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16. 突然の酒宴 

手形為替を用いた予約システムが決まった時は

サムエルはその夜すぐに

転移の巻物で王都の自宅とやらに戻って行った。


その後

リンボスのドラゴン討伐パーティを貸し切りで行いたい。

そう、サムエルから速達の手紙が届いたのは

1週間後の事。


X月x日に転移の巻物を使って皆で行くので用意お願いします。

こちらの人数は13名から15名

イーシュトライン侯爵の側近連れてくので

リトルウイングの村長呼んでおいて。

とのこと。


P.S.人数は13から15人を出る様なことはしません。


と、追記されている。


現在小羽屋の絶賛繁忙期である。

該当の日は

ぽっかり全室空いている日であった。

ちなみに明後日である。


サムエルもその日は空いていると知っていている。

妙なところは相変わらず律儀だが

いつものように急である。


15名、村長, イーシュライン侯爵側近…?

部屋割りとか、食材買わないと、お酒も・・・・

いっぺんに情報が入ってきたことで

脳みそが混乱したが


とにかく準備するしかない。

エミルに買い出しをお願いしよう。


エミルは買い物リストを見てユーリに尋ねる。

「君は来ないの?」


「私はこれから村役場に言って村長に会わなきゃだし

いけないよ、お願いだからこれ買ってきて。

お酒とかも注文してきて!」


エミルはメモを眺めて

しばらくの後

「わかった。明日までには戻る。」


・・・と言って不服そうに買い出しへ旅立った。


ここから馬車で数時間時間ほどの場所にある

リーブラックポートと言う港街への買い出しである。


それにしても

明日までって、どう言うことなんだろう・・・

最近エミルは気難しくなってきたと

ユーリは感じていた。

時々こうして不機嫌になるのだ。


とは言っても、現在小羽屋の絶賛繁忙期である。

手伝ってくれるだけでもありがたいと思わねばなるまい。


結局のところエミルは

次の日の昼過ぎに小羽屋へ戻って来た。

買い物は、何点か忘れていたが

最低限は整えてきたので及第点である。


エール等の酒類は明日の昼過ぎに届くとのこと。

本当は、今日から冷やしておくべきであったが仕方がない。

エミルは、「明日の昨日で伝えてくる方が悪いよ。」

などと言っている。


更に何かうだうだう言っているのは無視をして

ユーリは文字通り、寝る間を惜しんで

本会の段取り組と、準備をした。


そして迎える当時。


食事系はバッチリである。

川魚のフライ(比較的油の少ない個体を探した)、ヌマエビのオイル煮

とりどりの野菜を使ったディップ

声をかけた時に村長さんからもらった

チーズとソーセージの盛り合わせ・・・


その他色々、リトルウイング村名産品を

ふんだんに使った料理を

フィヨナお婆ちゃんに教えてもらいながら作った。


グラス、食器類も準備したし、酒類も届いた。

エミルは相変わらず不服そうな顔をしているが

とりあえず来た。


時間になると、いつもの様に、ストックの転移の巻物が光る。

「ユーリ、皆様お連れしたよ!結局のところ15名です!」


巻物から飛び出してきたサムエルが伝えてくれた。


そこからはお馴染みのメンツ


クラウドは、「やあ、この間はどうも!」と言ってウインクしてくる。


騎士アルトは、礼儀正しく挨拶してくれた。

怪我は治っている様である。


王立病院神官長補佐クロエは

お世話になるわね、と言いながら

ユーリにお菓子のお土産をくれた。

可愛い包装のお菓子は

ユーリのなけなしの乙女心がくすぐられる

可愛いものであった。


ファインツ会長も出てくる

やあ!元気かい?

と、そのお年の割に快活な挨拶だ。


その後に続いて、非常に真面目そうな壮年の男性が出てくる

これがイーシュトライン侯爵領実質No.2であるらしい。


その後から出てきた人たちは、サムエルが紹介をしてくれたが

どこぞの新進気鋭企業の若社長、女性起業家数名

中堅企業の副社長、大企業の跡取り息子

後輩だという有名な美人踊り子数名

イーシュトライン銀行の支店長まで来た。


そして、リトルウイング村長である

モーリス・ボーモント氏も現れた。

・・・彼は、普通に玄関からの登場である。

人望と人徳を備えた立派な村長なのであるが

錚々たるメンバーを目の前にして

何やら心細げにしている様子が窺えた。


ユーリはエミルに指示を出し

どんどん料理と、酒類を提供していった


煩そうにするエミルを無視し

何度もシュミレーションをしておいて良かった。

段取りよく宴会を進めることができている。


お酒を運んでいる時に唐突に客席から声をかけられる。


「ユーリ、こっち来て。」


サムエルに半ば強引に連れていかれ

ファインツ会長の隣の席に座らされる。


「今、会長と話していたんだけど、ここらのゴブリン退治

請け負ってるのモルガン建設子会社のTMクリーンズって会社なんだって!

それで、ファインツ会長が思いついたんだけど・・・」


「ゴブリン退治は、若い冒険者の経験値を稼ぐには良いだろ?

だから軍人の子女向けに、ゴブリン退治&経験値upツアー見たいのを

組んだらどうかって!本当に天才です!会長!!」


「いやー我ながら良い案だと思うんだ!ゴブリンは退治できるし

村の経済も潤う!私は小羽屋が気に入ったからね。

合宿とすれば需要が生まれるじゃないか、ここに招致するよ。」


「僕からも良い提案があります!

要は、アルトみたいに騎士としての名をあげたいと言う

良家の者に売り込むのです。

任せてください!リトルウイングの閑散期を利用して・・・」


サムエルが営業と太鼓持ちをいっぺんにしている。

ユーリはその流れる職人技の様な話術に

改めて感心した。


それにしても・・・騎士アルトはそういう理由で

オーガの将軍やら、ドラゴンやらを倒しているのか。


しかし話としては大変おいしい話である。

あのゴブリンがまさか小羽屋の集客に

一役買ってくれるとは思いもしなかった。


この件は、サムエルが

"リトルウイング村ゴブリン討伐訓練合宿 ~冒険者育成プロジェクト~"

と命名。

その場にいたモーリス村長

イーシュトラインNo2も巻き込み

近日中に本格的な検討会議を行うとのことで話が進んでいった。


一通り、構想の話が終わって

その場はどんどん全く関係のない話へと進んでいく。


「空いているお皿、お下げします。」

と言って、ユーリは一旦厨房に戻ることにした。

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