始まりの日
...
なぜこうなった...。
やはり何度考えてもそう思う...。
...いや、本当に僕が何をしたんだよ!!
後ろから何人も兵士が追いかけてきてる...しかも標的はどうやら僕のようだし、しかも兵士たちは息切れしてて辛そうなのに、どうして諦めないんだ!?絵本とかの主人公か何か!?
ってか、よくよく考えると追いかけてくる人足遅すぎ!
どうしたらそんなに遅く走ることができるのか僕には理解出来ないんだけど?
それに、僕はまだ本気を出してないんだけど?
もっと早く走らないと僕に追い付けないぞ!
「遅すぎだよ!その程度の力でよく追いかけようって思ったね?逆に尊敬するよ!えらいでちゅねー!」
当然煽りを時々入れるのを忘れない!
煽ることによってメンタルダメージを与えて、追いかけさせるのをやめさせる!そうすれば、この面倒い鬼ごっこを終わらせれるんだ!
そう、僕は頭がいいからな!こんなことが浮かんでくる天才はなかなかいないぞ!
...しかし、いくら煽っても兵士との距離がありすぎるためにその言葉は実は届いていない...。
つまり、街中で赤ちゃん言葉を使うやばい人と、辛そうな兵士達が走ってるだけの誰得状態である...。
そして、永遠に続くと思われる平行線の鬼ごっこは続く...
...
少し時間をさかのぼろう...。
―――――――――
「まぶしっ!」
気がついたら、眩い光が目に流れ込んできて、かなりのダメージを受けてしまったようだ...
ここで重要なのは[かなりのダメージ]だぞ?
尋常じゃないほどのダメージってことだぞ?
僕ものすごく痛かった!誰か、優しく手当してくれないかな?
...
まあ、本音を言えば別に言うほどダメージを受けてないんだけどさ?
とりあえずは、目が光に慣れるまでは目をつぶっておこう。
...
一瞬、目が眩みつつも慣れてきてまわりを確認すると、そこにはたくさんの人がいる...
食べ物?や家具?を売ってる店?等がある辺り、多分商店街?みたいなところかな?
人が荷物を運んでいたり、買い物をしていたりするが、どうやら立ち止まって、呑気そうに辺りを見渡してる人は僕以外にいなさそうだね?
それぞれが己の目的をもって行動している...と思われる。
しかし、少し不思議だよね?
猫みたいに耳等が生えた亜人や、僕と同じ人。
それらの人間のほかに、馬などの人間の言葉をしゃべれない動物族。
それらが、普通ならこの辺りにはたくさんいるんだけどさ?
この周囲にはさ?
動物族は結構いるけどさ?
亜人がこの辺りに全くいないんだけど?
普通、亜人の方が人よりも多いはずだから、流石に1人は居てもいいと思うんだけど、亜人が1人も居ないんだけど??
なんでかな?
まあ、そこは一回置いておくとして、ひとつだけ思ったことがあるんだけどさ?
なんで僕はここにいるの?
いや、これだと言い方が間違っているかな?
自分はどうやってここに来たの?
最低でも、こんなところに来た事があるという記憶はないよ?
だってさ?
来た経緯すら思い出せないんだよ?
いや、そもそもこういうことってどういうこと?
とりあえず、こういう時こそ自分の事を整理しよう!
僕の名前は...あー...えーと...カケ何とか?だった気がする。出身地はどこだったかな?
思い出そうとしても、名前以外の情報が全くと言っていいほど浮かび上がらないんだけど?
あれ?
待てよ?
そもそも僕の家族構成は?趣味は?職業は?顔は?
何にも思い出せない!?
.....
これっていわゆる記憶喪失ってやつかな?
...
記憶喪失だけどさ?
亜人と人の区別とかはできる辺りさ?
多分、地名とかそういうの限定で忘れたっぽいんだけど?
...
こういうときこそ、焦っては行けないと思う。多分!
とりあえず、まず掴むべき情報があるはずだ!
そもそも、ここはどこなのか...それを掴むべきだと思う!
なぜかって?
だって、自分の場所を分かってないと不安じゃね?
いきなり知らない事をさせられて、上手くいくと思う?
僕なら上手くいくけど、僕以外には無理だ!
まあ、別にこの際自分の記憶がないことはどうでもいいけどさ?
自分はこのままボーっとしててもいいんだけどさ?
