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ある女の話

作者: 川目漱介


 ドアが閉まります。そのとき、それを止めた女がいた。ビニール傘を今閉まろうとするドアの隙間に突き刺す。車掌はため息をついた後、仕方なくドアを開ける。ビニール傘を挟んでままの発車はできないからだ。


 車内の視線は冷たい。それは分かる。でも気にしない。生きる為にできるかぎりのことをやるだけ。わずかな座席の隙間に尻を押し込み自分の居場所を確保する。


 ひとりぼっちの部屋に帰宅。


 職場でやる気のない子を叱り飛ばす毎日。こんなに頑張ってるのに社内の評判は芳しくない。こんなにがんばってるのに。


 メグミは泣いてしまった。そして鼻が出たのでティッシュで拭いた。


 上司というだけで誰もが尊敬するわけでもなし言うことを聞くわけでも無し。冷静に考えればわかることでも今のメグミは憎しみの炎に燃えている。


 まず手始めに下っ端の知子に難しい仕事をやらせて失敗させていつもの倍怒鳴り散らすことにした。知子は泣き崩れて仕事を早退をした。私を怒らすからこんな目にあう。気分がスッキリした。


 つぎのターゲットはベテランのパートのチヨにする。年寄りは仕事がのろい割に口が達者で毎回してやられているからこの職場から追い出す!絶対に!


 ところが危険を察知したチヨは退社。面白くないメグミはゴミ箱蹴飛ばした。ゴミ箱の中身は散らばり掃除する羽目に。怒りの落とし所が無い。


 誰かを怒鳴り散らしたい。

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