序章-この世ではない、別の世界の話。
この世界には、多様な生き物が跋扈していた。
犬、猫、熊、鳥、魚、虫、植物、菌類・・・
人間
そして、精霊、妖精、ドワーフ、トロル
人喰い鬼、小鬼、人狼、吸血鬼、
ドラゴン、マンティコア・・・
それらは、生活のために同種同士で徒党を組み
組まない者もいる
しかし、お互いに多かれ少なかれ干渉しながら生きていた。
やがては多数派と少数派に分かれてゆく。
多数派にとって都合の良い物を"善"とし"光の民"
多数派にとって都合の悪いものを"悪"とし"闇の民"
とみなす様になった。
光の民と闇の民はしばし紛争をお越し勢力争いをしていた。
闇の民は少数派ながら手段を選ばない
時には残忍な方法で攻撃を繰り返し
光の民を苦しめていた。
今より150年前、光の民はそんな闇の民に対抗するべく
他人種連盟と言う組織を作ることになる。
そして今より20数年前、闇の民が光の民に虐げられたことを恨みに思い
一種の反乱を起こすことになる。
その一人の闇の民が率いたその勢力は強大な力となり
光の民の生息域を侵していた。
反乱を起こした主犯格の一人は
やがて闇の帝王と呼ばれる様になる。
闇の帝王の軍勢を倒すために
光の民達は連盟を結び軍隊を動かすことになるのだが
肝心の軍人が戦争に取られるので
地域の治安は悪化の一途をたどることとなる。
そこで各市町村では
闇の帝王の軍勢からの脅威を
また、火事場泥棒ならぬ戦争の合間に
悪事を働く不届ものを退けるべく
現在で言うところの自警、魔物駆除・・・
駆除では格好も悪いのでそれらしく言うならば
魔物討伐を、民間へ委託することにした。
人々はそういった、民間人を"冒険者"と呼び
各市町村役場には"冒険者課"なるものが設立された。
そうして、冒険者たちは、山賊討伐、
ドラゴン討伐を繰り返していくことになるが
その練度は、少数で構成されるパーティでさえ
国の一小隊レベルまでの力を
持つ者さえあらわれた。
隠れた逸材、究極の叩き上げの人材が現れたのである。
そういった者たちは、自ら、闇の帝王をも倒そうと
恐れ多くも、繰り出す様になる。
ちなみに、闇の帝王については謎が多く
出現から二十数年経った今でも
強者揃いの闇の軍勢を統率するだけの
強靭な魔力、残忍性、カリスマ性があり
この世界の、北の地の果て"ヴァルハレム"と言う氷の島に根城を置いている
と言うことしか分かっていない・・・