なんか、やることないと暇じゃん?
べ、べつにかまってくれる人がいないから寂しい訳じゃないんだけどさ?
みんなが誰かと一緒に歩いてるのを見て、寂しかった訳じゃないんだからね!
あくまでも、暇だったからだし!
だから、情報収集でもしてやるよ!
本当に仕方ない!
さて、ターゲットは一人で歩いてる僕とどうるi...いや、僕と同じ力を持つに値する人物じゃないと!
ちょうど道端に通りかかった緑色の髪の毛のおばさん?に聞いてみる。
「すいません、ここはいったいどこですか?」
おばさん?はその言葉に驚いたように振り返ったんだけど...?
そんなにおかしいこと言ったかな?
「え?あれ?あ、もしかしてあなた記憶とかがないの?頭...大丈夫?」
なんか殺ピーピーしたくなったのは内緒だ...!
...しかし、このおばさん?は人の心が読めるのか!?
少し場所を聞いただけで記憶喪失とか、もし、記憶喪失じゃなかったらただの暴言にしかならないぞ!(もう暴言を言われてるのは別として)と言いたい心を半分ぐらい押さえて、顔を覚えたからな!と、心のなかで唱えてから話を続ける。
「よくわかりましたね、でもそんな事どうでもいいので早く場所を教えて下さい」
「ここは、魔王討伐で一番活躍した街、[オノデレイス]よ。この街を知らない人間なんて頭おかしいから、つい、記憶あるか聞いちゃったわ!!記憶なくしたんでしょ、親切で優しいお姉さんがこの街を案内してあげるわ!二人きりでね!その方が記憶が戻るかもしれないし!」
この人、自分が何歳かわかってないんじゃね?と思ったけど、一応口には出さない。
実は、鏡を見たことがないのか?鏡を買って自分の顔を見ることをおすすめするよ!ってまで考えたことは内緒だ!
まあ、僕も優しいから言わないけどさ?
だけど、暴言言われた人と話したくないのは当たり前だから、これ以上話したくないので作戦を考えよう!
A:素直に従う
B:逃げる
C:相手をイラつかせて、帰ってもらう
こんなところ...かな。
まあ、この中の選択肢だったら迷わず一択だよな?
僕は迷わずCを選ぶ!
「おばさん、あんた何歳かわかってる?自分の事お姉さんだと思ってるなら、僕より頭悪いよ?大丈夫?病院案内しようか?それとも鏡で自分の顔みたら?ばーかばーか」
こんだけ煽れば帰ってくれるはず!
僕がおばさんの立場ならぼこぼこにしてるが、まあ、この人頭悪そうから帰るでしょ!
...しかし、この後そう思った僕がバカだったと自覚する...
「せっかく優しくしてくれた人にそんな事いっちゃうの?お姉さんおこっちゃった!いいわ、ズタズタにしてあげる!」
そういい放つと、おばさん(多分確定)は僕に近づいてくるんだけど?
手に力を入れているのはなんとなく分かったんだけどさ?
所詮おばさんだよね?
おばさんの一撃なんて絶対に弱いよね?
そんなものを避けるのは男なら絶対にダメだろ!
そう思ってたから、おばさんが殴りかかってきたとき、その攻撃をよけなかった。
いやさ、おばさんが力あるわけないじゃん?
...
普通にダメージを受けた。
いや、かなり痛かった。
ってか、痛すぎて少し泣きそうになったほどだ...
ってか、泣いた。
「ぐふっ...あんな身体にどんな力が...」
喧嘩か?みたいな声がどこかで聞こえた気がしたが、僕が殴られてる姿を見ていた人達も、どうでも良さそうにそのまま元の作業を再開しだしたようだ...。
これは、普通に僕はいじめだと確信した。
だって、いじめをされたときにさ、それを見て見ぬふりをする人もいじめじゃん?だから僕はおばさんと、見て見ぬ振りをした人間を許さない.. !
そうだな...次に出会ったときには、たくさん煽りまくってやる!
え?
おばさんを前に逃げるのかだって?
当たり前だろ!
こんな人の近くにいたら、命が危ないわ!
まあ、とりあえず危険人物は通報するべきだと思うけどさ?
なんか、通報するのってめんどいんだよね...
めんどくさいことをわざわざするほど僕も頭悪くないんで!
正常な判断ができる僕は、危険だから逃げることにした!
途中、挑発することを忘れない!
