやるよ。」
「わぁ~い!」
ガキくせ・・・。普通、中2がそんな喜び方をするか?普通。
そして、来てほしくなかった放課後になった。
「コウ~。行こ!行こ!」
「はいはい。」
わかりましたよ。
カフェに着いたとたん、同じみの店員さんに、
「あら~コウちゃん、その子、もしかして、コウちゃんの彼女~??」
なわけねーだろ!
それに、そのコウちゃんという呼び方をやめろ!
お前まだ23歳だろ!?
おばちゃんみたいな口調&呼び名で言うな!
「はい、コウは、私の彼氏です~。」
勝手に彼氏言うな!
「あら~いつの間に彼女なんかつくったの?うふふ。」
つくってない。最後に笑うな。
実に疲れる。
その店員の名は、木戸ルルリ。23歳のバリバリ大人。
そして、女。
俺が苦手な店員ランキング3位以内のおっかなババア(実年齢23歳)。
ちなみに1位は、ケバい55歳で、2位は、元柔道日本代表の筋肉男。
とりあえず、そこらへんは置いといて、俺は猫ちゃん達とじゃれているとしよう。
そしたら急に、毎日来ている俺でも知らない黒猫が来た。
おっかなババアに聞いても、「さぁ?」と言うだけ。
本当、役に立たない。
まぁいい。ん?そういえば、ノエルがいない。
どこ行った?ま、どうせトイレだろ。
あいつは、俺と来るのが目的で、猫ちゃん達との幸せな時を過ごそうとは、全く思ってない。
まぁ、そこらへんも置いておこう。
その黒猫とじゃれていたら、ノエルに呼ばれた。
「コウ~!」
振り向いても、おっかなババアがいるだけで、ノエルはいない。
「おーい、ノエル??」
「コウ!ここだよ、アホコウ!!」
アホコウとは、なんだ。アホコウとは。
俺は、それ以外にもっと、非現実的なことを考えていた。
それは、
「もしかしてお前?」
ノエルの声がしたのは、間違いなくこの黒猫からだった。
「やっと気づいたわね、バカコウ~。」
今度はバカコウかよ。気づいてやっただけ感謝しろ。
・・・と思っていたら、急に黒猫が巨大化・・・と思ったら、そこにいたのはノエルだった。
「ノエル・・・お前・・・制服どうした?」
そう、ノエルはなにやら変な格好をしていた。
首にはチョーカーみたいな、でかいリボンと鈴。
ふわふわのファーに黒いワンピース。
的な、いわゆるコスプレをしていた。
「制服って・・・私は黒猫よ☆」
そう、そして一番おかしいことは、
人間にはあるはずのない・・・いや、こいつは黒猫なんだっけ?
(途中編集中)
こんにちは、今日は、知人が好きな「猫」を題材にして、書いてみました。
イラストはありませんが、可愛らしい猫(?)達を書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。