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赤嶺美月の幼女任侠伝  作者: スパイク


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6/28

ツインテール姐さん、舎弟頭に白い巨神を指名す

東大阪の赤嶺家。

夕飯前の居間で――事件は起きた。


美月が両手を腰に当て、仁王立ちしていた。

目の前には、大きなしろくまのぬいぐるみ。

美月の母方の兄の俊之おじさんが4歳の誕生日にプレゼントしてくれた

高級品で、妙に品のある目つきが印象的。


美月は、しろくまの鼻先を指差した。


「今日からあんた、ウチの“舎弟頭しゃていがしら”な。」


その宣言を聞いた家族は一斉に固まった。


父・真人

「……お、お前……ぬいぐるみを舎弟にしたんか……?」


母・春菜

かしらって……もっと他に優しい呼び方なかったん?」


しかし美月は真剣そのものだ。


「こいつはな、見た目は白くて可愛いけど……

目が決まってるねん。任侠の心宿ってる。」


完全に思い込みだが、迫力は本物。


美月はしろくま先生の腕をつかみ、

まるで映画の親分と舎弟の契りをかわすように言った。


「ウチは姐さんや。筋の通らんことは嫌いや。

あんたは舎弟頭として、ウチの仲間守るんが仕事や。」


もちろんしろくまは何も言わない。

だが美月は満足げにうなずいた。


「ええ返事や。気に入ったで、しろくま先生。」


母が小声で言う。


「返事してへんで……?」


父が返す。


「心で通じ合ったんやろ……知らんけど。」


その直後から――

家の中で“舎弟頭しろくま先生”の扱いが急上昇した。



美月は寝る時、しろくま先生を自分の横に座らせる。


「先生、夜の見張り頼むわ。ウチ寝る。」


母・春菜

「いや……眠るのは先生やと思うけど……」



父がリモコンの場所を覚えていないだけで母に怒られ、

美月が間に入って言う。


「お母ちゃん、落ち着きや。

しろくま先生も『筋違うで』って言うてる。」


当然しろくまは言ってない。


「……言うてへん言うてへん!」




東京から久々に帰省した俊之は、しろくま先生と美月を見て爆笑。


「みーちゃん……あのシロクマ、昇進してない?

前より役職ついてない??」


美月は誇らしげに胸を張った。


「せやで。しろくま先生はな、今ウチの舎弟頭や。」


俊之は涙をぬぐいながら笑い、


「外資系やけど……うちの会社でもこんな出世スピードは無いわ……」


と謎の賞賛を送る。



その夜。

美月はリンゴジュースを小さなコップに注ぎ、

もう一つのコップをしろくま先生の前に置いた。


「これは任侠の儀式や。これでホンマの舎弟頭や。」


美月

「よっしゃ、これでウチの組は安泰や。

行くで先生。明日は蓮の守りにつくで!」


「え、えええええええ!?しろくま先生が!?僕を!?守るの!?」


美月

「当たり前や。心配すな、しろくま先生は強い。」


こうして――

“ツインテール姐さん”の組織図に、

白い巨神・しろくま先生が正式加入した。


東大阪最強の幼女任侠コンビは、

この日、静かに誕生した。

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