「暴力女~暴力する人間はモテナイよ?そして、おばあさんは家で静かにしてましょうねー。後、お口くちゃーい!」
「ぐぉるおすぃてやる!」
何言ってるのかわからないけど、なんか怖いから全力で逃げることにした!
最初は意外とおばさんが足が早くて焦ったけど、まあ、おばさんだから、体力が付きた挙げ句、どうやら転んだらしい。
...ダサいな!
まあ、運動神経は確実にこっちの方が上のようだ!残念だったな!
...その後おばさんに最後煽るか悩んだけど、実は怖くて煽らずにそのまま知らない道を逃げていたのは内緒だ!
...
しかし結構走ったよね?
まあ、その途中で人に何度もぶつかったけど何とか逃げきれたっぽいかな?
...いや、さっき言ったことは取り消すけど、僕がぶつかったのではない、相手からぶつかってきたんだ!
よって、僕は悪くない!
まあ、なんだかんだ言いつつ、もう少しだけ走っておこう。
だって、正直に言って少しだけ怖いし?
ってか、やはり亜人が一人もいないのは気のせい?
...まあ、どうでもいいか、どうせいつか出てくるだろうし?
...
まあ、これぐらい距離を離せば大丈夫かな?
一応予備のために後ろを確認したけど人が多くて何にもわからない...つまり、よく分からん!
まあ、めんどいから逃げ切ったことにしておこう!
とりあえず逃げ切った所で、あることに気がつく。
自分はそもそもここがどこかすら知らないから、もしかしたらおばさんに捕まる説あるんじゃね?
おばさんがこの辺りの地形に詳しければ、そのうちエンカウントしそうだな...。
それを避けるためにどこか安全な所に逃げるのが一番じゃね?
まあ、そんなところ...つまり安全地帯を見つけに行くか!
こういうのは気ままに探して、それっぽい店に行けばいいはず!
とりあえず、適当にさっき通った道の反対...普通にいえば進行方向へと進んだ!
...なんとなくぶらぶら進んでいると、僕は服の店の前にたどり着いた!
そういえば、多分記憶がないから自分の顔が分からないわけよ?
自分の顔は覚えていないし、まあ、確認しといた方がいいだろう...
まあ、顔を確認するついでに隠れれそうか確認しとこうかな。
そう思い、服の店に入った!
...
中には、店員以外の人がいない....。
まあ、とりあえず顔の確認が最優先事項だよな...とりあえず鏡でもみるか...。
鏡の前に立つ。
そこには、目付きは多分普通、髪型は右目だけ隠れるような髪型の右側が黒と左側が白の服を着た人?が写っていた。
この時、自分だと気づかずに、少しヤバい人だから関わりたくないなっておもったのは内緒だ!
その姿が自分のだとわかったとき、ある結論に達したよ。
僕は...中二病?だった説がある...多分記憶をなくす前は中二病が発病していたのだろう...そう思うと悲しいな....
ってか、髪の毛長いな...。
この長さだと邪魔じゃね?
とりあえず、髪の毛は切るべきだと察した僕は、とりあえず美容室かなんかを探そうと町をうろつく事にした!
今の時間は夕方だろうか?空の模様がなんか、赤色に染まっていく気がする...。
そういえば、お腹がすいたかも?
そんな事をおもっていると、ヒトダカリができていて前に進めないことに気がついた...。
人がここだけかなり集まってるね?
何かあるのかな?
もしかしたら、これって食事を配ってるイベントとかかな?
とりあえずヒトダカリの最前列に行ってみることにした!
地味に人が多いので、最前列に行くときはかなりの人にぶつかって、半分位溶ければいいのにと思ったのは内緒だ!
ちなみにこの時、人混みに紛れて人の財布を盗んでる人がいたが、まあ、めんどいし見なかったことにしよう!
さて、どんなイベントかなー?
お?
なるほどなるほどー?
どうやら、これから処刑される人をみるためにひとがあつまってるようだね?
処刑されるってどんなことをしたのだろうか?顔を確認してみよう!
そこには、髪は茶色、それと比例するような透き通った白い肌になんか、犬の耳?がついてる。顔は...ひどく殴られたように腫れ上がった女の子がいた。
ちなみに胸はでかくもなく小さくもない一般だった...。
おばさん(確定)よりも小さかったことにショックを受けたのはナイショだ!
