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栄冠とは真逆の人生

徐々に重たい内容になる

栄冠とは真逆の人生

「やっとついた寺子屋」と俺は、くたびれていた。


「なんで、そんなにクタクタなんだよぉ雫ちゃんよぉ」と俺の苦手な同門の秋山毅が、俺に話しかけてきた。


「正直、鬱陶し」そう叫びたかったが、そんな元気は、俺にはなかった。


「なんかようか?毅。それにいつも言ってるだろ。ちゃん付け辞めろってよ」と俺は、イライラのあまり殺気を放った。


「おいおい、相変わらずおっかねーなぁ。金でもないんか?かねだけに」と毅は、言って来た。


「もう、殺していいか?こいつ。活かす価値ねーよな」と俺は心の中で叫び我慢しきれなかった。


 無意識だった。俺は直刀を抜いて毅を脅した。


「これ以上、自分に近づくんじゃねぇよ毅。機嫌悪い日は誰だってあるんだからよ?察しろよな?じゃなきゃ」と俺は、直刀と毅振り翳そうとした。


 すると、秋葉が、自分の愛刀霧雨で俺を止めた。


「殺意に身を任しても、自分が損するだけだぞ。雫わかっているのか?」と俺を叱った。


「ひぃ」毅は、怯えた。


「え?何事」

「事件?」と周りも集まってきた。


「怒りに取り憑かれでもしたか?雫、らしくないぞ?本当に」と秋葉は、俺に問いかけた。


「俺は、ただこいつが鬱陶しさに呆れて気づけば、抜いてたんだ」と俺は秋葉語った。


「怒りに身を任せるのは、三流以下だと教わらなかったか?先生に」と秋葉は、刀を納める気配はない。



 そこに恩師である笠井重国先生が入ってきた。


「二人共、刀を納めなさい」とたった一言でその場を制圧した。



 秋葉と俺は、得物を納め、その場で正座させられた。


「武道たるもの、怒りや憎しみで振るうものではない。何故だかわかるかい?」と重国先生は、優しく問いかけた。


「人間には、罰が必要です。重国先生」と俺は重国先生に告げた。


「罰か?自身のために人を殺めるのは、罰か?見方によっては確かにそれも必要だろうな」と重国先生は、納得してくれた。


 しかし、秋葉は、違った。


「罰は、確かに必要ですけど、他からしたら意味もなく斬りかかった様にしか見えません。やりようはあったと思います。話し合いで全てが解決できないほど、人間は無知です。自分の為に動きます。人間は、それほど傲慢です。あくと決めつけたら、雫にも罰は必要になります。違いますか?先生、人間の中には鬼が住んでいます。それを退治してこその義ではないですか?先生」と秋葉は、必死だった。


「人間には鬼が住まうか?確かに鬼は住んでいる。私の中にもいる。鬼の使い所だが、君たちならどう使う?」と俺らに重国先生は、問いかけてきた。


 沈黙の時間がしばらく続いた。


「怒りこそ、鬼の正体なら、俺はそいつと向き合うべきだった。毅ではなかった。自分の中に鬼がいるなんて気づきもしなかった。反省する事で許してもらいたい」と俺は重国先生に仰願した。


「私も、それで納得します。重国先生」と秋葉も重国先生にお願いした。


「わかった。毅も皆もそれでよいな。次はないぞ?良いな」と重国先生とそう皆に告げ、俺らに勉強を教えた。


 俺ら門下生全員、肝が冷えた。


 


 

好き嫌い分かれそうな作品に仕上げるつもりです

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