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女神の消失

 ...この洞窟は色々おかしい、辺りには本来いるはずの魔物が1匹も見つけることが出来なかったし、外のひかりも何も入ってきてないはずなのに何故か一定の明るさがある。だけど今はとりあえず、今後をどうするかを決めることとなった...。


「...しかし一番の問題は、魔物が全くいないのは全く理解できないな...魔物は、人気が少ない所に出るはずなのだが、当然ここに人はいないはずだ...。じゃあ、なぜ出ないんだ?」


 なるほど?女神様の言いたいことは理解してるけど、そんなに深く考えなくていいでしょ?だって、いないことには変わりないしね!


「―――だが、魔物がいつかまた出てくる可能性も考えて行動しよう、安全な今のうちに探索を進めるか、この状況を一旦様子をみて、確実な安全を確保するか...するならどっちにする?」


「...いや、正直進むか一旦様子をみるかなんて、僕にとってはどうでもいいけどね?それよりもさ、せっかく魔物がいないのだったらこのまま洞窟で暮らせばいいんじゃない?どうせ外には兵士がいっぱいだからね」


 ...だって、この洞窟が安全って言うのが分かったのなら、それだけで動く必要ないし、ってか動きたくないし!

 そもそも、わざわざここから外に出る必要って特にないじゃん、だってどうせ外にはたくさんの兵士がいる訳だし?

 それなのにわざわざ試練をクリアするって、クリアしても結局辛いじゃん?


 それに、僕は分かっている!

 こういう場面で試練に挑みに行くのを[死亡フラグ]って言うことを!

 わざわざ死にに行く必要は無い!だから、僕は行かない!


「まあ、そんなに行きたければ、行ってきてもいいよ?僕はここでお留守番してるし?だけど、何があっても知らないよ?」


 まあ、これが最善の選択だろう!

 女神様が行くだけ行って、試練をクリアしたそのときは、外に向かえばいいし、できなかったのなら、多分諦めてくれるだろうしな!

 どっちにせよ、いつかは外に出なきゃなのは事実だし、僕さえ楽ならそれでいいんだ!


「...分かった...そこで待っててくれ...。少し、うろついてくる...」


 ...女神様にしては珍しい反応だね?

 本来の女神様だったら、力ずくでも付いてこさせようとするはずなのに、今回はそういう行動もしないし、しかも、女神様は普通に走ってそのままどこか行っちゃったし、少し様子がおかしいね?

 まあ、それでもそのうち帰ってくるだろうし、それまでゴロゴロして気長に待ってればいいでしょ、おやすみ!


 ...


 しかし、少し寝っ転がって見たんだけど、この洞窟は思ったより地面から天井までかなりの高さがあるんだね?

 軽く人間3人分はありそうなぐらい高さがあるけど、そもそもなんでこんな高いんだろ?

 ってか、そもそもこの洞窟って誰が作ったんだろ?

 多分だけど、全体的に土とかで出来てるように見えるけど、よくよく見ると、女神様の魔法でも傷ついてないし、どうやって作ったんだろう?


「女神様、このどうく...」


 そういえば、女神様は今どこか行っちゃっていないんだったね...

 行き先とかもこんな全くの地形すら分からない洞窟だから、行き先とか全く検討もつかないから、ここから動く訳にも行かないしな。


 まあ、とりあえず暇だし眠ろう...。

 女神様のことだし、どうせそのうち帰ってくるでしょ...。


 ...


 .....


 ―――ふぁ...

 よく寝た気がする...。

 思ったより、地面が固かったけど不思議とそれなりに寝れたな。


「女神様、おはよ...」


 ...あれ、女神様がいない!?

 いつもだったら女神様は見える距離にはいたはずなのに、全く見当たらないし、しかもここって洞窟...?

 ...あっ、そういえば今は洞窟を探索してるんだったっけ?

 それにしても、女神様の帰りが遅い気がするな?

 流石に試練を受けてるにしても、クリアしても失敗してたとしても、そろそろ帰ってきてもいいんじゃないかな?


 別に自慢じゃないけど、結構深い眠りについていたから、かなりの時間が経過したはずなんだけどな...。

 ...もう少ししたら帰ってくるかな?

 いや、流石にもうそろそろ帰ってくるでしょ?

 女神様ってかなりの方向音痴だから、道がわからなくて、断念して帰ってくる可能性高いから、もうそろそろ帰って来てもいいはずだけど...?


 ...?

 なんか大事なことを忘れてる気がするけどなんだっけ?

 今、結構違和感があったんだけどな、でもその違和感が何かよく分からないな...こういう事って時々あるよね。


 ...そういえば、女神様は方向音痴なんだよね?

 ってことは進行するべき方向と逆向きに進んじゃったとか、そもそも、広すぎて方向感覚結構狂うし、せめてちゃんとした方向に進めてるのならいいんだけどね?

 ...ってか一人だと、道に迷って僕がいるところに帰ることができないんじゃないかな!?

 しかもやばいのは、本人は方向音痴を自覚してないだろうから、このままだとここに戻ってこれない可能性がたかい!


 ...これは完ぺきにやばいな、手遅れになる前に今すぐ探さないと!

 ...とはいったものの、そもそもどこを探せばいいんだ?

 ここから全体を見渡しても、見えてくるのは同じ光景で、あとは先の見えない暗闇しかないし。

 ...つまり、どっちに行けばいいのかが全くわからないために詰んだね。


 ...あれ?

 そういえば、さっきまでは後ろの方には入り口があったはずなのに、今は全くもって綺麗に無くなってる!?

 周囲を見渡しても、特に入り口っぽいものもないし、入り口から差し込んでくる光の気配もない...。

 これだと、本当にどこに行けばいいのかがわからないぞ?


 仮に僕がここからどこかに行っても、そもそもここの場所が分からないし、目印となるものも消えてしまった以上下手には動けない...。

 動いたら完全に道に迷い、なんにも出来なくなるけど、動かないと女神様はほとんどここに帰ってこない可能性が高いし、女神様とはぐれた時点でもう詰んでいたのかもしれない。


「そんな...洞窟がこんなに危険なところだなんて知らなかった...」


 これは...もしかしたら詰んだのかもしれないぞ...。

 ...そうだ!地面に文字を書いて進めば、迷うこともないし、女神様を救出しても元の場所に戻れる...!


 早速試しに地面に文字を書こうとしたのだが、その期待は一瞬で無くなった。

 そもそも、ものすごく巨大な力の魔法でも地面に傷1つ付いていないのに、指で地面をなぞっても、全く変化はなかった。


「...この洞窟は土でできてるはずなんだけど、どんだけ力を加えても全く変化ないし、まさか、これがこの洞窟の1番怖いところなのか...?」


 出来ないことをいつまで続けても仕方ないし、今のうちにこれだけは決めておかないといけないかな。


 女神様を助けるためにここを離れるか、女神様を信じてひたすら待ち続けるか...。




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