正直、犯罪を犯すような感じの人間には見えないな...人生何があるかわからないな...
かわいそうにと思い、そこを去ろうとした時、
「その気配は...カケル様?」
自分は当然、振り向いた。
僕の名前を記憶が始まってから初めて呼ばれたんだよ?...まあ、記憶ないから、合ってるかよく分からんけど
でも、多分僕の事を少なからず知っている可能性がある!
まあ、初めてまともなことを話しかけてくれる人がいた!
喜びでにやけが止まらないけど、振り返ってみると処刑されるはずの女の子が涙を流してこちらを見ていた。
「カケル様、何笑ってるんですか...?いや、そんな事より早く逃げてください。じゃないと...また、あ、..う..ううん...うう」
なんか、女の子は何かを言う前に警備員?(処刑人かも)に口を封じられてしまったようだけど?
何かを伝えようとずっと目で訴えてるのだが、何が言いたいのかわからないよ?
ってか、関わるとめんどうな人かもだね?
とっさに少し距離を取っておいたのはきっと気のせいだ!
ってか、処刑する人?(警備員説ある)がなんか、こっちを見てるのは気のせいだよね?
「そこにいる青年を取り押さえろ!じゃないと、ここにいるものみんな極刑にする!逃したらここにいるもの全員命はないぞ!」
警備員っぽい人が大きな声で叫びだした!
普通にこっちの方角指してたけど、つかまる青年がここにいるのか。
やれやれ、犯罪者が多い町ってのは辛いな...。
仕方ない、あんまり暴力は振るいたくないけど、僕も協力するか!
そう思った時、何故か群衆が僕の身体を押さえてきた!?
「え?君たち、何やってるの?僕は何にもしてないよ。いや、1回は離して、ってか早く犯人を捕まえないと逃げられちゃうよ?」
「いやいや、お前が犯人じゃね?よくわからないけど、お前が犯人らしいから...とりあえず諦めて捕まってくれ。それと、お金とかだけは俺にこっそりよこせ!」
え??僕が犯人なの?なんかしたかな?おばさんには暴力振られた側だから、どちらかというと被害者側だとおもうが...
...ってか、何気なく今恐喝されてなかった?気のせいかな?
「カケル様、どうやら私はここまでのようです...私を置いて逃げてください!風の聖霊よ!私の力と命を糧とし、目の前にいるものをはるか遠くににぶっ飛ばしなさい:[エレメント・グランサイクロン!]」
...んん?私を置いて逃げろってなんか聞こえたけど、そもそも助ける気全くなかったんだけど...?
逆に僕が君を助けるように見えたの?
そんな要素一切なかったし、助けるとも言わなかった気がするけど...。
それなら、思い込み激しすぎじゃね?
1度病院行った方がいいんじゃない?
...あっ、今から処刑されるなら病院行けないじゃん!?
...まあいっか。
警備員が離れたため、女の子はなんか喋り、詠唱?(ただの中二病の可能性あり)みたいな事を呟いたようだ。
その瞬間僕の回りにかぜのうずが発生して、捕まれていた手を振りほどき、はるか遠くに飛ばされた。
ちなみに、結構痛かった。
(僕が中二病がだったとしたら、詠唱もっと長いんだろうな...)等と思いながら、ゆっくりしていると、やがて風のまほうが解けたようだ。
しかし、まだ追いかけてくる人間がいるようだ...とりあえず作戦的にどうする?
A:逃げる
B:戦う
C:さっきの処刑所に戻る
まあ、おばさんからの経験上Aを選んだ。
ふははは!
かなり距離を取れたため、みんな遅いぞ!
その程度で追い付けるとでも?
そのあと、後ろを見ながら走ってたために街頭にぶつかったことはきっと気のせいである!
周りの人たちがみんな振り向いて笑ったのは絶対に気のせいである!
この時、僕は気づいてなかった...。
この女の子が結構重要な人っぽかったこと。
緑色の髪の毛のおばさん(これから緑色のおばさんはBBAとする)が恐怖でトラウマになること。
そして、これから冒険が始まること....!!
おばあさんの怖さがどれぐらいかわからないだと?
そういう君たちのために、どれぐらい怖いかを教えてくれるゲームがある!
Grannyというゲームをやるのだ!
YouTubeとかで見るのではなく、プレイするのだ!
ちなみに、pcとスマホの両方でプレイできるぞ!