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ひあそび  作者: 葵果音
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「江舞⑰」

いつも一緒にいるメンバーは決まっていたけど、この日は高校の部活の仲間で集まることになっていた。みんなでわいわいするのも好きだし、高校生の時からお酒が飲めるようになったら友達と飲み歩きたいなと密かに思っていたから、大学生でそれが叶ってかなり嬉しい。青藍にもしっかり連絡して、とりあえず空いてるところを探していた時のことだった。

「江舞、久しぶり! 元気だった?」

声をかけてくれたこの人は、ちょっと誰だかわからなかったけど話を合わせた。

「元気だよ、私見た目結構変わったのに、よくわかったね」

「雰囲気は変わってないよ」

面影ってやつか。頼んでおいたレモンサワーを一口飲んだ。

「そう言えばさ、未琴くんとはどうなったの?」

飲んだレモンサワーは、一気に酸っぱさが増した。

「え? なになに?」

「なんか江舞が未琴くんのこと好きだったって噂みたいなので聞いたんだけど、違った?」

「ふーん、まあ高校ん時のことなんか覚えてないよ」

「そう? 今日未琴くん来てないから残念だねって言いたかっただけ〜」

確かに今日、未琴は顔を出していなかった。高校生の時から秘密を共有していたから今更気まずいとか、みんなの前でどうしたら良いかわからないとかはないけどいない方が色々思い出さずに済む。あーあ、また不味くなってきた。

「そんなことより、かわいい彼女いるから見てよ」

スマホを取り出して、青藍の写真を見せた。

「うわぁ、可愛い、、、ラブラブだな」

「同棲してるんだー」

「はぁ、その当たり前の幸せをちゃんと大事にしなよ?」

「ん?」

「日常っていつ終わるかわからないから怖いんだからねー」

「あ、経験者?」

「半同棲してた彼氏と最近別れたの、私は」

声を強調して肩を落としながらそう言った。注意喚起なのかもしれないけど、

「青藍と一緒にいれるならなんだっていいんで、私たちなら大丈夫」

「、、、羨ましいわ」

あとでわかったけど、この子は女バスのチームメイトだった。この後もいろんな人が来て楽しい夜だった。

 日常ってどこからどこまでを言うのかな。夜こんなふうにみんなでわいわいするのも、家に帰った時青藍が鼻歌を歌っているのが聞こえてくるのも、喧嘩して仲直りするのも、全部だとしたら、人生の半分以上の日常は青藍が占めていることに気がついた。それを幸せということにも。


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