敵前逃亡
バイトを始めて、仕事の大変さを学びました.
とりあえず、かなり遅れてすいません...
――――はあ...
......
はあはあ...
さすがにずっと逃げ続けるのはきついな...。
兵士たちから逃げたあの時から何分逃げてることかは正直わからない。
正直、兵士たちは僕より遅いから、特に追いつかれそうとかそういうのはなくて、余裕で逃げ切ってるはず...だけど、すぐ増援が来るから、ずっと走り続けてて、少し辛いかも...
しかも、この辺りの地形とか分からないし、人は多いしどっち行けばいいかがわからないからんだよ?
そんななかを逃げるってのが頭を使って疲れたんだけど...
てか、こんな世界めちゃくちゃ理不尽じゃないかな?
そもそも、僕は記憶を失くしてる...いや、思い出せないという方が正しいかな?どっちでもいいけど、とにかく今結構辛い状態なんだよね。
それなのに何故か捕まえられそうになってる...流石に不幸の連鎖は辛疲れるな...。
ちなみに自覚症状がないだけかもだけど、一応僕は何にもしていないのだよ?
思い当たるとしたら、僕はBBAを少し罵倒しただけだし?
実際、言われても傷つかない様にものすごく優しく煽っただけだし?
でも、BBA罵倒されて結構喜んでた...気がするから、多分これで訴えてくる事はないだろうし...。
―――え?
実際は殺されそうになってた様に見えるって?
いや、それは絶対に気のせいでしょ!
...うん、気のせいなはず。
...まあ、仮にBBAが怒ってたとしてだよ?
僕はそれでもBBAに殴られているわけだし、僕が先に手を出していたとしても、別に僕は悪くないは!
だって、暴力なんてダメでしょ?BBAが暴力を振るったその時点でBBAの方が悪いことをしている=僕は悪くないはずだ!
とにかく、悪いことは全くしてない訳だが、もうひとつあるとするのなら、服屋さんに入って鏡だけ見て出ていくと言う冷やかしはしたかもしれない...だが、それだけで捕まえようとするのは頭がおかしいよね...。
けど、記憶を無くしてるせいで、それ以前の記憶がないんだよね?
それで、記憶を無くす前は犯罪者だったとかはわんちゃんあるけど、僕にはそれを確かめる方法もないしな...。
まず、そこが問題じゃね?
つまり、どうしようもなくね?
だけど、一つだけ分かったことがある!
僕を捕まえろって言った人はその場から動かずに、身分が下の兵士に追いかけさせてるんだぜ?
つまり、下級兵士=そこまで強くない、つまり何かしらこの情報を使えば何か出来るはずだ!
―――どうする?
1:賄賂を渡して見逃してもらう。
2:無実を証明する。
3:煽って相手にストレスを与える
実際、この選択肢はどれもまともなやつしかないからどれ選んでもいいんだけど、どれも成功率は変わらなさそう。
正確に言えば、どれをやっても効果はありそうだ、我ながら天才過ぎないか!?
だってさ?
煽っても相手にダメージ確定で入るから、そのうち倒せるかもしれない!
賄賂でも、所詮下級戦士だから逃がしてくれるでしょ?
無実を証明しても、僕ほどの天才の演技力なら絶対に無実だとわかってくれる!
ってことは、とりあえずどれ選んでもいいってことだけど、それを実行する前にやるべきことがあるんだよね!
どの作戦をするにしても、とりあえずは一回止まらないとできないだろ?
だから、一回きゅうけ...いや、1回走るのをやめよう!
...なに?
僕がただ疲れただけじゃないかって?
べ、別に疲れたわけじゃないけどね?
だから、疲れたわけじゃないんだからね!
あくまでも話し合うためにとまるだけなんだからね!
...ってか、僕は誰と話してるの...?
まあ、細かいことは置いておこう!
とりあえず一回走るのをやめる。
そして、言葉から口から出す。
...言い直そう、口から言葉を出す。
「あの、兵士さん少し話し合いましょ?ここままだとお互い時間を無駄にするだけですよ?」
せっかく提案してあげたのに、兵士たちはそれでも走ってくる。
...何故なんだろうね?
まあ、確かに僕の行動には少しだけ問題があったとは思うけどさ?
確かに兵士たちとの距離はかなりあるよ?
だから、僕が言った言葉が群衆の声でかき消されるのはとうぜんと言えば当然だろうけどさ?
それでも人の話を聞こうって努力はするべきだと思うんだよね?
しかし、兵士は僕が止まったのを見ると少し安堵の表情を浮かべてゆっくり近づいて来たんだけど...。
なんか壊したくなる笑顔だなー...
やっぱ、面白そうだからもう一度走り出そうかな!
確か、走った後に少し歩いてから走るってのは筋肉を大きく使うため、かなりきついって聞いたことがあった気がした!
つまり、これで兵士達にかなりのダメージ与えられるんじゃね?
やっぱ僕は天才であり、これはいい作戦だ!
早速やろう!
...
