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はなちゃんの日記  作者: ももねいちご


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中学生番外編~最後のデート~

「ねぇ。桃園さんさえよければなんだけど……」


卒業式が終わった後。


教室での写真撮影タイムが嫌で帰ろうとしていた私は、坂下くんに校庭に呼び出された。


え、まさかの逆プロポーズ?! (あわ)い期待だったが、それはすぐに裏切られた。



「今度遊びにいかない?」


告白じゃなかったけど「最後の思い出作りに」と、坂下くんの方からデートに誘ってくれたのである。


好きという気持ちが、まだあったため正直下心のほうが多かったが、私はデートだけでもできるのだと嬉しく思い了承(OK!)した。



そして春休み。今日は、坂下くんとのデートの日。



このデートが終われば坂下くんはC高校の寮に入ってしまう。


最初で最後のチャンス。


そして、今日で、私の恋が終わることも、デート前から覚悟していた。



待ち合わせ場所は、坂下くんの自宅だ。



私の家からは、自転車で15分くらいの距離。


その距離をワクワクしながら、自転車をこぎ進める。



(早く会いたいなぁ……)



そんなことを考えていたら15分は、意外とあっという間に過ぎて行った。


今日のデートプランは坂下くんが事前にメールしてくれている。


内容もお互いの好きなものの詰め合わせという感じで、とても楽しみだが、大好きな人とその時間を、共有できることが嬉しかった。



坂下くんの自宅に着き、チャイムを押す。



いつもとは違う『私服姿』の彼をみて、やっぱりこの恋は忘れられないなと思った。


でも、忘れると決めたのだから、今日を楽しもうと密かに気合をいれ、近所のショッピングモールまでの自転車で、10分の距離の会話を楽しんだ。



「急に誘ってごめんね」


「ううん。坂下くんと遊びにいけて嬉しいよ」


「そういってくれるなんて、嬉しいな。今日はよろしくね」



会話内容は、そんなたわいもないことだったけど私には、特別な時間だった。


ショッピングセンターに着いて、まずは文房具屋さんを見に行った。



「桃園さん、少し待っててくれる?」


買い物を済ませ、そろそろ次の店へ行こうとした時。


坂下くんは急にそういって一人で、店のなかへ戻っていった。


何か買い忘れたものがあったのだろうか?


そんなことを考えながら私は、店の向かい側にあったベンチへと腰掛ける。20分くらい待っただろうか。


戻ってこない坂下くんを心配して、電話をしようとしたその時。



彼は、戻ってきた。



「お待たせ」


「ううん。大丈夫だよ。次は、ランチ食べに行くんだっけ?」


「そうそう」


私たちは、昼食をとるためにファミレスへと入った。


「すこし早いけど、お誕生日おめでとう」


坂下くんは、そう言いながら一枚の紙袋をくれた。


「え、覚えてたの?」


「今年の僕の誕生日に、シャープペンシルをもらったからお返しといっては、なんだけど」


「開けてもいい?」


私は、そういいながら丁寧に紙袋を開ける。


なかには、可愛いクマのキーホルダーと、私があげたシャープペンシルの色違いが入っていた。


「嬉しい……。ありがとう」



それから食事を済ませて、カラオケに行った。


そんな幸せな時間は、あっという間に終わりを迎えた。


そして、それは彼と普通の友人として過ごした最初で最後の時間でもあった。


「さようなら、坂下くん」


私はそう言って、いつもどおり笑顔で彼と別れた。


もちろん家に帰ってから泣いたのだが、それは内緒の話である。



こうして、私の初恋は実ることなく終わりを告げた。


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