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思い通りの真逆

 ☆


 ...


 なんか、あっけなく勇者を倒してしまったようだ...。

 まさか、魔法をそのまま避けようとするとは...

 そもそも、魔法は思ったより早いのだぞ?

 それを避けようって思う人って何?

 しかし、何故エビルコーカ様はとどめをさせなかったんだろ?


 実際、狭い部屋で魔法を使っただけで倒したんだぞ?

 確かに、攻撃力はあったぞ?

 かなり、メンタルにダメージを受けたけど?

 でも、攻撃力はあっても、守備力はなかったぞ?


 少し、確かに早かったけど?

 まあ、一撃で倒す予定が、魔法を上手く避けてダメージを右腕だけにしたって所だけは評価できる。

 だけど、右腕が取れただけで気絶ってのも弱すぎるな?

 その程度の意思しか持てない弱小な種族だぞ?

 そんな種族にとどめをさせないってエビルコーカ様って実は弱いのか?


 まあ、魔族は力だけが全てではないから、一概に言えないけど。

 だとしても、魔族なら、ほとんどはすぐ再生させることはできるんだけどな?

 例え、体がちぎれようともな。

 しかも、その程度で気絶とかはしないしな。


 まあ、とりあえずまだ勇者は死んでないけど、とどめはエビルコーカ様に譲った方が誉めてもらえるはず!

 戦闘能力では、俺の方が強いが、頭はエビルコーカ様の方が回る!

 だから、エビルコーカ様に任せておけば何でもうまくいく!

 命令に従うだけだから楽だ!


 っということでエビルコーカ様の部下になってるんだけどさ。

 とりあえずエビルコーカ様は魔王四天王のなかで一番頭が回るし?

 まあ、素直に尊敬してるんだよね!

 だから、エビルコーカ様に褒められるのが一番うれしかったりもするんだよね...。


 褒めてもらうためにも、勇者を運ぶか!

 そして、いつかエビルコーカ様が、魔王様を越える時がきたら、一番の僕になるんだ!


 ...


 なんだと!?

 勇者が消えている!?

 いや、右腕は落ちてるけど勇者本体がいない!?

 まさか...まだ気絶してなかっただと?


 完璧に油断してしまった...。

 人間は基本的に能力も弱い種族だと思っていた...

 だが、そこまでの雑魚ではないようだな!

 いいだろう!

 今一度殺してやる!


 だとしても、どこに逃げたかはわからない...。

 この部屋は窓は鍵が中に付いてて、それがないと開けることはできない。

 そして、窓が開いている形跡はない...。


 そして、ずっと扉の前に立ってるため、扉から逃げることはないだろう...。

 だが、実際に目の前の部屋の中に勇者の姿はない...。


 ...


 いや、だとしても右腕の切り口血が滴ってるはず...

 それさえたどればどこにいるかはすぐにわかるはず...

 つまり、それをたどれば、どこにいるかがわかる!


 ...


 血のあとがない!

 そんな、どういうことだ!?

 いや、そもそも魔法で切断した右腕の周りにも血の形跡がない!?

 どうして気がつかなかったんだ?


 思わず、右腕のあったところまで行って確認したけどさ?

 なぜか知らないけど、血がそもそも、でてないんだよ...

 つまり、何故なんだ?

 人間は魔族と違って、血がないと生きていけないのではないのか?

 なぜだ?


 ...


 後ろから異様な気配を感じる...。

 なんなんだ!?

 この圧倒的な気配は?


 この気配は...

 どこかで感じたことがあるような...

 魔王様に似ている気配だが...魔王様の気配は単純な恐怖のみしか感じなかった...。


 だが、この気配は違う!

 恐怖も感じる...。

 だが、それとは他に、なぜか安心感がする...!?


 殺される!

 っていう恐怖のなかに

 警戒しなくていいよ!

 とでも言われてるかのような感じだ...


「よくもやってくれたじゃねぇか?ここまでやられたのは流石に俺もどんびきだがな?いや、お前が悪いよな?流石にこれは俺が消えてたかも知れないんだがぁな?どうしてやろうかな?」


 後ろを振り返る...

 そこには勇者の姿が...

 もちろん、右腕はない...。

 だが、右腕からは血は出ていない...。

 だが、圧倒的に前とは違う点が見られる...。


 そもそも、以前の勇者には体の周りに黒いオーラなんてなかった...だが、今の勇者には黒きオーラが体にびっしりと放たれている...。

 そして、顔は怒っている...訳ではなく、笑っている!?

 今も、くっくっくっ...と笑っている...

 その表情からはなんにも読めない...。

 あんな顔は能天気で怒らなさそうな勇者がこんな顔になるだと?


 そう、笑いながら怒っているのだ...。

 正確に言うのなら、言葉では表現できない...そんな様子だ...。

 しかも、心なしか、顔が思いっきり別人の顔になってるようにも見える?


 しかも、腕の切り口は...なんか、徐々に修復されている!?

 おかしい!!

 人間が身体を再生するだと!?

 魔族でもないのに回復できるわけがない!

 人間の魔法でも、体を修復させる魔法を使える人はこの国に1人いるかどうかのレベルだぞ!


