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第5話 Dead or

「最後にそこが『純白の羽根』。ヒル少佐の所属する…」


 ココルの声はコウには届かない。


「(『殺人人形』の情報を手に入れる為に、ココル大尉を止めることは出来ない。

 止めても、外で『殺人人形』に襲われる人がいて、ココル大尉がそれを助けに行く…

 だから、『殺人人形』と今、出会い捕まえなくてはいけない…)」


ーーーーーーーーーー


「『殺人人形』はどこだ!!」


 ココルが走りながら叫ぶ。


「ココル大尉…いや、今回は合ってるか。」


 コウも、ココルを追いかけ、走りながら周りを警戒する。

 ココルは、今回もヒルの報告を聞き、『殺人人形』を探しに走り出した。

 コウも、今回はココルを止めず『殺人人形』を探しに出た。


 ココルの通信機に着信音が鳴る。


「む?通信か。」


 ココルが、ヒルからの通信に出る。

 コウはその間、周りをよく確認して、白いロングヘアーの女性がいないかを確認する。


「(確か前は、ココル大尉が通信に出てる時に『殺人人形』が…)」


 コウは、目的のものを見つける。

 商店街の裏路地に続く道、そこにその少女は立っていた。


「おい、お前何してる!」


 コウは、白いロングヘアーの女性に話しかける。

 すると、後ろからココルの叫び声が聞こえた。


「危ない!!」


 コウは、腰に付けた剣を抜き、後ろから斬りかかってきた人形のナイフを止める。


「フセガレタヨ。フセガレチャッタネ。」


 金髪の人形は、コウを飛び越え、白いロングヘアーの女性の組んだ腕へと着地する。


「突然何をするんだ!機関の者への攻撃は、犯罪行為だぞ!!」


「ギャハハ!ハンザイコウイダゾ!!」


 金髪の人形は、乱れた髪を白いロングヘアーの女性に直してもらいながら、ココルの真似をする。


「ふざけているのか!?」


 ココルが叫ぶ。


「フザケテネェヨ?キキニ、ヘンナムシガ、ハナシカケテキタカラ、オイハラッタダケ、ダロウガ!!」


 金髪の人形が、ナイフでコウのことを差す。


「俺は、その子に話をしようとしただけで!!」


「ダマレヨ、ケガラワシイ!!オトコドモハ、キキヲミルト、スーグコレダ。

 テメェミテェノガ、イルカラ、キキハ…」


「・・・」


 白いロングヘアーの女性が、金髪の人形の言葉を遮るように、何かをつぶやく。


「アア?マジカヨ、キキ。

 イイノカ、ソレデ?」


 何かを聞く金髪の人形に対し、キキと呼ばれた女性は頷く。

 人形は、コウ達の方に向き直り話す。


「ヨカッタナ、クソガキ!キキガ、オマエノハナシヲ、キイテモ、イイッテサ。」


「なに!?

 それじゃあ、君が『殺人人形』って殺人犯であっているか?」


 コウの質問に、人形が反応する。


「ア?ナンジャ、ソノハナシ。

 マッタク、ワケワカンネェ…」


「・・・!」


 キキが、怒った顔で何かをつぶやく。


「アア。アア。ワカッタワカッタ。ソンナニ、オコンナヨ。」


「・・・」


 人形が、謝ったのを確認すると、キキは、コウの方を向いて何かを呟く。


「キキガ、『通り名は知らない。けれど殺人をしたのは事実。』ダッテヨ。」


「何故、殺人なんか!!」


「キマッテンダロ?ミンナ、キキニ、ヤサシクネーカラダヨ。

 トモダチニ、ナロウッテイッテモ、ミンナ、キキヲキミワルガッテ、ニゲチマウ。

 ハナシカケラレタトオモッタラ、アヤシイハナシヲスル、クソオトコドモバッカリ。

 ダカラ、ワタシガ、キキヲキズツケタヤツラヲ、ブッコロシテヤッテンダヨ。」


 キキが、頬を膨らませ、人形を強く抱き締める。


「イタイイタイ!!ワカッタヨ。ワタシカラハ、ダマッテルヨ!!」


「・・・」


 キキが何かをつぶやくと、人形はぐったりしながら答える。


「ハイハイ…

『私は、ただ友達が欲しいだけ、でも皆、逃げてくから死んでしまえって思った。

 そしたら、メリーが殺してくれたから、私は手を貸しただけ。

 私の話を、聞いてくれる貴方が友達になってくれるなら、もうこんな事はしないしさせない。』ッテヨ。」


「(こんなやつの友達に?でも、こいつを捕まえるなら、友達のフリをして、自首してもらうのも手か…)」


 コウが、そんなことを考えていると、ココルが叫ぶ。


「ふざけるな!!そんな理由で殺人だと!?

 そんな狂った奴と、友達になる人がいる訳ないだろ!!」


 その言葉にキキは驚き、人形はゆっくりとココルの方を見る。


「イマ、キキノコトヲ、ブジョクシタナ?」


 人形の目が、怒りを表すかのように真っ赤に光る。

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