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この世界でいきていこう  作者: 三文茶筆
16/60

7-1

イエンの街について44日目。


休日4日目。前日と同じく借りてる部屋のベッドにレンと並んで座る。


「昨日と同じようにクラスの画面を表示させてくれ」

「あいよ」


レンは問題なくクラスの画面を表示する。


「で、クラスの画面に移動した時と同じように指を滑らす」

「こうか?」

「おっし。問題なしだ」


横で実演するとレンもスキルの画面に移動できた。クラスをダブルタップだとそのクラスのスキル一覧。スワイプすると全スキルが表示される。


予想通り内容はそこそこ違うな。


「この画面はスキルの画面だな。スキルは技術って意味合いで、クラスによって覚えられるスキルが違うと考えられるな」

「……よく分かんない」

「実際にレンのスキルを見ながら説明するよ」


レンが表示した画面に書かれているスキルは「槍技術」「運搬技術」「魔法習得技術」。

対して俺のスキル画面に表示されているのは「槍技術」「盾技術」「片手剣技術」。


これなら魔法習得技術で説明するのが分かりやすいかな。


「これは魔法取得技術って書いてあって、これでレンは魔法を覚えていけるようになるんだと思う」

「どうやって魔法を覚えるんだ?」

「え?……何かできそうな感じとかない?」

「……特には」

「すまんが分からん。すぐに調べておく」

「ユウジでもわかんないことがあるんだな」

「……そりょあそうだろ」


全くもってその通りなのだが、満面の笑顔で言うレンを見ていると若干悔しい。

何となく魔法は縁遠い気がして大雑把にこういうのがあるとかなどしか調べていなかったのは迂闊だった。言い訳になるが初期から身体能力にプラス補正がかかっている気がしていたのも大きい。あと、ゲームでは脳筋キャラが好きなのも関係無くはない。


「話を戻すぞ。この魔法習得技術は俺は持ってないので魔法を覚えられない。ただし、俺もマジシャンのクラスを取得できれば魔法取得技術を覚えて、魔法を覚えられるようになると思う」

「魔法を覚えるのは才能って聞いたぞ」

「その才能っていうのがマジシャンのクラス何だと思う。マジシャンのクラスを取得してスキルの魔法取得技術を覚えない限りは魔法を使えない」

「魔法を覚えれるようになるにはスキルが必要でスキルを覚えるにはクラスが絶対に必要ってこと?」

「そうだな。ちなみに、レンのスキルの残り二つは槍技術、運搬技術って書いてあってソルジャーで槍技術、ポーターで運搬技術だろうな」


レンのステータス画面をクラスの表示に戻し、各クラスをダブルタップして間違いがないことを確認する。


「魔法習得で魔法を使えるようになるのは分かったけど槍技術と運搬技術を覚えてたら何が出来んだ?」

「念のためにもう一回言うが魔法習得技術で魔法を覚えるかもってのはまだ予想だぞ?で、予想だと槍技術なら槍の扱いが上手くなれるようになったり、運搬技術だと運搬できる量が増えたり、疲れにくくなったり出来るようになると思う」


ステータス画面のスキル部分をダブルタップしたり、長押しして見たりいろいろ試したが結局スキルの詳細は表示されなかった。これを作った存在は残念ながらユーザーフレンドリーに欠けているようだ。


「何か地味だな。もっと、何か凄いの無いの?」

「必殺技とか?」

「必殺技……かっこいいな!そういうの無いの?」

「うーん。今のところは無いみたいだな。クラスのレベルを上げたり、必殺技の練習をしたら覚えるかもしれないな。スキルは実際にやらないと覚えられないみたいだしな」


実際にやらないとスキルを覚えられないというのは俺とレンが同じソルジャーを取得していてもレンのソルジャースキルに盾技術、片手剣技術がないことから確定と思われる。


「レンのソルジャーのスキルは一個だけだろ?でも、俺のソルジャーのスキルは三個ある。槍技術はレンも俺も持ってて、レンが持ってなくて俺が持ってるのが盾技術と片手剣技術だな」

「それは俺が盾と剣を使ってないからってことで使えば覚えるってことだよな」

「そうなると思う。一応、ここまでで何か聞きたいことはあるか?」

「えーと。そういえばクラスってどうやって覚えるんだ?」

「それぞれ条件があってソルジャーはモンスターを近接武器で倒したり戦ったりしたら覚えると予想してる」

「で、ポーターとマジシャンだがレンは以前から荷物持ちの仕事してたろ?」

「うん」

「ポーターの方はそれで間違いないだろう。荷物持ちってまんまな名前だしな。で、マジシャンなんだが……ポーターの仕事をしているとき軽量化のバッグ使ってただろ?」

「うん。二番目にいいやつな」

「あれなかなり魔力消費するぞ」

「そうなの?」

「実際に俺が一番安いやつ使ってみたけど同じ感じでウサギ狩りしたけどいつもの倍は疲れた。あとで、組合にも聞いたけどいいやつになればなるほど魔力を消費するらしい」

「あー。確かに使い始めたときは結構、疲れたかも。……しばらくしたら慣れたけど」

「それで魔力を鍛えることになってマジシャンを覚える下地ができたんだろうな」

「それぐらいだったらもっと魔法使える人間は多いんじゃないの?」

「荷物持ちの子や冒険者は初級に限るけど軽量化のバッグ使ってるのはかなり珍しいらしいぞ」

「は?重くて持てなくなったらダメだろ」

「まぁ、もちろんそうなんだが荷物持ちする子はその日を生きるのためのお金を稼ぐために狩りに行くんだから少しでもお金を使うのは避ける」

「……そんなものなのか」

「でも、そのおかげでお前の評判は良かったぞ。面倒事に巻き込まれなかったのは組合の職員さんやお前のお得意さんが気をかけてくれたおかげみたいだし」

「そうなんだな……」


(きちんと真面目に生きている奴をきちんと見てる人も結構いるんだぞ)








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