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爆消勇者 〜うらしま三太郎は勇者になりたくない〜  作者: 七味とんがらし


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3/8

第3話 イヤイヤながら、勇者をさせていただいてます。

挿絵(By みてみん)


ー勇者の称号を授与される当日 王宮の廊下ー

無数のろうそくが灯された巨大な鉄製のシャンデリアが天井から吊るされ、赤い絨毯が果てしなく続き、両脇には黄金の甲冑をまとった騎士たちが直立不動で並んでいる。

三太郎はギルドマスターに腕をつかまれ、ほとんど引きずられている。

三太郎 「やめてくださいよぉ……俺なんかが勇者とか絶対ムリですって……」

ギルマス「ガタガタ言うな。国の決定だ。お前が主役なんだから黙って歩け!」三太郎にとって王宮は、転生初日に牢屋へ放り込まれて以来の場所だった。

ギルマス「王様に会うのに お前、前の日に飲み過ぎだ」

三太郎 「すいません ちょっとトイレに行って来て良いですか?」

ギルマス「トイレ しょうがねーな トイレの場所は、あそこに立っている人に聞け」

    「早く戻ってこいよ!」

トイレに行くフリをして、廊下を曲がり、ひとりになった瞬間三太郎は周囲をキョロキョロと確認し「ダルマさんが転んだ!」と叫び 姿を消す。

そのまま城の通路を忍び歩き、抜け出すつもりだったが、迷子に・・・

気づけば三太郎は、ひときわ大きな扉の前に立っていた。

三太郎 「出口?」と呟きながら、扉をそっと開ける。

中は豪華な私室。赤い絨毯、金で縁取られた鏡、中央には大きなベッド。

王様がタンスを開き、何点か出し 全身鏡の前で 自分の体にパンツを当てながら

口笛を吹きご機嫌そうに今日のパンツを選んでいるところだった。

王様  「うーん、今日の気分はやっぱり水玉かなぁ」

三太郎 「うわっ!」つい声が出てしまい口を抑える。

    (ロバの耳だ・・・)


この国は基本 人間の街だが差別のない国の象徴として、獣人の血が混じる人が王様をしている。

これは有名な話で、この国の子供でも知っていることだが とはいえ、耳をまじまじ見た者は少ない。

王冠と礼装が、いつも巧みに輪郭を隠しているからだ


王様振り向く「誰かいるのか?」

三太郎は見てはいけないモノを見てしまったと思い、急いで部屋を出たところでーーー

消える力のタイムアップ

王宮前広場を一望できる大階段の踊り場に、勇者授与の舞台が設えられていた。

民衆の前に、ドンッ!と現れてしまう。

ガヤA 「今 あの人突然現れたわよね」

ガヤB 「勇者様の転移儀式じゃない!」

ガヤC 「すごい演出だな」


女神の声「三太郎 消えるスキルは内緒のスキルです」

    「今回は皆が勘違いしてくれたので ギリセーフとしますが気をつけてください」


式は速やかに進行され 三太郎は大観衆の前で「勇者」と認定されてしまった。

この日は 花火も上がり 1日中 国中が大騒ぎとなった。


王宮前広場で、恨めしそうに見るボーンヘッドの二人と、あこがれの目で見上げるショウワ

アサジエ(良い気になりやがって……)

