結局、殺すしかない
結局、殺すしかない
俺を取り囲んだ武士が一斉に切り掛かってきた。
俺は防戦一方だった。
「結局、殺すしか道はないのか?」と俺は、雑念で頭がいっぱいだった。
「こいつ、女のくせにしぶといな」
「どの道、太刀風は潰す手筈だ」と俺の前で武士達は、言ってきた。
それを聞いた俺は、黙ってはいられずに本気で武士達を殺す気になった。
「こいつ、今までの動きじゃねぇ」
「速過ぎる」
「化け物かこいつ」と武士達は、驚いた。
「お前ら、団長の俺の目の前で部下達を殺す事を公言したな。今日がてめーらの命日だ」と俺は、本気で武士達を次々と殺した。
それを見た武士達の中に怯える人も中にはいたが、俺に迷いはなかった。
そして、十数人いた武士達が、全て俺の手で命を落とした。
「あっけないものだな。人の命って軽いな。こんなに軽いものじゃねーはずなのに可笑しいな」
俺は、初めて生きた人間を手にかけて殺した人間に罪悪感があった。
「部下には、申し訳ないな。戦果に巻き込む形になったな」と俺は、思惑通りにいかないことを思い知った。
俺は、屯所に戻ると皆んなが騒いでいた。
事情を俺は、部下達に尋ねた。
すると部下達の口から思いのよらない言葉が出てきた。
「西田と片松が、幕府を倒そうとしている連中に殺された」
俺は、絶望的な言葉で絶句した。
「あいつらだって手練れだった筈、それを殺せる人間がいるのか。くそ、お前達には、悪い事をした。仇討ちに行くぞ。お前らだって弔い合戦したいよな?俺も同じ気持ちだ
」と俺は、部下達全員の前で語った。
二宮と山本も、気持ちとしては同じだったが、別の意見をした。
「闇雲に行く気か?そんなに弱い連中ではないだろう。刀だけで戦争してるわけでないんだぜ?鉄砲だってある。対抗する手段がないじゃないか?」
「山本の言う通りだ。指を咥えて見てるしかねー気がする」と真っ当な意見だった。
「どうしたものか。」俺は頭を抱えた。
「無策で行くわけもいかないわけだしな。参ったな」と俺が言ったら、部下達から反感を買った。
「臆したのか団長。副団長に参謀がこれじゃ、あの二人が浮かばれない。仇討ちするべきだ。」
「そうだ。奴らに俺らの恐ろしさをわからせないと話にならない」
「そうだ」
「そうだ」
「俺らだけでもいくぜ」と部下達の間でも意見が割れ、一部だけ残り、後の連中は、幕府側についた。
「俺は、止めれなかった」と俺は悔やんだ。
「気にするなよ。団長、俺らは、ついていきますぜ」とその言葉で俺は、嬉しい気持ちになった。




