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第4話 変わらぬ定めか、変える運命か

「最後にそこが『純白の羽根』。ヒル少佐の所属する部隊の部屋…」


 コウの意識が戻ってきて、ココルは再び二回ほど説明した部屋を説明する。

 コウは確信する。


「(恐らくこの世界は繰り返している。しかもそれは自分の死が引き金になっている。

 何故繰り返すのかその理由は分からない。ただ、一回目も二回目も『殺人人形』に殺されたことが原因である以上『殺人人形』を捕まえれば解決する気がする。)」


「どうした?一気に説明をしすぎたか?」


 黙り込んで悩んでいるコウを見てココルは無表情だが心配したように聞く。


「いえ、すみません。ちょっと気になったことがあって。」


「気になったこと?ココが答えられる内容なら答えよう。」


 ごまかしたコウの言葉を真剣に捉え質問を促すココルにコウは改めてごまかす言葉を探す。


「あ、あそこの部屋は何の部屋なのかなと…」


 コウは最初の紹介の時に秘密の部屋と紹介された部屋を指さし質問する。ココルはその部屋を見て答える。


「ああ、あそこか。あそこは…」


「あそこは大佐以上の人が入ることのできないこの機関の中でも謎多き場所ですよ。」


 コウの後ろからヒルが歩いてきてココルの代わりに質問に答える。


「ヒル少佐、暇か?」


「暇じゃありませんよ!!仕事です仕事!!」


 相変わらずのココルの言葉にヒルは大声を上げる。


「最近話題になってる殺人犯の情報が出たので、報告に行っていたところです。」


「『殺人人形』…」


 コウが下を向いてつぶやくとヒルが普段隠れている黄色い目を少しのぞかせる。


「ほう、伝わっていましたか。」


「で?その『殺人機器』がどうかしたのか?」


 ココルの言葉にヒルはやれやれと答える。


「『殺人人形』ですよ。

 実は先ほど容疑者が現れましてね。『キキ=モーラ』という白髪の女性です。

 年齢はココル大尉と同じぐらいですかね。」


「今近くにいるのか?」



「ついさっきカメラに記録が残ってましてねぇ。昨日起きた殺人の記録でしたので。まだ近くにいるかもしれませんねぇ。」


「ならすぐに探さなければ‼」


 ヒルの言葉を聞き、ココルは走り出そうとする。


「ちょっと待ってください!ココル大尉!」


 しかし、コウがココルの腕をつかみ走り出すのを妨害する。


「やめて!!」


 ココルは自分の腕をつかんだコウの手を大きく振りはらう。

 しかし、ココルはすぐに申し訳なさそうな顔をする。


「ああ、すまん。

 少し、外に出てくる…」


 そういってココルはコウの前から去ろうとする。


「待ってください!『殺人人形』の件はもっと情報が出てから行きましょう!」


「ああ、分かった。」


 ココルはコウに捕まれた腕を抑えながらコウ達の前から去っていった。


「先輩から一つアドバイスを、突然女性をつかむのはやめた方が良いですよ。

 特に彼女の場合…」


 そこまで言ってヒルは言葉を止める。


「っと、『殺人人形』の件調べておけばいいんですね?

 それでは、とっとと『純白の羽根』の仕事を終えてきますね。」


 そういってヒルもコウの前から去っていく。


 ーーーーーーーーーー


 ヒルはココルを探しながらさっきのことを思い出す。


「(突然腕をつかんだのはよくなかったな。かなり嫌な顔されたもんなぁ。

 けれど、『殺人人形』を捕まえるにはまだ情報が足りない…

 とりあえず、今危険視しなければいけないのは白髪の女性が出てきたときに起きた体が動かなくなる現象(・・・・・・・・・)

 あれの対策さえ得られれば…)」


 コウが『殺人人形』の対策について考えていると、通信機から連絡が入る。


「はい、コウです。」


「「ああ、私は『純白の羽根』及び、『漆黒の翼』の隊長を務めさせていただいている、ヒル少佐です。

 良い情報と悪い情報が入りまして、お伝えしようかと…」」


「良い情報とは?」


「「『殺人人形』の戦闘方法を私に報告してくださった部下がいましてね。

 その方曰く『殺人人形』はナイフを持つ小さな人形兵器を使って殺人を行っているようです。

 そして、キキ本人も何か仕掛けを使うらしいですねぇ。

 まさか彼女が目の前の攻撃を受けきれないとは…」」


「彼女?」


 声を小さくしたヒルにコウは嫌な予感をして疑問をぶつける。


「「この情報を得られたのはうちの部下が『殺人人形』と機関の人とが戦ったのを目撃したために得られら情報なんです。

 その犠牲になった機関の人というのが…」」


 ヒルは少しの間をおいて答えをいう。


「「ココル大尉です。」」


 ーーーーーーーーーー


 ココルはコウに向かってやってしまった手を振りはらう行為を反省するため外に出ていて街の中で叫び声を聞き、そこに向かって走っていき、その現場には『殺人人形』とそれに殺されそうになっている男性がいてそれを助けるために『殺人人形』と戦闘になったらしい。

 現場にいたヒルの部下の話を聞くと最初は人形と激しい攻防になりココルが人形を切る直前でキキが何かをつぶやいた。その瞬間ココルの動きが止まってしまい人形に殺されてしまったらしい。


 また、『漆黒の翼』の協力得て殺されそうになった男性を見つけ出しキキに殺されそうになった時のことを聞いた。

 男性は最初裏路地に向かう少女、キキに声をかけたらしい。そうすると突然…


「キキニヘンナコトシヨウトスンナ!」


 という声が聞こえ人形がナイフを持って切りかかって来たらしい。


 それらを聞き終えたコウは街の外にある危険な崖の上にいた。彼は再び世界を戻すべくこの場所に来た。


「(ココル大尉を止めてもココル大尉と『殺人人形』は出会ってしまう。なら、今度は止めずココル大尉と手を組んで『殺人人形』を捕まえるしかない…)」


 そうは思っていてもやはり自ら崖から飛ぶ勇気はなく、コウは躊躇していた。

 そこにヒルが走ってきた。


「こんなところで何をしているんです!新人君?

 もしかしてと思いますが、ココル大尉を止められなかった自分を責めて命を絶とうとしているんじゃないでしょうね?」


 ヒルはいつもとは違い少し慌てた雰囲気でコウに向かって話す。


「ココル大尉が死んでしまったのは貴方のせいじゃありません!!

 貴方が死んだって世界の定めを変えることは出来ないんです!!」


 その言葉を聞きコウはむしろ決意を固める。


「いいや!俺はココル大尉が死ぬ、その運命を変える!!」


 コウは崖から飛び降り落下し始める。


「コウ少尉!!」


 ヒルの声が響く。今まで聞いた中で一番大きなヒルの声を遠くなるのを感じて、コウの意識は唐突に失われた。

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