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白銀のフォレストベアの巨大な死体を、土魔法で作ったソリに載せてベルトランへ帰還した。門をくぐるなり、通りすがりの冒険者たちがその異様な獲物を見て足を止める。
ギルドの扉を開けた瞬間、喧騒がぴたりと止まった。
「……おい、あれ。白銀のフォレストベアじゃねえか?」 「さすがバルガスだな。フォレストベアの『ボス』を倒すとは……」
バルガスは居心地が悪そうに頭を掻きながら、カウンターのフィオのところへ向かった。
「フィオ。完了報告だ。……正直に言うが、俺はただの付き添いだ。こいつらが全部片付けやがった」
フィオは提出された白い毛皮を見て、口をパクパクとさせている。
「ええっ!? そもそも今回の依頼場所よりずっと奥に行かないと出会えないはずの魔物ですよ!? ケンジさん、一体どこまで行ってしまったんですか!」
「いや、効率的な討伐をしていたら、ついな」
俺が平然と答えると、ギルド内がざわつき始めた。
ここで、この世界の**「冒険者ランク」**について整理しておこう。
エセリアのギルドは、下から順に以下のようになっている。
ランク金属名難易度・立ち位置
1 鉄 新人。街の中の雑用が主。
2 鉛 初心者。街近郊の弱い魔物退治など。
3 青銅 初級。一通りのサバイバルができるレベル。
4 赤銅 中級への登竜門。群れをなす魔物の討伐など。
5 真鍮 中級。小隊のリーダーを務めることもある。
6 銅 中堅。(今のリィザはこの辺りの実力はある。)
7 銀 上級。街の有力者からも一目置かれる存在。
8 金 最上級。一国の軍隊に匹敵する影響力を持つ。
9 黒金 伝説級。人智を超えた魔物を狩る者。
10 白金 神話級。世界に数人しかいない生ける伝説。
俺とリィザは前まで、一番下の「鉄」の雑用をこなしていた。リィザは赤銅だったので今回のフォレストベア討伐を受けられたわけだ。
「ケンジさん、リィザさん。今回の件と、数々の事務依頼……ギルド内で協議した結果、特例として**『真鍮ランク』**への特進が認められました!」
フィオが満面の笑みで、鈍い金色を放つ新しいギルドプレートを差し出した。 本来なら数年はかかる昇格らしい。
「よし、これでようやく『真鍮』か! ケンジ、これでもっと高い依頼が受けられるな!」
リィザがプレートを掲げて喜ぶ。バルガスも「お前らなら妥当だ」と笑って肩を叩いてきた。
新しくなったプレートを握りしめ、俺たちは次の獲物を探し始めた。




