違う世界線だから、わからない
違う世界線だから、わからない
俺は、山本のこと知りたくて奮闘していた。
「何やってんだ?お前」と山本は、俺に尋ねた。
「お、教えねーよ。バーカバーカ」と俺は、山本を蹴って逃げた。
「二宮、雫の奴、最近、あんな感じなんだが?ありゃなんだ?」と山本は、二宮に尋ねた。
すると、二宮は、笑いながら答えた。
「あれは、甘えてんだよ。お前に、あいつは、腕は立つが、精神的に子供だ。頼りになるお前のことが好きなんだろ。よかったな」と山本の肩を二宮は、叩いて一言「頑張れよ」と言って立ち去った。
「あれが好きな奴にする態度か?女ってわかんねーな」と山本は、頭を悩ませた。
妖や魔族退治の討伐隊隊長としての雫は、団長らしかった。
それを一番近くで見ていた山本は、悩んだ。
「どっちが本当のあいつなんだ?」
それを聞いた二宮は。答えた。「どっちもあいつだよ。団長として、しっかりしないといけないという使命が、それをさせてるだけだ。屯所にいる間は、家族として見てほしいんだよ。十九歳とは、言え一人前とは、程遠い。俺は、あいつの通った寺子屋出身で4つ離れているけど、だからこそ、わかることある。寺子屋の時とそんなに大差ないよ。俺がそうだからな」
山本は、自分のこと忘れていた。寺子屋に通っていたあいつが羨ましくて絡んでいたことをそれを山本は、それを思い出した。
「一段と締めないと俺自身」と俺も引き締め、任務をこなした。
自警団の名が一気に上がり、男性から人気ある剣客に俺はなった。
「見ろよ。太刀風の雫様だぜ」
「いろっぺーな」
「抱きてー」
行く先々で、散々言われ、その度に山本が睨みを利かせていた。
それも相まってか、山本は、女性達の人気の的になり、俺が睨み利かせた。
「たく、ほどほどにして欲しいぜ」
「俺も、見せもんじゃねーよ」と俺と山本は、疲れていた。
「二人とも、自警団の二枚看板だからな」
「大変ですなお二人さん」と部下達に揶揄われた。
「やかましいわ」と俺と山本は、怒鳴った。
「くそ、なんでこっちも必死にならねーといけねーんだ」と俺は、山本に怒鳴った。
「俺に八つ当たりか?雫上等だ。表に出ろ」と山本と俺は、竹刀で顔合わせる度に試合した。
「剣術を喧嘩道具にしてよ。お二人さん熱いねー」
「やっぱり、あの二人絵になるな」
「あの二人だけ、次元が違いすぎる」と部下達は、俺らの試合を見物していた。
いつしか、自警団の名物になっていた。
「まだ、決着つかねーの?」
「こいつら、バケモンか?」と部下達が呆れた。




