俺は何がしてーんだ
俺は何がしてーんだ
二宮の一言で、俺と山本は、顔を合わせる度に喧嘩していた。
「どけよ。ブス」と山本は、俺に言ってきた。
「てめーこそ、避けろよ。ゴロツキ」と俺も言い返すと取っ組み合いが始まった。
最近は、それが日課になっていた。
「また、団長達、揉めてるなぁ」
「最近、いつも、あんな感じだ」
「夫婦喧嘩だ。犬も食えねーな。」
「お前、いつも上手いこというな」
「だろ?」
「だはは」と部下達は、笑った。
そこに二宮が現れた。
「二宮さん、団長達。取っ組み合いはじめてるけど、なんかあったんですか?」と部下の一人が尋ねた。
すると、二宮は、真顔で 「何、二人ともいつ付き合うんだ?って尋ねたらあの様よ」と答えた。
「あんたのせいかよ」というツッコミが部下達から飛んできた。
「第一、雰囲気見ればわかるだろ?あいつら両思いだってわかるだろ?」と二宮には、悪気は一切なかった。
「この人ダメだ」
「頭いいのに勿体無い馬鹿だ」
「この人、こうだったけ?」と部下達は、そう思ったが、口には出さなかった。
そこに取っ組み合いしていた俺と山本が、食堂に合流した。
「団長と副団長だ」
「取っ組み合い終わったらしいな」
「どっち勝ったと思う?」
「もちろん、我らが団長だろー」
「いや、山本副団長だろー」と団員達は、囁いた。
鮫島も、結果が気になったらしく俺に尋ねてきた。
「どうだった?結果は」
俺は不貞腐れながら、「絶対、あいつとは組みたくない」と答えた。
すると、俺の言葉が山本の癇に障り、俺に文句言ってきた。
「誰のおかげでここまで大きくなったと思ってんだ?てめー、一人じゃ何もできねーくせによー」と大人気なかった。
「歳下に対して、それは大人気ないぜ。いい歳したおっさんがよ。恥ずかしくねーのかよ。くそじじい」と俺も俺でガキくさかった。
それを見ていた鮫島は、「お前ら、ガキじゃねーんだから。喧嘩辞めろ。見苦しい」と俺と山本に言った。
俺ら二人は、鮫島に対して何も言い返せなかった。
「お前のせいで怒られたじゃんか」
「は?お前から仕掛けきたんだろうが」と再び喧嘩になった。
「二宮、お前が嗾けたんだから。なんとかしろ。めんどくせーこいつら」と鮫島は、本当に嫌そうだった。
「俺か?おい、そこの馬鹿夫婦二人、みんながいるのにいちゃついてて、恥ずかしくないのか?」と二宮は、俺ら二人に言ってきた。
「そうだ。こいつが元凶だった。喧嘩してる場合じゃないぞ山本」と俺は、正気に戻った。
「そうだった。こいつが犯人だったな。わりぃな雫。頭冷えた」と二宮に対する殺意を二人でぶつけ、ボコボコにした。




