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王宮殺人事件 中編

もしかしたら、この主人公は薬を飲まされ、目が覚めたら記憶を失っていたのかもしれない...。


今回は、会話が地味に多いです...。

 さて...

 かなりやることが多くなったぞ?

 僕も頭がいいとはいえ、流石にこの難題を解決できるか?

 だって、王様が死んでいた瞬間に一番近くにいたのは僕だよ?

 だけど、殺してないってのを証明できるか?


 まず、やらなければいけないことは、自分が犯人じゃないと証明すること。

 そして、ホムラって人の近くにいた兵士が嘘の証言をしてるってことをギャラリーの方々に証明すること。

 そして、王様が誰に殺されたのかを推理すること。


 この3つを推理できれば、犯人も特定できるし、その他も楽だ!

 まあ、別に3つめは推理できなくても別に問題はないんだけどさ?

 ...それにしてもだよ?


 うーん...

 ここまでくるとさ?

 普通に名探偵の仕事じゃね?

 僕は普通の冒険者なんだよ?

 まあ、僕は頭がいいからこの程度の事件など余裕で解決してやるけど!


 ってことで、今の状況を整理しよう。

 今の状況は、ギャラリーの方々は僕を犯人だと思ってるんだよね?

 だから、手錠を掛けられていると。

 発言権はあるけど、動くとなんか疑われそうだから、言葉だけで無実を証明しないとか...。


 そういえば、嘘の証言をした兵士って何であんなに信用されてるんだろ?

 この街の兵士だからか?

 実際に、王様殺害の凶器である聖剣ブレイズを僕が、夕方に持っていたって証言を崩さないと絶対に僕が犯人確定だろうよ...

 とりあえず、兵士の一方的な信用を落とすことも作戦としてはありなのかもな?


 ...


 あれ?

 思ったより簡単に無実を証明できるんじゃね?

 しかも、嘘の証言をした兵士のことも解決するんじゃね?

 正確に言えば、この兵士の証言のおかげで解決するんじゃね!


 ってことで、実行だ!


「1つ、この事件だけど、僕の無実を簡単に証明できそうだぞ!」


[「なんだって?」]


「いや、俺は確かにお前が聖剣を持って歩いてる姿を見たんだ!その事実がある限り、お前は殺人者だ!」


 おいおい、そんなこと言って大丈夫か?

 嘘をついている兵士を今こそ論破してやる!

 覚悟しろよ!


「あれれ?1つ聞いていい?僕が聖剣を持ってるってのを見たのって大体いつぐらいだったかな?兵士さん?」


「それは、夕方だ!はっきり見たぞ!持ってる姿を!」


「ふーん?だったら、君の証言は嘘の証言確定だね!だって、僕はホムラって人から剣を貰ったんだよね?この剣で王様を倒してくれって!」


「それがどうした?それは、お前が勝手に剣を盗んだだけだろ?それがどんな無実に繋がるんだ?言ってみろよ!」


 ふふふ!

 今のは死亡フラグだって、気がついてないのか?

 兵士さん?

 汗かいてますよ?

 余裕がなくなってきたのですか?

 まあ、それも仕方ないな!

 相手が僕だったのが運の尽きだな!


「兵士さん?かなり焦ってますね?まあ、じっくり証明してあげましょう!夕方に僕が剣を持って歩いてる姿を見たって言ってきましたよね?ですが、僕はなんということでしょうか!その聖剣を売ってしまったんですよ!昼ぐらいに!なんなら、売ったっていう証明書が剣を売った店に置いてますよ?確認しますか?」


 ギャラリーがざわざわしだしたぞ?

 この勝負僕の圧倒的な勝利じゃね?

 悪いな!

 僕は頭がいいからな!


 とりあえず女神様にピースサインしておこう!

 イエーイ!

 兵士もかなり動揺してるぞ!

 この勝負、勝ったぞ!


