街
俺は今ネリアさんとネオールさんと道を歩いている
ネリアさんが言うにはこの先に自分達の住んでいる街があるらしい
「改めて自己紹介だなアタシはネリア、この先にある街アルバレストの騎士をしている」
「私はネオール同じく騎士をしています」
「俺は、桜井優斗と言います。アルバレストですか聞いたことない街ですね」
ネリアさんとネオールさんは信じられないと言う顔をした
「き、聞いたことないってアルバレストはエタルニア王国の中で一番有名な所だぞ!」
「いや本当に聞いたことがないよ」
ネリアさんは難しそうな顔をした
「優斗さんは何処からきたのですか?」
「日本から来たんだ」
「ニホン?それこそ聞いたことがありません。何処に在るんですか?」
「東側にある島国だよ。機械が発達してるんだ。」
「キカイ?よくわからないことばかりですね〜」
日本や機械も知らないなんてもしかしてホントにここ異世界か?
そんなことを考えているとネリアさんが声を上げた
「見えてきたぞ、あれがアルバレストだ」
ネリアさんが指差した方向を見ると確かに街があった
「スゲー」
まるで山を切り崩して出来たような街だった
その中で一番目立つ建物は多分城だろう
「そうだろう回りは山で囲まれてるし土は良く肥えているから作物も良く育つ少し先には海もある最高の場所だ」
「へぇ〜かなりいい所だな」
そうこうしてるうちに街に入る為の門に着いた
門の前には二人の兵士がいた
「止まれ」
兵士が俺達の前に来た
「何か身元が分かる物を出して下さい」
兵士がそう言うとネリアさんとネオールさんは首に掛けてあるペンダントを見せた
「王女守護騎士ネリアだ」
「同じく王女守護騎士ネオールです」
ペンダントを見た兵士は敬礼し「失礼しました!」と言って俺の方を向いた
「お前は何か持っているか?」
やばい何かあったっけ
生徒手帳は家に忘れたし
どうしよう
何も出さない俺を不審に思ったのか兵士は下げている剣の柄に手をかけた
“どうしようこのまま打ち首なんて洒落にならん”
すると突然心に声が響いた
“右目の傷を見せろ・・・”
とても重い声だった
俺は、右目の瞼を触ると確かにかさぶたみたいな物があった
“おかしいなこんなもの今までなかったのに”
とりあえず右目に掛かっている髪を上げかさぶたらしき物を見せた
すると兵士は驚いた顔をして慌てて膝まずいた
「し、失礼しました!!」
「これまでのご無礼お許しください!」
必死に謝る兵士にネリアさん達は目を丸くし俺は、何がなんだか分からなくなっていた
とにかく人が集まり始めたので兵士を落ち着かせる
「あの怒ってないので謝らないで下さい」
「本当ですか?」
「はいだから通してくれませんか?」
「分かりましたお通り下さい」
兵士はすぐに立ち上がり道を開けた
「行きましょう」
俺は、二人を促し街に入った
「桜井」
呼ばれてネリアさんの方を向いた
「何ですか?」
「お前何を見せたんだ?」
「そうですあの兵士たちは怯えていました。この街の兵はどんな強国でも最後の一人まで立ち向かいます、それがあんなに怯えるなんてあり得ません」
「そうだなぁ・・・わかったそのかわり俺もよくわからないから知ってるなら教えてくれ」
「「わかった(りました)」」
俺は、右の前髪を上げ傷を見せた
二人は傷を見せた瞬間みるみる表情が変わった
「桜井!!」
ネリアさんがいきなり腕を掴んだ
「え?ちょっとネリアさん?」
「優斗さん今すぐ王宮に行きましょう!」
「え?なんで?」
「ネオール速く行こう!」
「はい!」
二人に両腕を掴まれひきずられていく
「ち、ちょっと誰か状況説明して〜!!!」
と絶叫が街中に響き渡った
ところであの声はなんだったんだろう
誤字脱字アドバイス等ありましたら遠慮なく書いてください