いや、これやったら僕も兵士と同じようにかなりのダメージ受けることね?
...やっぱやめよう!
僕の頭が良くてよかった!
ここまで頭が回る人って僕以外にはいないでしょ!
...しかし、こんなことをしている間、重大な問題があったのだ...。
この時、本当は気づくべきだった...
いや、気づけばよかった...
逃げてる道が、よくよく見ると最初の方に通った道だと...
後々に反省してみたけど、まあ、実際この場所を知らないから、そもそも、最初の方に通った道とか初見でわかるはずがないから仕方ない気もするけど...。
それでもこの問題を少しでも懸念しておくべきだった...。
ストスト...ストスト...
なんか変な音が聞こえる...
この音だけは、なぜか、群衆の声を無視してはっきり聞こえてくるんだけど?
でも、どこかで聞いたようn...
...
次の瞬間、いきなりダメージを頭にくらい、僕はしばらく気を失った...
...
.....
こうして、夕暮れの中での逃亡劇は幕を閉じた...。
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...ここはどこだ?
目が覚めた時には暗い空間にいることだけは鮮明にわかった。
辺りが地味に暗いので、見にくいが、それでも見える物もある。
目の前に見えるのは、石造りの壁と、鉄格子。
それと、3人の兵士。
...ここは天才名探偵である僕が名推理をしよう!
現在牢屋の中に入れられてると思われる...なぜなら、見張りの兵士がいることと鉄格子があるからだ!
自分で言うのもなんだけど、見事な名推理だ!
そんなことが分かるなんて、頭が良すぎる!
もうここまで来ると、頭が良すぎて辛いよ!
そして、どうして気絶してしまったのかも推理しよう!
多分だが、目の前の光景に目を奪われていて、背後から近付くもう一人の仲間に殴られて気絶してしまった。
その後、薬を飲まされたかなんかで目が覚めたら...牢屋の中に入れられていた。
...
でも、なんか違う気もするな...。
まあ、名探偵は一回置いといてだよ?
牢屋...まあ、その事より、自分を拘束するための道具があまりにも豪華?ってより、かなり厳重にされてるのが気にくわない気がするな...。
捕まったけど、特に思い当たる罪もないし、自分の記憶もないからな...。
そして、服はなんか白と黒の服から、無地の普通の黒い服に変えられているし...!?
なんだと?
服が変わってる!?
今までダサい服だったのに...?
この瞬間、色々なことが脳裏に浮かぶ...。
僕の服を脱がした人はこっそり僕の大事なところとか見てないよね?
大事な所を抵抗できずに見られたなんて....!?
ってか、この服普通前来てた服よりかっこいい!この服選んだ人ナイス!
この服絶対高級品じゃん!
着心地いいもん!
この服、前の服より軽い!?なんて良いものを着せてくれるんだ!
しかも、この服生地が伸びる!
つまり、どういうことか...ものすごく動きやすい!
もしかしたら、牢屋の中の生活って楽しいのかな?
いや、これはきっと楽しい!
もしかしたら、牢屋って名前はあれなだけで、実は天国なのでは?
いや、天国って死んだあとの所じゃん!
僕はなに言ってるんだ!?
それだと僕が死んでることになるじゃん!!
―――いや、一回冷静になろう。
よくよく考えれば、僕がここまで厳重な設備に入れられるってどう言うことだ?
警備員が僕だけのために3人もついているだと?
しかも、3人とも何にも話をしていない
気まずいのか?警備員って仲良くないのかな?かわいそうに...。
なんだかんだ言いつつも、結構丁重に扱ってくれてるのならむしろ喜ぶべきなのかな?
そもそも僕はなんの罪をおかしたんだ?
何度も考えるけど何にもしてないけどって答えしか出てこない。
記憶をなくす前になんかしたとか?
とりあえず聞いてみよう!
「ねえ、僕って何をして捕まってるの?」
警備員は答えない。
なるほど?
つまり、しゃべれないコミュ障タイプの人間か?
「無視されると傷つくんだけど...せめて何か面白いことでもいいからしてほしいんだけどさ?ってか、暇なんだけど?設備とかはいいよ?服も高そうなやつ選んでくれてありがたいけどさ?」
やはり、返事はない。
これってもしかして集団いじめ?
特定の人物の話を無視するっていう子供の頃になんかやるやつ?
...いや、そういうことは子供で卒業しろよ...
...いや、もしかしてみんな黙ってるってことは、警備が暇だから警備員達は遊んでるとか?
最初にしゃべった人が負けとかっていうゲーム?
「しゃべっちゃ行けないゲームやってるのなら僕も入れて!じゃあ、今からスタートね!あ、スタートねって言ったけど、[ね]はカウントしないでね?おけ?オケね!じゃあ、スタート!」
なんか警備員が冷たい視線を向けていた気がするけど、僕はよく勘違いをするタイプだから、きっと冷たい視線を向けられているって感じたのは気のせいだ!
多分、かっこいい!って目で見ただけだ!