ショウワ「スゴイなー 三太郎さん ほぼ同期なのに 一年で勇者にまでなって……」

アクジョがショウワにお金をわたし「これで何か飲み物買っておいで」

ショウワ「はい わかりました」ショウワ観衆の中を走って消える。

アクジョ「良いこと思いついたわ!」

    「どうやって、お宝装備見つけて来るのか わからないけど」

    「あの子の後を付けて行って 全部横取りしてやろうじゃないか」

アサジエ「さすがアクジョ様 汚い」

アクジョ「褒めるんじゃないよ」

アサジエ「でも……それ面白いス へへへ」

アクジョ「いいかい お宝装備 身につけるまで あいつをつけ回すよ」

アサジエ「了解!」

ショウワが現れて「何 了解したんですか?」ドリンクを渡しながら

アサジエ「三太郎はいつもひとりだろ 大事な勇者様だ 陰からサポートしてやるんだ」

ショウワ「なるほど そうですね 三太郎さんは街の宝物」

    「勇者のサポートか……がんばります」


ー夜 三太郎自分の部屋ー

月光が差し込む薄暗い部屋。ベッド・タンス・テーブル・椅子 簡素な部屋 

布団の中で三太郎は丸まり、必死に耳を塞いでいた。お祭り騒ぎは夜も続く。

騒がしい中、観衆の「勇者!勇者!」と叫ぶ声。

その声が、三太郎には「死ね!死ね!」としか聞こえなかったのであった。


ー王宮 謁見の間ー高い天井には無数の燭台が吊るされ、ステンドグラスから差し込む光が床の大理石に反射している。

古い書物によると「魔王復活と勇者誕生」はセットで書かれている物が多い、そのため魔王復活も近いのでは、という噂が国民の間で広がっている。

魔王復活しても問題ないように、何重にも対策を練る必要があり 宰相から 騎士団長 騎士団No2のマリア(この物語のヒロイン) ギルドマスターが、呼ばれた。

王様を待つこと数分

王様  「ごめん ごめん 今日のパンツが、なかなか決まらなくて」遅れて入ってくる

マリア顔を赤らめ 無言

宰相  「パンツの件は議事録から削除するように」

王様  「じゃ、初めて」

宰相  「我が国の周りは、北の魔族・西のドラゴン・東の巨人族 と強国が周りを固めている」

    「他の種族より圧倒的に弱い人間族が多い我が国が、これまで何事もなかったのは、魔王が不在だったのもあるが、我が国が巨人族に守られていたからだ」

    「もし噂通り魔王が復活すれば、この均衡も崩れる」

    「そこで巨人族とは今後も良い関係を続けたい」

    「騎士団No2であるマリア君に、新しい勇者のお披露目も兼ねて、巨人族の村に行って来て欲しい」

マリア 「わかりました」


挿絵(By みてみん)


ー冒険者ギルド 2階 ギルドマスター執務室ー

王宮から帰ったギルドマスターは、すぐさま自分の部屋に三太郎を呼びつける。

部屋の中央には分厚い木製の机が置かれ、その上には山のように積み上げられた書類

そして、その奥の大きな椅子に腰を下ろしているのはギルドマスター。

巨体を揺らし、腕を組んで 三太郎に王宮でのことを話す。

机の前に立たされている三太郎、最初は元気なかったが、話が終わる頃にはなぜか前のめり気味。

ギルマス「……と、言うわけだ」

三太郎 「わかりました いつ出発ですか?」

ギルマス(さっきまで落ち込んでたくせに やけに張り切ってるな)

    「あぁ 急で悪いが、明日の朝 日が登ったらスグに出発するそうだ」

    「少し暗いうちに王国の東門に来て欲しいそうだ」

    「食料とかは用意するそうだから、身ひとつで来てくれれば良いらしい」

    「と、言ってもちゃんと装備はしっかりしていけよ 勇者の剣も忘れるな」

三太郎 「あれ 持っていかないとダメですか? もっと軽い剣の方が……」

ゴツン ギルドマスターに頭を殴られる三太郎

ギルマス「勇者の証明になる。いいから 持っていけ」

    「それに今回の件は王国からの指示だから 報酬もかなりいいぞ」

ニコニコの三太郎「はい」

    (やったー巨人族に会える しかも我が国を守ってくれてる存在がいるなんて)

    (そんなスゴイ存在がいるなら オレ魔王と戦わなくても良いのでは へへへ)

ギルマス「遅刻すんなよ」

三太郎 「はい」

ギルマス「あと、一緒に行くのまだ二十代半ばの女騎士だけど、騎士団No2の実力者だから……」

ギルマスの最後の言葉をちゃんと聞かず冒険者ギルドを飛び出す三太郎

ギルマス(あいつ大丈夫か?)


ー王国の東門 明け方ー

まだ太陽が地平線から顔を出す前、王国の東門は冷たい霧に包まれていた。

霧の中、足音を響かせて近づいてくる大トリの影。

遠くで見張りの兵士が槍の柄を鳴らす音が、かすかに響く。

ダチョウを大きくした感じの鳥 この世界では馬の代わりに使われている。鳥ではあるが飛ぶことは、ほとんどない。

その背に乗っていたのは、鎧に身を包んだ女騎士――マリアだった。

門の前にはすでに人影がひとつ。黒い影のように立っていたそれは、近づくと三太郎の姿だった。

マリアと顔が合うとデレる三太郎

三太郎 (キレイな人だな……)

    「はじめまして Bランク冒険者のうらしま三太郎です よろしくお願いします いやいやながら勇者をさせていただいてます」

マリア大トリから降りて

    「こちらこそ 王国騎士団のマリアだ。短い旅だが、よろしく頼む」

    「それにしても、ずいぶん早かったですね」

三太郎 「はい もう早く行きたくて 目がさえっちゃって」

マリア 「そうですか では、スグ出発しましょう」

    「この大トリで巨人族の村に行きます。何もなければ、2日もあれば着く予定です」

大トリに乗るマリア

マリア 「勇者殿は私の後に乗ってください」

三太郎 大トリに乗ると ピタッとマリアに抱きつく

マリア 「勇者殿 少しきついのだが」

三太郎は目をつぶり「すいません 初めてなので やさしくしてください」

マリア (この男 何を言ってるのだ)

    「まぁいい 振り落とされないように」

こうして三太郎とマリアの旅は始まるのであった。


そして、この光景を見ている三人の影 ボーンヘッドである。

2つの大きなタイヤがある木製の荷車に 無理やり椅子をくくりつけ、アクジョがふんぞり返って乗っている。

通常は大トリが引くのだが 気合い入りまくりのショウワが引く 後ろからアサジエが押すのだが、なにやらブツブツ文句を言いながら押していた。

アクジョ「さぁ!出発だよ!見失うんじゃ無いよ」

荷車の勢いがつくとアサジエは荷車の後に腰掛け ショウワひとりで引くのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次回も三太郎は全力で逃げます。

第4話は、4/3 20:00 公開予定です。よろしくお願いします。

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