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この世界でいきていこう  作者: 三文茶筆
20/60

9-1

地下四階から地下五階に降りる階段前。


「進むけど準備は大丈夫だな?」


こちらの確認にレンが無言でうなずく。レンはダンジョン内ではあまり声を出さない。音に反応する魔物もいるので少しでも狙われる可能性を下げようという危機管理の一環なのだろう。単純に緊張しているだけかもしれないが聞いてはいない。


地下五階へと下っていく階段はそれなりに広く、長い。最初の一歩を踏み出す。


イヴさんから魔法の話を聞いてから今日までダンジョンの一階から四階までを何度も探索した。目標として自分のレベルアップ。レンのソルジャーレベルアップ。魔法回路購入の資金を貯める。その三つの内、二つをクリアしたら五階のボス、牙猪に挑もうと相談し、決めた。


目標の一つ魔法回路の購入資金はほどなく貯まった。パーティーメンバーは二人で財布は一つな上に生活費と冒険経費以外はレンの小遣いぐらいしか出費はない。俺自身は一般冒険者の飲む打つ買うには散財していないのも大きい。


次にクリア出来た目標が俺のレベルアップだった。ソルジャーのレベルが2に上がりトータルレベルが3になった。レンには内緒なのだが目標の二つを達成で牙猪に挑む計画だったのだが少し悩んだ。予想では金が貯まる前にレンのソルジャーレベルが上がると思っていた。


しかし、レンのレベルは上がらなかったが盾技術、片手剣技術のスキルを取得しできた。実戦で鍛えるのには不安があったので、宿屋の裏庭で二人で訓練したのが実を結んだ。これで実戦でなくともスキルは覚えれることが分かったのも今後の冒険者稼業に非常に有用だ。


あと、ソルジャーレベルが上がったことによって分かるぐらいに身体能力が上がったことが決め手になった。身体能力は武器を当てたときや盾で受けたときなどの破壊力や、衝撃の低減などの筋力面だけでなく敵に向かって走るスピードやスタミナ、果てはダンジョン探索翌日の徒労が寝て起きればほとんど抜けるなど回復力などにも影響していた。


(この寝れば元気になるのは若い頃に戻ったようで結構、感動したんだよな)


高密度魔素体質が原因でここまで多岐にわたって、実感する程に身体能力が上がっている可能性もあるが命を守るためにもレンには引き続きソルジャーのレベルを上げることを課して行こうと思う。


そうこう考えていると階段の終わりが見える。雑念を抑え、目の前に意識を集中する。


階段を降り切った先に広がるのは運動場ほどの障害物の無いだだっ広い場所。光源は壁にかかっているカンテラだけしか見当たらないが不思議なことに蛍光灯をつけた室内の様に明るい。


そんな開けた視界の先、30メートル以上離れたところからこちらを睨みつけているイノシシが一匹。

地下五階の門番、牙猪。冒険者として本当に生きていけるかの試金石だ。


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