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赤嶺美月の幼女任侠伝  作者: スパイク


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9/28

ツインテール姐さん、一番星号で東大阪を爆走す!

週末の東大阪の昼下がり。

またしても祖父・清一の家で、美月はテレビに釘付けになっていた。


画面には――

デコトラの巨体が夜道を走り抜け、

ど派手な電飾がギラギラと光り、

主役の男が名セリフをぶっ放す。


美月

「……じいちゃん……これ……めっちゃカッコええやん……!」


清一

「せやろ。これはな、日本の“浪花節トラック映画”や!」


その瞬間、美月の瞳に星が宿った。

翌日には、もう完全に“あの世界の住人”になっていた。


「み、美月ちゃん……?なんで胸張って歩いてるん……?あと声低ない……?」


美月は仁王立ちで蓮を指差し、

突然、映画そのままの口調で叫んだ。


「行くぜェ!ジョナサン!!」


「え!?え!?だ、誰!?ジョナサンって!?!?」

(※混乱度:過去最大)


美月

「蓮、お前は今日からジョナサンや!

ウチら二人で東大阪の夜を走るんや!!」


「走らん!!怖い!!意味わからん!!???」


しかし美月のテンションは止まらない。



家に帰った美月は、押入れから段ボールを大量に引っ張り出す。


父・真人

「……嫌な予感すんねんけど……何始めたん?」


美月

「決まっとるやろ!一番星号や!

ウチ専用のトラック作んねん!!」


母・春菜

「また変なのに影響されてる……!」


美月はクリスマスツリーの箱を勝手に開け、

電飾を全部引っ張り出して段ボールの車に巻きつける。


結果――

家の中に、異様に光る箱が現れた。


真人

「お前……それ……家の中だけやで?走ったらアカンで?」


美月

「アホ言うな!魂が走んねん!魂が!!」


春菜

「魂やなくて電飾点滅してるだけ!!」



そして翌朝――

蓮が見たのは、

電飾ギラギラ、段ボール貼りまくり、

子どもとは思えない気迫で押されてくる美月の力作だった。


美月

「ジョナサン!!出発や!!」


「??? え? え??? うそやろ……???」


美月はデコトラらしくハンドルの真似をしながら叫ぶ。


「東大阪の夜空に!

一番星が輝くんやでぇぇ!!」


「昼間や!!」


美月

「魂が見えるのは夜や!!」


「見えへん!!」


近所のおばちゃんたちが爆笑した。


「あらあら、赤嶺さんとこの美月ちゃん、今日はトラック乗ってるん?」

「段ボールやのに迫力すごいで……」

「ほら見て、蓮くんめっちゃ混乱してるわ」


「(助けてください……??????)」



段ボールの一番星号は、その日のうちに灯りがショートして停止したが、

美月は誇らしげに胸を張って言った。


「ジョナサン……これが“男の走り”や……!」


「???(※もう返す気力ゼロ)」


家に帰ると、両親が揃ってため息。


春菜

「ほんま、あの子は毎回どっかの映画の世界に入り込むわ……」


真人

「でも、まあ……元気でええやん。

次は何に影響されるんやろな……?」


美月はツインテールを揺らしながら言った。


「ウチはな!

東大阪の一番星になるんや!!」


春菜

「知らんけど頑張り……」


こうして――

ツインテール姐さんの“デコトラ期”は、

東大阪に一瞬だけ謎の光を降り注いだ。


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