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訳わかんねー気持ち

訳わかんねー気持ち

 俺は、一人暮らしを始めて山本が、かなりの頻度で顔出した。


 その度に喧嘩には、なるが、なんか最後は、あっさり謝ってくる。


「調子狂うんだよ。謝られるとよぉ」と俺は山本に怒鳴った。


「最近の日課だろ。慣れろよ」と山本は、言って来た。


「慣れるか、馬鹿野郎」と俺は不機嫌になるが、なんか恥ずかしさがあった。しかし、俺にとっては、意味がわかんなかった。


 複雑な心境だった。



 それで悩んでるにも関わらず、山本は、俺に話しかけてくる。


「調子でも、悪いのか?」と山本は、心配そうな顔した。


「違う。うん?違わないとも言い切れない。なんか複雑な気持ちだ」と俺は、山本に正直に答えた。


「一緒に木刀素振りするか?」と山本から提案があった。


「まさか、ゴロツキにそんな甲斐性あったとは驚くよ」と山本を俺は、揶揄った。


 そんなこんなで木刀を素振りをすることになったが、山本の方が飽きたらしく模擬戦を俺に提案してきた。


 俺は、それを承諾し挑んだが、山本の木刀捌きにキレはなく、あっさり俺に山本は、敗北した。


「山本、稽古してないだろ?全然、弱いぞ。しっかりしろよ。年上だろ」と俺は、山本に呆れた。


「確かに年下に負けちまったら、男が廃るな。ゴロツキは、引退して稽古するかな。俺も生き方変えないとお前には追いつけそうにないしな」と山本の目は本気に見えた。


「少しは、見どころあるみてぇだな。安心したぜ」と俺は、山本に言いたかったが辞めた。


 俺は、水を差したくはなかったからだ。



「男児、三日会わざれば刮目して見よになるか三日坊主になるか」俺は、山本の変わる姿を楽しみにした。


 山本は、雨の日も風の人も素振りを欠かさず、それどころか型稽古までし始めた。


「俺にそこまでして勝ちたいのか?俺も怠けてられない」と山本に追いつかれまいと鍛錬を重ねた。


 鍛錬してる最中に毅に出会したが、俺は無視した。


 自分にとって今重要なのは、毅を倒すのでなく、山本に追いつかれない為の鍛錬それだけだった。


 毅も自分に思うところがあったのか、分からずだったが、毅も鍛錬を開始した。


「ここには、負けず嫌いが多いな。全くよ。絶対先には根は上げないぜ。絶対にな」と俺は、俄然やる気を出した。


 それから、三ヶ月の月日が経ち、山本と再び、模擬戦を行った。


 すると、以前の山本より数段鋭い剣筋が飛んできた。


 俺は、それをギリギリで受け流し、反撃するも、山本に読まれ、躱わされた。


「山本は、冷静に対処してる」俺は自分がその時、初めて幼く見えたのだった。


 

 

 

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