14-5
ルーテア 総合LV7
ドルイド LV2
→ 薬効強化
スカウト LV2
→ 警戒
ハンター LV2
→ 弓技術、猫の目、鷹の目
ソルジャー LV1
→ 盾技術、片手剣技術
「スカウトとハンターのレベルが一つ上がって2になりました。ソルジャーのクラスを覚えて、盾技術と片手剣技術のスキルを覚えました。……あと、ソルジャーのレベルは2まであがりませんでした。ごめんなさい」
そう言って頭を下げるルーテア。冒険者パーティーにおいて、ダンジョン探索に命がかかっている以上『弱い』ことは糾弾されるに足る理由になる。自分の生命身体を守るため、他のメンバーの生命身体を守るために糾弾してそれを改善しようとすることは義務と言ってもいい。
弱いことを糾弾することの結果として他のメンバーを引き締めることも出来るし、弱いメンバーを振るい落としていける。強いメンバーだけが残れば金銭や冒険者パーティーとしての名声も高まるだろう。もちろん、やり過ぎてはいけないがバランスを上手くとればきっとそれは賢いやり方と言われるやり方なのだろう。
「ルーテア。それにレンもだがそう言うのはやめよう。ルーテアの性格上みんなに迷惑がかかる可能性もあるから謝りたくなる気持ちは分かるが……俺たちは補い合うためにパーティーを組んでるんだ。だから、レベルが上がらないとか言うのは無しだ」
だが、振るい落とされる方はどうなる。二人の顔を見る。二人とも頼れる人が傍にいないだけで将来性も善性も十分にある。しばらくの時間があればその将来性は開花する。賢いやり方を選ぶぐらいならそのしばらくの時間を俺が死ぬ気で踏ん張ればいいことだ。
そんなことを思っているとポカンとした表情とじーんとした表情。表情の原因がさっきの発言だと察っして気を引き締める。流石に血縁関係でもないおっさんがこういうことを考えているとばれると二人とも引くだろう。客観的に見て、気持ち悪い。
人への好き嫌い興味が無いの振り幅が激しいのは自覚しているが性分を矯正するのは困難である。せめて、迷惑をかけないようにしないといけない。
「……わかった」
「はい……です」
「いきなりすまんな。ルーテア続きを頼む」
二人の返事を聞き、否定的な物が含まれていないことを察して話を進める。ちなみに、レンはびっくり。ルーテアは感動だろうか。レンのびっくりはこんな事を言う人がいるのかという想定がに対してのびっくりであり、ルーテアの感動は親に捨てられたとか言っていたことに起因しているのだろう。
「続きではないですが、……魔法の話なんですが」
話を促したのでルーテアが表情を改めて話始める。ルーテアは初対面のころから魔法を使いたいと言っていた。憶測だらけだが魔法を使える可能性、その際の懸念事項も伝えた。答えを保留していたルーテアがこうして切り出してくるとなるとその答えはひとつ。
「僕も師匠のように魔法が使えるようになりたいです。ソルジャーのレベルも追い付いていないのに……二人に迷惑をかけると思いますが師匠のようになれるようになりたいんです」
こちらの視線を真っすぐ受け止めるルーテア。ルーテアがどれほどの覚悟と熱量でその言葉を言っているかを知るのは重要だ。
「ルーテア。俺の答えは決まっているがこのパーティーのまとめ役で一番の年長者として言わないといけないことがある。……クラスが増えるとレベルが上がるのが遅くなる可能性があるって話はしたがこれから一緒に冒険しても俺やレンよりレベルが低い状態になるかもしれないけど耐えられるか?」
「はい」
「まずはきちんと近接戦闘のクラスを十分に育ててから余裕があるときに魔法職を取っていってもいいんじゃないか?」
「それも考えました。でも、回復魔法が使えればパーティーにとってはいいですよね?」
返答は返さないがその通りだ。現状は大きな怪我は誰もしていないがこれから先はどうなるか分からない。出来るだけレベルを上げ、薬草などの準備もしてはいるが限度がある。聞いたり、調べたりした範囲内では薬草と回復魔法では効果に雲泥の差もある。
「……近接戦闘のクラスが育ってないせいで怪我もしくは……死ぬかもしれない」
「はい。覚悟の上です。でも、守ってくれますよね?」
ここで笑顔で言われるとは想像以上の覚悟と熱量だった。それにパーティーに頼ると言ってくれたのだ。そう言ってくれるのなら悪い方向には向かわないだろう。
「レン。ルーテアはこう言っているけどどう思う?」
「ルーテアが弓を使ってるときに守ってるのを魔法を使う時も守ってくれってことだろ?いいんじゃない?」
同感の意味を込めて頷く。そして、レンの発言の内容と軽く言ってくれたことにも感謝する。
「ルーテアが言ったようにルーテアが回復魔法を使えるようになればパーティーにとっては助かる。だからこちらからお願いしたい。ルーテアが足りない部分は俺たちが補う。俺たちが足りない部分を補って欲しい。ルーテア、魔法を覚えてくれ」