第2話 初めてのお仕事
「ここが浴槽、そこが購買、それと…」
ココルはコウに機関内を案内する。
「最後にそこが『純白の羽根』。ヒル少佐の所属する部隊の部屋。」
「あそこは?」
コウは前に兵士が2人立っている部屋を指さした。
「ああ、あそこは大佐以上じゃないと入れない秘密の部屋だ」
「秘密…」
「まぁ、この機関にどんな秘密があろうとココは飯が貰えればなんでもいいから気にしてなかったが。」
「そう割り切れる貴方が羨ましいですよ。」
突然コウの後ろからヒルが現れる。
「ヒル少佐、暇か?」
「暇じゃありませんよ!!仕事です仕事!!」
ヒルはココルの質問に大声で答える
「最近話題になってる殺人犯の情報が出たので、報告に行っていたところです。」
「『腸の発掘家』ですか?」
コウがヒルに聞くとヒルは首を振った
「いえ、確か異名は『殺人人形』。殺害現場に金色の糸が落ちてることが多く、それを誰かが人形の髪の毛だと噂になりその異名がついたらしいですねぇ。」
「で?情報というのは何だ?」
「容疑者が見つかりました。『キキ=モーラ』という1年前から行方不明になっている、白髪の女性です。
年齢はココル大尉と同じぐらいですかね。都市にある防犯カメラに犯行現場の路地に入っていく姿が映りました。」
「それはいつの出来事だ?」
「事件としては昨日発覚したばかりのものですね。」
「コウ、早速殺人犯を捕まえるぞ!!ついてこい!!」
ココルはヒルの話を聞くとコウにそう言って走り出した。
「ま、待ってください。ココル大尉!」
コウはココルを追いかけて走り出す
「あ!お二人共、待ってください!!」
ヒルが止める声は2人には聞こえず2人の姿は見えなくなってしまった
「やれやれ、あの人達『殺人人形』の居場所知っているんですかねぇ。」
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「『殺人兵器』はどこだ!!」
「ココル大尉!『殺人人形』です。」
ココルは街に出ると大声を上げながら周りを見渡す。街の人達は急いで建物に隠れる、驚いてココルのことを凝視したりしないところを見るといつもの事なのだろうとコウは思った。
コウ達が犯人を探していると突然ココルの通信機から通知音が流れる
「む?通信か。」
ココルは通信機に出る
「ココルだ。」
「「『殺人人形』は見つかりましたか、ココル大尉?あ、私『純白の羽根』及び『漆黒の翼』の隊長を努めさせて頂いてます。ヒル少佐です。」」
「長い。」
「「ところで、『殺人人形』の居場所は分かりましたか?」」
「いや、全く。お前の所に情報は無いのか?」
「「上司にお前って…残念ながら今のところは情報がありませんねぇ。」」
「お前のところ意外と情報無いのな」
「「半分程『腸の発掘家』に使ってますからねぇ。今、『純白の羽根』の方の情報の整理が終わったので私も調査に出ますので、あと1時間ほどすれば情報を送れるかと。」」
「そんなに待てないよ。」
ココルとヒルが話している間、コウは周りを見渡している。
すると、コウの目に白いロングヘアーの女性が目に映る。
コウが女性に話しかけようとする。
その時、後ろから声が聞こえた。
「ハロー、ワタシメリー
イマ
ーーーーーアナタノウシロニイルノ」