18話 現実
前回のあらすじ
ティティーと和解し、館から脱出できたコウ達。
彼らに待ち受ける。次なる問題とは…
コウ達が、ティティーの館から出る。
4人が館から、離れると館が突然崩れる。
シャ―ロッテが冷や汗をかく。
「あぶねぇ。少し遅かったら巻き込まれてないか。これ。」
4人が呆然としていると、後ろから足音が聞こえた。
「おやおや、突然崩れるなんて。やっぱり調査を頼んでおいて正解でした。」
コウとココルが後ろを見ると、そこには帽子を押さえながら、崩れた館を見て笑みを浮かべる男がいた。
「ヒル少佐⁉」
コウが驚く。
ヒルは2人に近ずく。
「いやぁ。連絡を入れても、繋がらないので心配しましたよ。」
ヒルの発言に、コウとココルがハッとする。
「(そういえば、館に閉じ込められた時、誰かに連絡すれば良かった。)」
「(最も、ヒル少佐の言葉を聞くに、外との連絡は繋がらなかっただろうが。)」と、コウは苦笑いする。
「しかしまぁ、ご無事なようで何よりです。ところで…」
ヒルが、こっそりとヒルから離れようとする、シャーロッテとズバクの方を見る。
「貴方々は、ここで何をしていたんですか?」
2人が、ヒルの方を見ると、彼は続ける。
「『世界統一機関』が調査に入った建物に、無関係の者が入っていた。詳しく話を聞かせていただけますか?」
「待て、ヒル。そいつらは、ココが手伝ってくれって言ったんだ。」
ココルの言葉に、同意してヒルに文句を言うシャ―ロッテ。
「そうだ、そうだ!オレらはアンタらの言うこと聞いてやったんだぞ?文句ねぇだろうがよ。」
「そうでしたか。失礼しました。でしたら御礼がしたいので、お名前とご住所をお聞かせ願えますか?機関に来ていただいても良いのですが。」
「あ?なんで、お前にそんなこと言わなきゃいけねぇんだよ!」
シャ―ロッテの慌てる姿を見て、ヒルが静かな声で言う。
「なにか、後ろめたいことでもあるんですか?」
「なっ。」
シャ―ロッテの反応を見て、ヒルは続ける。
「貴方々、『遺産泥棒』でしょう?あの館から何か盗んだんじゃないですか?だから、私と一緒に来たくない。そういうことではないですか?」
「お前。今、オレ達を馬鹿にしたな!」
シャ―ロッテが、ヒルを殴る。
その直前で、彼女をの手を掴み、殴ることを阻止するズバク。
「悪いねぇ。紳士の兄ちゃん。こいつは、少々やんちゃでね。すぐ、手が出ちまうんだ。」
ズバクが笑顔で、ヒルに言う。ヒルも笑顔で返す。
「大丈夫ですよ。私と共に機関に来ていただいて、お話を聞かせてもらい、問題が無さそうであれば。今回だけは、『世界統一機関』への暴行は、なかったことにいたしましょう。」
「はぁ!オレらを脅す気かよ。この蛇男!」
ズバクが、文句を言うシャ―ロッテと、ヒルの間に入る。
「分かった。兄ちゃんと一緒に機関へ行けばいいんだな?」
「ええ。お願いできますか?」
「ああ、仕方がない。」
ズバクが、シャ―ロッテを担ぐ。
「ズバク!なんだよ。この格好は!ふざけんな!おろせ!というか、機関の言いなりになってんじゃねぇ!」
文句をいう、シャ―ロッテを無視して、ズバクとヒルが村を出る。
「彼ら、本当に手伝ってくれただけなのに…」
「仕方ない。彼らの職業からして、犯罪行為をしていないかと疑ってしまうのが現実だ。残念ながら。」
コウとココルは、もやもやした気持ちのまま、村をでた。
次回予告
『世界統一機関』へ戻ったコウの元に、オレンジ髪をした、元気な少女が話しかける。
次回 19話 勝手な元帥達




