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5月の公式戦 11

 陽介が気付いたのは、お達者会のセッターが基本的にあまり動かないことだ。


 勿論、お達者会のメンバーはシニアのチーム。


 年齢から来る体力の衰えは残念ながら明らかではある。しかし8部という下部のリーグではそれをカバー出来るだけの技術を持っているのも事実だ。


 それにしても、お達者会のセッターは古傷でも持っているのか他のメンバーより動きが悪い。


 直前のプレーも、本来であればセッターがトスを上げるべきボールであったと思うが、多少動いたものの中衛ライトがトスを上げた。


 アイコンタクトでもあったのであろうか、中衛ライトもさぞかし慌てただろうと陽介は思った。


 お達者会のサーブ。


 これまた速いサーブがSIEGのコートに向かって来た。


 SIEGはバックライト#2アシミちゃんがレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#9じょんちゃんがアンダーでライト#10セイちゃんにトスを上げた。


 しかしそのトスはネットから離れ、ライト#10セイちゃんはオーバーパスでチャンスボールを返した。


 お達者会は「チャンス!、チャンス!」と言いながら中衛レフトがオーバーでセッターに丁寧にパス。セッターはレフトアタッカーにトスを上げ、レフトアタッカーは得意のサブマリン打法でSIEGの2枚ブロックをはじき飛ばした。


 陽介はタイムアウトを要求した。


SIEG1-5お達者会


 ベンチに戻って来たメンバーに、「お達者会のサーブは、パパクラブBさんよりは緩いものの、それなりのスピードで向かって来ます。さっきの試合でも話した通り、ナイスカットをしなくても構わないので、とにかくコートの中にボールを上げましょう!、そして物凄い勢いでサーブが向かって来たら体ごとボールにぶつけて直接相手コートに返しても良いです。それと、相手のセッターはほとんど動きません。したがってネットに近いトスや打ち切れないトスの場合、アタッカーはセッターの後ろにフェイントを落とすように頑張って下さい!、必ずSIEGの流れが来るときがありますから、それまで我慢のプレーで対応しましょう!」と言い、コートに送り出した。


 しかしこのセット、SIEGの実力のなさや、陽介が監督になってまだ間がなく、練習不足だろうと思える内容で、15点は取ったもののお達者会のサーブに押し切られ第1セットを失った。


SIEG15-21お達者会


 2セット目に向かうインターバルで、「皆さん良く聞いて下さい。お達者会は年齢による動きの鈍さはありますが、それをカバーする技術を持っています。倒れ込みレシーブしかり、そしてサブマリン打法でコート奥の隅を狙って打ったり、ブロックを上手く利用してブロックアウトを取ったりしています。正直言って僕はお達者会のようなバレーボールを見たことがありません。ただ、さっきも言ったようにお達者会の年齢から来る動きの鈍さを利用して勝機を見い出しましょう!、そのためにはサーブをミスしないこと。そしてチャンスボールを返す時は相手コート奥ではなく手前に返し、前衛・中衛の選手にボールを取らせましょう!、必ずSIEGに流れが来る時間が来ます。それまでにサーブをミスしたりドリブルやネットタッチなどの反則で自滅しないように頑張りましょう!」と陽介は言った。


 副審の吹笛があり、第2セットが始まる。


 SIEGは、監督である陽介を含め全員が円陣に入り、キャプテン#4イッちゃんが、「SIEG~~ファイト!」とかけ声をかけてエンドラインに並んだ。


 主審の吹笛があり、両チームがコートに入った。


 第1セットの最後のサーバーがお達者会だったので、第2セットはSIEGのサーブからだ。

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