まあ、ゲームはゲームだから、黙るか!
しばらく黙り混む。
...
多分1時間が経過した。
暇だね?
こんなに暇なのは初めてなんだけど?
ってか、僕って何歳だっけ?
青年って言われたような記憶があるような...。
することがないと眠くなるなー...
とりあえず、なんか眠いし眠ろうかなー...
―――――――――
「――――――と...い....よ............て......き......えん.....」
うん?
誰かしゃべってる?
まだ眠たいんだけどなー...
僕は何時間寝たかはわからない。
だけど、とりあえずどうしようかな?
1:話だけを聞くことにする。
2:話に入り込む。
3:眠る。
あれ?
そんなことよりもさ?
僕は賢いから気がついた!
喋っちゃ行けないゲーム、喋った人負けじゃね?
ってことはあと僕を含めて3人じゃね?
思ったより警備の人弱いな!
悪いね!こういう勝負に強すぎて!
...
どうでもいいけどガラガラって音が聞こえるのは気のせいかな?
地味に音がでかいんだけど?
目を開けるの怖いんだけど?
これって、何が起きてるの?
「起きてください。起きてください!勇者様!」
ごめん、目を開けると恐怖を感じて死ぬとかありそうだから...
ごめんね!
もちろん目は開けない!
死んでも開けるもんか!
「目を開けてください。勇者様!」
うん、完全に恐怖を与えてから人を殺すような感じがする...
逆を言えば、目を開けなければ死なないことね?
ふっ...
僕が天才過ぎて辛いよ...!
これ、勝ったわ!
...
天才な僕は気がついたけどさ?
これ、目を開けないと怖い時間が長引くだけじゃね?
仕方ない!
勇気を出して目を開けることにしてやろう!
「まぶしっ!」
急に目を開けると、光が僕の目を焼き付ける...
これ、拷問か?
まあ、すぐに目を閉じたけどさ?
「勇者様!?大丈夫ですか?」
...
この話し方、多分悪気がないと信じたい...。
もう一度だけ目を開けよう!
目の前には女の人がいる。
うん?この人(見た目は少し小さい。そして、全体的に光ってるような雰囲気があるような人)なんか、服装が豪華だね?
「お目覚めになられましたか?勇者様」
これ、僕が勇者ってことだよね?
まあ、自信を持って答えてあげよう!
「その通り。僕が勇者だ!」
「いや、知ってますけど。起きてすぐで悪いのですが、私の名前はタキネです。この国の女王を勤めています。どうかお見知り置きを。」
女王が挨拶にくるって何かあったのか?
ってか、勇者を牢屋?に閉じ込める女王ってなに?
勇者に怨みでもあるのか?
とりあえずこの人を要注意人物として心のなかで覚えておくか。
「とりあえず、牢屋から出してもらえない?」
「―――少し待っててください。」
なんか、どっかいってしまったんだが?
そのままどっかに行ってしまうってのは放置されるってこと?
出してくれないの?女王ってケチなの?ってか、本当に僕ってなに?
...
しばらくすると女王は戻ってきた...。
「わかりました。警備の者。拘束具を外しなさい。」
まあ、なんとか出してもらえた...
「とりあえず王にあってもらいます。キョウヤ様。よろしいですか?」
名前間違えてね?
キョウヤって誰やねん!
いや、真面目に誰?
可能性的には、僕が自分の名前を間違えてるか、キョウヤって人が僕と別人か、だね!
どちらにせよ、ここで僕が自分の名前はカケルだと思うんですけどっていうと、このまま永遠に牢屋説もある...。
こういうときはどうするか知ってるか?
教えてあげよう!
こういうときはな、その日との名前を頂いて生きていくのさ!
これからキョウヤとして生きていくことを心に誓った瞬間であった!
...
とりあえず、王に会わないといけないらしい…
めんどいけど、会わなければ話が進まないって言う大人の事情で会うことにした。
牢屋から出るとき、なんか屍(死体ってより屍の方がかっこいいからわざわざそう呼んでるのは多分気のせいだ!)とかあったりしたけど、そこは気にしないでおこう。
きっと、悪いことした人がいたのだろう。
まあ、そんなことよりも気になったのがさ?
かなり厳重に施錠された扉だ。
まるで何かを閉じ込めていたような形跡がある...。
まあ、よっぽど悪い人なんだろうね。
牢屋を出ると、今度は廊下にでたようだ。
無限に続きそうな廊下だなー。
よく迷わないよなーここに住んでる人は。
ってか、ここ、何階?今、隣にいる女王と何話せばいいの?多分僕の記憶上初めて話す女の人(BBAは含めない)が、女王なんだよなー。
こっちから話せと言われても、記憶なくしてるし、話題がないなー。
ってか、真面目に廊下ながっ!?
ずっと廊下しかみえないんだけど?
そんな感じで進んでいたはずだった…しかし、
悲劇というのはどうやら、僕の事を好きなようだ...。
少し、文章が増えているのは多分、あなたの気のせいです....