「そ、それは...あ!ごめん!俺が見たのはお前じゃなかった!別人だ!」


「ふははは!」


「何がおかしい!」


「いやいや、墓穴を掘ったな!聖剣っていうのは各1つずつしか存在しないのだぞ?それを他の人が夕方に持ってる姿をみただと?つまり、それはあり得ないのだよ。なぜなら、買い取った直後にその商品を売る武器屋はいないだろ?つまり、夕方に聖剣を持ってる人がいたという君の証言は矛盾している!」


「ぐふっっっ」


 よし!

 この勝負、僕の無実が証明されたぞ!

 悪いな!

 頭が良すぎて!


「さあ、皆さん拍手をお願いします!」


 ...


 誰も拍手をしてくれないんだけど?

 泣いてもいい?

 よし、目薬を使って泣いてやるからな!

 せいぜい微妙な空気を楽しむがいい!


「ふはははは!」


 うん?

 ホムラが笑いだしたんだけど?

 何があったの?

 急にわらいだすって怖いよ?


「どうしたの?なんかあった?」


「ふふふ!いやいや、この兵士はきっと昨日、私が聖剣を持ってる姿を見て、勘違いを起こしてしまっただけでしょう!よって、この兵士の発言は間違っていました。つまり、あなたは無罪ではありません!そろそろ捕まってもらえないだろうか?」


 ホワッツ?

 え?

 今頃発言を取り消すの?

 ずるくない?

 いや、ずるすぎる!

 そんなの卑怯だ!


 ってか、この事件だけど、最低でもホムラが何かしら握ってるよな?

 だって、いちいち僕を犯人に仕立てあげようとしてくるんだぜ?

 流石にこれはホムラが犯人でもいいレベルだぞ?


「そうやって自分の都合が悪くなったら取り消すのか?正直今ので多少お前達に信用がなくなってしまったな。今からは、証言を取り消さないように、人間を犯人だとする証明と自分が犯人ではない証言を1つずつ書いていってもらう。いいな?」


 女神様が初めて有能だ!

 まさか、こんなに有能だと感じたのは初めてだ!

 ヤバイ!

 撫でてもいいレベルだぞ!


 まあ、撫でたらロリコンって呼ばれるだろうけどさ?

 だから、絶対に撫でないけどさ!


 まあ、こうして、僕を犯人だとする証明とかが書かれた...。


 ・王様の部屋に入ったときにそこに容疑者とされる黒髪の青年がいた。


 ・凶器は、聖剣ブレイズだと思われる。


 ・黒髪の青年の手に血液がついており、その手形が、王様の胸にある手形と一致。


 ・私たちはいつも通りこの屋敷の巡回をしていた。証人はこの二人。


 なるほど?

 これが絶対の証拠か...。

 ってか、王様を倒せって言われて入ったけどさ?

 僕が入ってから、すぐにホムラ達はここに駆けつけて来たんだよね?

 これって絶対に偶然ではないよね?


 次に、手形と一致か...

 それは、普通に王様の体を普通に触ったからなんだけどさ?

 いや、なんか王様倒そうって頑張って叩いてたらヌルッってしてさ?

 少し王様の体を触ったときについたってことだよね?


 ...


「僕も確かに王様を倒そうって思ってこの部屋に入ったんだよ?まあ、僕はホムラに倒したらお金とか、王様になる権利をくれるって言われたから実行したんだけどさ?」


「勝手に捏造するな!王様を殺しやがって!お前だけは絶対に許さないぞ!」


「...一応聞いてもいい?ホムラって多重人格ではないよね?みんな。時々異常にホムラの性格が変わるとかってないよね?」


「そんなことは今までなかった。俺が証言してやろう。」


 なるほど。

 つまり、分かったのはホムラは、多分王様が死んだことを怒ってるような演技をしてるってことだよね?


 でも、この事は僕にしか分かってないし、そもそも僕が証言しても効果が薄そうだ...。

 ってことは、どうするべきだ?


