中学生編④
その後私は、先生に頼まれて何度か坂下くんの家にプリントを届けに行ったりして、そのたびに交流を深めた。ただ話せるだけで嬉しかった。そんな坂下くんも二学期の終わりの方になると、きちんと学校へ来るようになった。
彼と特別支援学校で過ごす休み時間は、次第に私の癒しになっていった。トランプ、百人一首、漢字作りゲーム。どれも今となっては良い思い出だ。
11月。私たちは、進路を選ぶ時期になっていた。
「レンは、高校どこ行くの?」
私が聞くと、彼は少し悩んでこう答えた。
「桜が丘高校か。C高校かな。はなさんは?」
「私は、本当は王林学園に行きたかったんだけど、親が桜ケ丘高校をすすめてきているから、桜高にするつもり」
「そうなんだね」
「でも、レンが桜高に来てくれたら嬉しい。一緒の学校に行かない?」
彼は、少し戸惑った顔をしていた。迷惑だったかな?
そんな会話からしばらくたって、坂下くんは、両親とよく考えて決めた結果。C高校に進学することになった。私は「王林学園に行きたい」と言ったものの、先生の勧めもあり桜ケ丘高校に決まった。
C高校は、全寮制で、かなり離れた場所にあった。だから、もうすぐ彼とは、会えなくなってしまう。その前に、3年間の思いを伝えたい。
そう思って高校3年生の1月。坂下くんに告白をした。
結果は、ふられた。”全寮制の学校に行ったら会えなくなる。待たせられない。”という答えだった。
つらくてたまらなかったけど、告白したおかげで、坂下くんと連絡先を交換することが出来た。
1月末。私たちは、それぞれ志望校に合格をした。それは、私たちの”お別れ”を意味していた。ふられた以上、もう会うことができなくなるのは、当然のことだった。
そして、3月。私は中学を卒業した。
4月から高校生だ。憧れのブレザー、大好きなパソコンの授業。私の心は、ときに包まれていた。
入学式。坂下くんとは、会えなくなるのは寂しいが、新しい出会いを期待して、桜ケ丘高校の門をくぐった。




