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ワールドプリズン 〜その監獄からは逃げられない〜  作者: HAKU
第三章 希望の花

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19/25

18話 現実

 前回のあらすじ

 ティティーと和解し、館から脱出できたコウ達。

 彼らに待ち受ける。次なる問題とは…

 コウ達が、ティティーの館から出る。

 4人が館から、離れると館が突然崩れる。

 シャ―ロッテが冷や汗をかく。


「あぶねぇ。少し遅かったら巻き込まれてないか。これ。」


 4人が呆然としていると、後ろから足音が聞こえた。


「おやおや、突然崩れるなんて。やっぱり調査を頼んでおいて正解でした。」


 コウとココルが後ろを見ると、そこには帽子を押さえながら、崩れた館を見て笑みを浮かべる男がいた。


「ヒル少佐⁉」


 コウが驚く。

 ヒルは2人に近ずく。


「いやぁ。連絡を入れても、繋がらないので心配しましたよ。」


 ヒルの発言に、コウとココルがハッとする。


「(そういえば、館に閉じ込められた時、誰かに連絡すれば良かった。)」


「(最も、ヒル少佐の言葉を聞くに、外との連絡は繋がらなかっただろうが。)」と、コウは苦笑いする。


「しかしまぁ、ご無事なようで何よりです。ところで…」


 ヒルが、こっそりとヒルから離れようとする、シャーロッテとズバクの方を見る。


貴方々(あなたがた)は、ここで何をしていたんですか?」


 2人が、ヒルの方を見ると、彼は続ける。


「『世界統一機関』が調査に入った建物に、無関係の者が入っていた。詳しく話を聞かせていただけますか?」


「待て、ヒル。そいつらは、ココが手伝ってくれって言ったんだ。」


 ココルの言葉に、同意してヒルに文句を言うシャ―ロッテ。


「そうだ、そうだ!オレらはアンタらの言うこと聞いてやったんだぞ?文句ねぇだろうがよ。」


「そうでしたか。失礼しました。でしたら御礼がしたいので、お名前とご住所をお聞かせ願えますか?機関に来ていただいても良いのですが。」


「あ?なんで、お前にそんなこと言わなきゃいけねぇんだよ!」


 シャ―ロッテの慌てる姿を見て、ヒルが静かな声で言う。


「なにか、後ろめたいことでもあるんですか?」


「なっ。」


 シャ―ロッテの反応を見て、ヒルは続ける。


「貴方々、『遺産泥棒(トレジャーハンター)』でしょう?あの館から何か盗んだ(・・・)んじゃないですか?だから、私と一緒に来たくない。そういうことではないですか?」


「お前。今、オレ達を馬鹿にしたな!」


 シャ―ロッテが、ヒルを殴る。

 その直前で、彼女をの手を掴み、殴ることを阻止するズバク。


「悪いねぇ。紳士の兄ちゃん。こいつは、少々やんちゃでね。すぐ、手が出ちまうんだ。」


 ズバクが笑顔で、ヒルに言う。ヒルも笑顔で返す。


「大丈夫ですよ。私と共に機関に来ていただいて、お話を聞かせてもらい、問題が無さそうであれば。今回だけは、『世界統一機関』への暴行は、なかったことにいたしましょう。」


「はぁ!オレらを脅す気かよ。この蛇男!」


 ズバクが、文句を言うシャ―ロッテと、ヒルの間に入る。


「分かった。兄ちゃんと一緒に機関へ行けばいいんだな?」


「ええ。お願いできますか?」


「ああ、仕方がない。」


 ズバクが、シャ―ロッテを担ぐ。


「ズバク!なんだよ。この格好は!ふざけんな!おろせ!というか、機関の言いなりになってんじゃねぇ!」


 文句をいう、シャ―ロッテを無視して、ズバクとヒルが村を出る。


「彼ら、本当に手伝ってくれただけなのに…」


「仕方ない。彼らの職業からして、犯罪行為をしていないかと疑ってしまうのが現実だ。残念ながら。」


 コウとココルは、もやもやした気持ちのまま、村をでた。

 次回予告

 『世界統一機関』へ戻ったコウの元に、オレンジ髪をした、元気な少女が話しかける。


 次回 19話 勝手な元帥達

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