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ひあそび  作者: 葵果音
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「江舞⑤」

女の子には特別感を与えることが大事。君だけだよ、君にしかこんなことしないよってね。少し人として破綻しているかもしれないけど、仕方ない。こういう性格だから。

 この前青藍を送った時、すごく切ない顔をしていたのが気になった。寂しい、とか帰らないで、とか帰りたくない、とか女の子にたくさん言われてきてきたけど、そういうことは言わなかった。顔に出やすいのに、言葉にはできないタイプなのかな。だから、安心させる為にハグした。「君だけだよ」ってそうやって思って。青藍は、もしかしたら自分に少し気があるのかもって思ってる。その気というのは理梨先輩や麻結ちゃんと同じようなもの。前回のデート以来、トイレで会うと様子がおかしいから。

なんとなく今日の夜は、ひとりは嫌かな、いつもこのなんとなくに女の子を付き合わせている。


『理梨先輩、きょうあいてますー?』


『ずっと連絡待ってたんだけど』

『会いたいって言ってくたらいいのにー』

『最近会ってくれなかったじゃん』

最近? そうだ、この頃青藍と一緒にいるからだ。麻結ちゃんとか理梨さんとかと同じ感覚で接してるのに、同じようにカテゴライズされてないみたい。


 

 ベッドの横にある大きな全身鏡。今は使用用途が違っている。理梨先輩の綺麗で、どうしようもない体が映るのを楽しむ。私に見られてるよというふうに見つめる。

後ろから、理梨先輩の肩に顎を乗せた。また顔を下に向けたので、

「鏡見て」

と、顔を持って向かせる。どんどんしっとりとした熱を感じる。何も言わずにするのが好きらしいからそのまま言葉はかけなかった。漏れる声でなんとなく良し悪しはわかった。



「江舞ちゃんさ、終わった後すぐスマホ見ない方がいいよ」

「あー、気をつけますね」

理梨先輩の言うことはわかった。そして理由まで見透かされていた。他の女の子に連絡を返しているから。気をつけよ、明日には忘れてるかもしれないけど。


 何してるんだろう未琴、と思って連絡していたのにあいつ、電話も全部無視かよ。こんなにキレて、心の内で不満を爆発させてるくせに、呼ばれたら何も言わずに行ってしまう。未琴の本命になれないって忘れてた。未琴がその気なら、自分だってこんなにならなかった。高三の頃から未琴を見てるのは江舞だけだ。

近頃のの女たちと同じにされては本当に困るのに。未琴の好きな人の存在を知ってから狂うほど辛い夜を越してるのを、未琴は知らない。こいつと将来飲む酒なんて嫌だって思って、何回も離れようってしてるのに、どうしよう。顔見ると会いたくなるんだよな。会わなきゃって脳で動くより体が言ってる。




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