 3vs1の状況で、しかも、この街の兵士達が証言してることの方が圧倒的にギャラリーからすれば、信用しちゃうよな...

 つまり、味方がいないからな...

 ここからどうやって逆転するべきだ?


 ...


 また冤罪を掛けられたまま終わるのか?

 前のように逃げれるか?

 僕には逃げることしか取り柄がないんだぞ?

 しかも、記憶がないから、自分自信もほぼ分かってないし...


 いっそこのまま逃げるか?

 逃げた方が絶対にいい気がするぞ?

 自分は悪くないのに、冤罪を掛けられても、実際真実に気がついてくれる人なんて、少ないのだぞ?

 自分の力だけで本当に無実を証明できるのか?


 あのときも一応は頑張ったけど、無理だったぞ?

 そもそも、人の話を聞いてくれなかったぞ?


 ...


 いや、このまま終わるぐらいなら、せめてできるだけはしよう!

 どうせ今のままだったら、犯人確定だろ?

 それに、前と違って話は聞いてくれるんだ!

 だったら、すぐさま状況を逆転させて見せる!


 一気に逆転するのではない!

 少しずつ、相手の矛盾を暴いていくのだ!


「普通に僕を犯人確定で見てるようだけどさ?僕以外に犯人がいたって説はないの?」


「それはない。王様を見てみろ。まだ血が乾いてないだろ?つまり、殺されてから30分以内と考えられる。それに、お前はそもそも、鍵が掛かってる王様の部屋に入ったんだぞ?」


 血が乾いてないのは確かにだよな...

 王様は布団が足の方にも掛けられていて、何故か胸の部分だけは掛かってない状態だしな?


「それよりもだ、そもそも、王様と俺しか王様の部屋の鍵は持ってないはずなんだけど、その鍵がなぜか手元から消えてるんだよね?これで、お前が持ってたら犯人確定でいいと思うが?」


「いや、君がこの鍵を渡してきたんだろ?王様の部屋の鍵だって言って。これで殺してこいって。」


「お前!鍵を持ってるな!お前ら!こいつが犯人確定だ!今も俺に罪を擦り付けようてしてる辺り、確定だろ!」


 あ...

 今気がついたが、最初から計算されてたのか?

 鍵を渡された瞬間から僕に罪を擦り付けようってのはもう決まってたのか?


 ...


 この殺人事件...

 僕の無実を証明するのがかなり難しくなってきたぞ?

 最初から計算されてた式をぶち壊す裏を見つければ、楽だろうけど、ずっと模索したけど一向に見つからない。


 このままだとヤバイ!


「じゃ、じゃあ凶器はどこだ?そもそも、王様を刺した凶器がないぞ?」


「それが、さっきベッドの下に見つけたんだよね、凶器が。見てくれよ、ここにあるのは血のついた聖剣ブレイズが落ちてるぜ?」


 ...


 僕が持ってた剣がなぜそこに?

 どういうトリックだ?

 完全に僕が犯人ですって状況になってしまったぞ?


 ...


「...人間には悪いが...これは流石にお前が犯人しか、無さそうだ...諦めて捕まってくれ....もし、自白をすれば、罪は軽くなるからな....」


 女神様が哀れみの目を向けている気がする...

 違う!

 僕はやっていない!


 だけど、証明ができない...

 犯人は分かってるのに...


 どうしてなんだ!

 僕がなにか悪いことをしたのか?

 記憶もないし、逃げ足が早い以外の特技もない。

 魔法も使えない...。

 どうして、こんな残念な状態で生まれてしまったんだ...。


 もうこんな世界いやだ...

 いっそのこと自首をすれば、罪は軽くなると...。


 何にもやってないのに、無実なのに...


 どう足掻いてもどうせ逆転はできないと思う...。

 どうせ、濡れ衣を着せられて捕まるんだ...


 それなら僕は....

.......

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