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大人数のパパクラブ 1

 さてパパクラブとの練習試合の日がやって来た。


 SIEGは、普段練習に参加出来ないことの多いメンバーも含め、11人が集まった。


 陽介は練習開始時刻の9:00前に公民館の体育館に到着したが、体育館の会場時刻が8:45だとの事で、公民館のエントランス中程でSIEGのメンバーとパパクラブのメンバーが待機していた。


 それにしてもエントランスで待機している人が多い。老若男女しかも女性だけ。さらに全員がジャージを着用している。


 誰もが、体育館で何かあるのだろうと想像が出来る。


 公民館は、『囲碁将棋』や『ダンス』、『和太鼓』や『習字』等の教室や練習会場もあるため、その人達がいつもと違う混み合っている公民館エントランスの様子に驚きながら、人と人の間をすり抜けて各会場に向かっていた。


 体育館の会場時刻となり、事務室からバレーボール用具を借りたSIEGのメンバーは、急いで体育館に向かいコート設営を始めた。


 パパクラブは体育館への通路を、大人数で一列になって歩いていた。


 陽介はパパクラブのメンバーと一緒に体育館に向かったが、その道中にパパクラブの人と挨拶を交わした。


 陽介が、「おはようございます。本日は宜しくお願いします。」と言うと、挨拶を交わした人が慌ててチームの部長さんを呼んで来てくれた。


 あらためて陽介が挨拶をすると、「こちらこそ宜しくお願い致します。SIEGさんが新しい監督を迎え頑張っていると伺ったので、是非練習試合をさせて頂きたいと思いました。」と、中年なのか熟女なのか微妙に分からない風貌の部長さんが話してくれた。


 パパクラブはAチーム・Bチームを合わせて21人が来ていた。


 この時パパクラブは、パパクラブAが7部。パパクラブBはSIEGと同じ8部に所属していた。


 陽介は、それなりに上から目線でご挨拶をもらったことに対し、ひきつった笑顔で、「何言ってるの、パパクラブさんだってBチームはSIEGと同じ8部じゃない!、この前のおおらか杯だってサーブの殴り合いだったじゃない!、でもSIEGは負けたけど…」と、思った。


 コート設営が終わり、フサエちゃんがSIEGとパパクラブを集め、コート撤収作業を考えると11:45分に練習試合を終えなければならないことや、SIEGのメンバーが審判を出来ない出来ないのでパパクラブにお願いしたいととのことや、子供を連れてきている人は体育館脇にある小部屋で子供を遊ばせてほしいことと、SIEG・パパクラブのメンバーが交代で事故なくその小部屋を見守ってほしいこと等を短く伝えた。


 そして練習試合が始まった。


 パパクラブの初戦はAチーム。現在7部に所属している。


 SIEGは、おおらか杯のスターターで臨むように陽介が指示をした。


 ちなみに、前衛レフトがイッちゃん・中衛レフトがアブちゃん・セッターフサエちゃん・中衛ライトがユッケちゃん・前衛ライトがセイちゃん・ハーフセンターにケガ明けのじょんちゃん・バックレフトにオキヨちゃん・バックセンターにマリちゃん・バックライトにアシミちゃん(この時はまだSIEGのメンバーだったが、、この後すぐに2部に所属しているチームに移籍した。しかもやはり色々と物議を醸し出しながら…)

の布陣。


 サーブ権は、ジャンケンの結果パパクラブ。


 陽介は、「これはサーブだけで相当の点数を先に取られるな!?」と思ったが、「とにかく、相手のサーブをコートの中にカットしよう!、ナイスカットじゃなくて良いからボールをコートの中に!、そしてコートにボールを落とさないように!」と大きな声でSIEGのメンバーに伝えた。


 主審のサーブ許可の吹笛。


 パパクラブの、緩い山なりのサーブがSIEGくコートに向かって来た。


 陽介は、「ラッキー!」と思った。この程度のサーブならば、さすがのSIEGもレシーブ出来ると。


 が、しかし。


 弱小ママさんバレーチームは、世間の常識を覆すことには極めてたけている。


 パパクラブの緩い山なりのサーブは、あっけなくSIEGコートに落ちた。


 SIEGのメンバーは、全員が各々の顔を見て、「私のレシーブするボールじゃない!」という顔をしている。しかも1歩も動かなかった。


 陽介は、あっけにとられて、暫く開いた口がふさがらなかった。


 しかもコートに落ちたボールが転々と転がったままなのに、誰も拾いに行かない。


 コートの外で得点版係をしていたSIEGの他のメンバーがそれに気付き、やっと走って拾いに行く始末であった。


 陽介は、ここに再び弱小ママさんバレーチームの恐ろしさを垣間見た。


 恐ろしや、弱小ママさんバレーチーム。


 陽介は開いた口を閉じ、暫く様子を見ることにした。

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