表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一部完】AIにリストラされた俺、異世界で「生成AI」を使いこなして成り上がる〜進化する相棒と共に世界をハックする〜  作者: ikura
(未定)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/73

10

カレンベルクからの馬車が、王都の巨大な正門に到達した。

王国の中心地。そこは、魔族領とは違った殺伐とした雰囲気を持っていた。


ケンジは馬車を降り、検問の列に並ぶ。騎士たちが事務的に書類を確認し、時には賄賂を要求している様子が見えた。

ケンジの番が来た。若い門番が眠たげに通行証を確認する。


「カレンベルクから? ……で、通行料は?」


「我々は公式な使者として来ている。通行料など不要のはずだ」


ケンジの冷静な言葉に、門番は鼻で笑った。

「あ? そんなもの知らねえな。」


明らかな不正。リィザが憤慨するがケンジはそれを制した。


「残念ながら不正に付き合うつもりはない。だが、軍務規定の第103条にある『不正事項』に該当すると思うがどうだろう?」


「軍務規定だと……?」


門番の顔が青ざめる。

「も、もういい、早く通れ」


「当たり前だ。次は無いぞ」


王都の内部は、外の街道とは違った歪な活気に満ちていた。

貴族の馬車が我が物顔で通りを駆け抜け、庶民はその影に怯えるように歩いている。


「……ここが王都。通ってきた街やカレンベルクとも違う。独特な雰囲気」


「確かに。……今日は宿を取って、明日王宮に向かおう。その前に……冒険者ギルドへ寄るぞ」


「ギルド? 依頼でもを受ける気?」


「違うよ。情報の収集だ。王都の『今の状況』を最も肌で感じられる場所だからな」


ケンジとリィザは、活気があるようでどこか殺伐とした通りを抜け、冒険者ギルドの重い扉を開いた。

中に入った瞬間、ケンジは掲示板の違和感に気づいた。


(マスター。依頼掲示板の紙の劣化具合から見て、討伐系の依頼が滞留しています)


近隣の討伐依頼は皆無に等しく、そのほとんどが「数日かかる遠方への護衛」や「特定の貴族の荷物運び」、「薬草採集」といった依頼ばかりだった。

ベルトランで日々魔物と戦っていたリィザからすれば、拍子抜けするような状況だ。


カウンターの近くで、いかにも場慣れした強そうな男が、二人の武器と服装を見て声をかけてきた。


「見ねえ顔だな。新人か? このあたりで魔物なんて出ねえよ。せいぜい、貴族様のお使いか、遠くの街への護衛依頼ぐらいだ。ここはな、平和な王都なんだよ」


男は親切に、今の王都の状況を教えてくれた。


その後、二人はギルドを離れ、庶民の集まる裏通りの酒場へ移動した。


「魔族との戦争も長引いているが、実は今、隣国からも攻められているのさ。国境線のあちこちで小競り合いが続いていてな。戦費がかかりすぎて、軍事税を引き上げ続けているんだ。」


重税は貴族の遊興費だけではなく、戦費でも消費されている――それが現在の王都の現実だった。


聞き込みの後、宿に戻る途中でケンジが呟く。


「……チョコレートが食いたい」


(マスター、早急な甘味の摂取を提案します。エッジコンピューティングの効率が二〇%低下しています)


宿に戻る前に市場で果物や菓子を買いあさった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