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ひあそび  作者: 葵果音
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「江舞⑭」

人間関係っていうのは、まず友達があって、その上に恋愛があって、事実婚含む結婚があるってそんなイメージ。上とか下とかないけどあえてそう例える。例えばその関係性が上に行けば行くほど、お互いにしかわからない存在になると思う。青藍と私の始まりは、世間体ではよくないものだけど私たち二人にしかわからないたった一つの存在なんだ。今もそう。春の風は暖かく、汗ばむまではいかない過ごしやすい日だった。

「青藍、おまたせ」

「江舞ちゃん! 来てくれてありがとう」

「来週でもう青藍の制服姿見れないなぁ、寂しい」

「えぇ、もういいよ私は」

「そうだ、卒業式の日、朝早く江舞の家来てくれたら、髪のセットやるよ?」

「うそ? いいの!?」

「うん、江舞が高校生の時はみんなお花の髪飾りとかつけてたし、編みこみとか綺麗にやってあげる」

「う、嬉しすぎる、、、」

笑顔の青藍を見ると私まで笑顔になるし、私の手でどんどん綺麗になる青藍を見るのも嬉しくて、ますます自分の人生に名を刻んでいっているので嬉しい。たとえ美容師になれなくても青藍専属の美容師ではいれるかもな、なんて。普段は考えないようなことばっか最近考える。浮かれてんのかも。

「青藍、この後どこかいく?」

「カラオケ、、、」

「か、カラオケ!?」

「私意外と歌上手いんだよ〜」

「おー、それはちょっと聞きたいかも」

前から思っていたけど、青藍とは聞く音楽の趣味が合う。いつからか歌詞に共感できたり、リズムが合う邦楽ロックが好き。あとは、ドラムとベースの音も。将来住むなら、ドラムを家に置きたい。

「前江舞ちゃんが女の子と会う前に必ず聞いてるって言ってた曲、私歌えるようになったよ」

「え、そ、そんなこと言ったっけな、、、」

「うん、ちゃーんと覚えてるからね」

知らないうちに随分弱みを握られている。


 人が多い街並みの中を腕を組んで歩いていると、青藍がウェディングドレスのショーウィンドウの前で足を止めた。

「きれい、、、」

「着たい?」

「うん」

ドレスってよくわからないけど、青藍が釘付けになってるのは、一番お姫様っぽいやつ。

「、、、結婚しちゃう?」

「え!? なにいってるの!? 日本じゃできないし、え?」

「じょーだんね、冗談」

「、、、そうだよね」

こういう時にふと思うことがある。私と一緒に人生を歩む青藍を易々と想像できるけど、果たしてそれはどういう形だろうか。この国は君が望むような同性婚はできないし、子供だって難しいから。

だけど一番は、君が私以外の人と結ばれて、お互いのことを想いあって添い遂げることが想像できない。したくない。それだけは絶対に嫌だ。まあこれからのことだし、今はそんなこと考えなくても良いか。


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