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第3話 コンテニュー

「ワタシメリー。

 イマアナタノウシロニイルノ。」


「あぶない!!」


 ココルの叫び声にコウが後ろを向く瞬間、首に鋭い痛みが走る。


「(え?)」


 コウの口はその一言すら発することは出来なかった。

 コウの意識はどんどん薄れていく。金色になびく髪と血のように赤い目が彼の薄れゆく意識に残る最後の景色だった…


 ーーーーーーーーーー


「最後にそこが『純白の羽根』。ヒル少佐の所属する部隊の部屋…」


 気がつくとコウは世界統一機関の建物の中にいた。

 ココルが何事もないように先ほど紹介してたはずの部屋を紹介していた。


「どうした?ボーとしてるぞ?」


 ココルがコウの顔を覗き込みコウの額に手を当てる。


「熱がある訳では…無さそうだな。」


 コウはつい先程までの出来事を思い出していた。


「(ココル大尉に機関の案内をしてもらって、ヒル少佐に『殺人人形』の話を聞き、白髪の少女にであって…)」


 とそこまで思い出し、コウは口を塞ぎしゃがみこむ。


「うぅ…」


「どうしたコウ!?大丈夫か?」


 ココルがコウの背中を擦りながら質問する。

 しかし、その質問はコウの耳には届かない。


「(あの後首に痛みがあって…俺は死んだのか…?

 だとしたら今の俺は…なんでまたここに…)」


「おや?どうしました?」


 歩いているヒルがココルを見つけ足を止めてヒルがココルに声をかけた。


「ヒル少佐!コウが突然しゃがみこんでしまって…

 熱はなさそうなんだが…」


 不安そうな顔をするココルにヒルは冷静に返す


「初出勤で緊張したんですかね?

 とにかく医務室に連れていきましょう。」


 ココルとヒルはコウを医務室へと連れていった。


ーーーーーーーーーー


 医務室に着くとコウはベッドに寝かしつけられた。


「少し休めば落ち着くでしょう。」


「それなら良いのだが…

 ところでヒル少佐は部屋に戻る最中だったらしいが何かあったのか?」


「ああ、『殺人人形』についての情報が新しく手に入りまして…」


「(ココル大尉とヒル少佐が何か言っている…

 眠くてよく聞こえない。)」


 コウはだんだんと瞼が下がっていき、眠ってしまった。


ーーーーーーーーーー


 コウが目を覚まし、外の景色を見る。

 外は赤く染まっていてかなりの時間がたっていることが分かる。


「ああ、起きましたか?」


 コウが声のした方に振りむくとナースが水と濡れたタオルを用意していた。

 その女性は白い服とは裏腹に暗い顔に暗い声色、どちらかというと魔女や死霊術師のような雰囲気を出しており、その緑色の瞳はどこか恐怖をおぼえる。


「聞きましたよ。出勤初日で倒れたらしいですね。

 お名前は確か、コウさん…ですか。体調管理はしっかりしていた方が良いですよ。」


 コウは頭を押さえながら質問をする。


「面倒見てくださったようで、ありがとうございます。

 ところでココル大尉って今どこに?」


「ココルち…さんは確かヒルさんと何かを話をしていてそれから急にどこかに行ってしまいましたね。」


「ってことは『殺人人形』の所に行ったんじゃ!」


 コウはベッドから飛び出し、医務室から出た。

 ナースはそんな彼を見ることもせずつぶやく。


「キキちゃん…私がお前をあんなふうにしてしまったのか…」


 ーーーーーーーーーー


「ココル大尉!!ココル大尉!!」


 コウは街を走りながらココルの名を叫ぶ。

 街を走っている途中建物と建物の間にある裏路地に何かの影を感じ、コウは恐る恐る裏路地にある影を確認した。

 そしてそれは…

 首を切り裂かれたココルの死体だった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 コウはその光景に叫び声をあげる。


「ハロー、ワタシメリー。アンタハソノオンナノナカマ?」


 コウの前から声がする。コウが顔を上げるとそこには、血の付いたナイフを持った金髪の人形が立っていた。


「お前がココル大尉を殺したのか⁉何の恨みがあって…」


「コイツハキキヲバカニシタ、ダカラコロシタ。オマエモソノナカマナラバ…ブッコロス!!」


 人形はナイフを構えコウに向かって飛び出す、コウはそれを持っている剣で受け止める。

 コウが反撃に出ようとしたとき…


「な、なんだ?体が…」


 コウの体はまるで石になったかのように動かなくなってしまった。

 路地の奥から白髪の少女が歩いてくる。


「アリガトウキキ、イマオマエヲブジョクシタヤツノシタイノウエニイクヨ。」


 人形が再びコウの首辺りにジャンプし、コウの首を切り裂いた。

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