序章 大きな希望の始まり
少年は、買い物の帰り、大通りを歩いている。
大通りは人が溢れかえっていた。
その理由は、今世界中で話題のアイドル、『カルミア』の生ライブがあるからである。
「こっちとおるか。」
少年は、建物の隙間を通り、裏通りに移動する。
大人たちに押しつぶされそうだったし、裏通りの方が家まで近いからだ。
裏通りは、表とは違い人通りがなく、とても静かである。
「なんか出そうで、こわいなぁ。」
少年が、恐る恐る歩きながら、つぶやく。
「例えば、後ろから突然、お腹を斬ってくるお姉さんとかぁ?」
突然、少年の耳元で女性の囁く声が聞こえた。
少年が、どきっとして振り向くと、後ろにナイフを持った、茶髪の女性がいた。
彼女が着けているゴーグルには血液がつき、彼女の笑みは恐怖を感じる。
走り出す少年。それを、ゆっくりと歩いて、追いかける女性。
「そんなに走ると、危ないよぉ。」
少年は、逃げる途中で、転んでしまった。
「ほらぁ、言ったでしょう?走るからぁ、転んでこわ〜いお姉さんに、お腹を斬られちゃうんだよぉ?」
女性は、細めていた目を見開き、少年にナイフを刺そうと構える。
寸前…
「待て!人にナイフを刺すのは、犯罪だぞ?」
ピンク髪の女性が、それを止めた。
「あらぁ?世界統一機関。お巡りさんが来ちゃったのねぇ。」
「お前、『腸の発掘家』か?」
ピンク髪の女性が、茶髪の女性に剣を向けて、そう言う。
「そう呼ばれてるわねぇ。ひとまず、ここは撤退しようかねぇ」
茶髪の女性は、ナイフを振り、ピンク髪の女性と距離を放す。
「待て!!」
「じゃあねぇ、ボクちゃん。また、あえる日まで。」
茶髪の女性は、そう言うと、窓や壁を足場に屋根までジャンプし、どこかへ消えてしまった。
「ココだ!!殺人未遂犯が逃げた。場所は…」
ピンク髪の女性は、誰かと連絡をしていた。
彼女は、連絡が終わると、少年の方に近づく。
「大丈夫か?すまないな、逃がしてしまって…」
少年は、首を横に振る。
「だいじょうぶです。えっと、おねぇさんは?」
「ココは『世界統一機関』、『金色の剣』の、ココルだ。」
女性は、それだけ答えると、どこかへと走り去ってしまった。