 いや、これは勇者のスキルか?

 そういえば、何度でも復活するみたいなことを聞いたことがあるような...。

 だが、そのスキルは死なないと発動しないと聞くが?


 いや、それでもエビルコーカ様の情報によると、弱体化の呪いが掛かっているためそこまで驚異ではないはず。

 だけど、怖いから一応外で見張っといてといわれてずっと見張ってたけどここまでの強そうな感じはしなかった...。

 むしろ、すぐに逃げようとする姿を見て呆れたぐらいだ...。


 それなのに...


 こいつ、本当に人間か?

 いや、人間だとしたらこの強さはまずい...

 気迫だけでわかる。

 多分、この相手は自分の腕が飛ばされたのに余裕を持っているのだ!

 しかも、笑っているのに、どこかに恐怖を感じる...。

 今すぐに消さないとまずい!!

 すぐさま、魔法を唱える!


「ファイア!ファイア!ファイア!」


 地属性魔法3連続だ!しかも、俺のスキル[火属性付与]によって火属性も付与されている!

 さっきと同じように今度は存在そのものを消す!


「そんな程度の攻撃が聞くと思うか?ふははははは!まあ、あえて食らってやろう!お前がどれだけ弱いかを改めて実感するといい!そして、絶望した顔を見せてくれよ!」


 そんなはったりを!

 俺が弱いわけがない!

 魔王の四天王にもなれるような人材だぞ?

 なめるなよ!


 ...


 効いてないだと!?

 そんな...この攻撃で死なないのは何故だ?


 一発目はそのまま受け流して、壁を突き破ってどっか行ってしまった...。

 二発目はそのまま素手で殴っただけで粉砕した!?

 三発目はそのまま何にもせずに受けたけど何にもダメージが入ってない!?


「はあ...本当にかわいそうだな...俺より圧倒的に強いくせにこの程度で負けるとは...まあ、今は仕方ないだろうけどさ...。まあ、その内見返してくれや!」


 何をいってるんだ?

 俺より圧倒的に強いだと?

 何をいってるんだ?

 お前の方が強いだろ?


 もしかして俺をバカにしてるのか?

 絶対に許せない!

 だが、勝てそうにもない。

 つまり、ここでとるべき行動はなにか...


 ...


 逃げよう!

 逃げなければ死ぬ!

 流石にこれは魔王様直々に戦ってもらうのが案件だ!

 という事で今度は俺の目の前にファイアを打つ!


 これで、目眩ましにはなるだろう!

 砂ぼこりが地味にあるからチャンスだ!


 よし、今のうちだ!

 今すぐにエビルコーカ様と一緒に逃げるぞ!


 ...


 すぐに逃げるはずだった...。


 すぐ後ろを向くと勇者が不敵に笑いながらこちらを見ていた!?


「ひ、ひぃ...」


 なぜ、後ろに!?


「ああ、お前には見えなかったんだな...俺が早すぎたのか?くっくっくっ、いやいや、この程度も見破れないのなら検討違いだけど、それなら面白く死んでくれや」


 そんな、聞いてない!

 こんなに勇者が強いなんて!

 エビルコーカ様が倒したことのある勇者だとか、単純な力だけなら強いお前でも倒そうと思えば倒せるって言った人だれだよ!


 こんな化け物倒せるわけ....


 ....?


 そういえば、まだ攻撃を一回も受けてなくね?

 もしかして、素早さ早いけど力ないパターン?

 まだ希望はある!

 どうせ逃げれないなら戦って倒す!


「ふふ、そろそろ恐怖をじっくり味わってもらったようだし俺から行かせてもらうぞ!」


 そんなハッタリを!

 返り討ちにしてやる...!?

 そう、言うと俺の目の前から消えた!?

 次の瞬間、猛烈に右腕に火傷したような痛みが入る...!?


「ぐわぁぁぁぁ何だこれはぁぁ...」


 無論、右腕を切られただけである。

 何にも武器は持っていない事から多分、手刀であろう...。

 だが、想像以上にダメージがでかすぎる...。

 再生したくても恐怖で集中できない...。

 そして、笑い声が聞こえる...。


「口ほどにないな?お前が俺にやったことをそのままやっただけだぞ?ふふふ、その程度で魔王様の...いや、エビルコーカの手下が勤まってるとは、エビルコーカも残念だな?まあ、みんなのために一度死んでこいや!ってか、エビルコーカには悪いがこいつは許せないから俺が死なせてやる!」


 に、逃げなければ!

 このままだとなんにもできずに殺される!


 ...


 次の瞬間、意識がなくなった...

 いや、ろうそくの火が消えた...。


 ☆


 やはり、弱すぎる...

 この程度の力で何ができるというのか...

 おもいっきり顔を叩いただけなのにすぐに死んでしまったのだ...。


「やはり、つまらない...もっと強いやつはいないのか?」


 呟いてみるが、それに返事をするものは当然いない...。

 しかし、四天王の一人であるエビルコーカはあんなに弱いのか...正直残念である...。


「また、強いやつと戦いてぇ...」


 最初は久しぶりの感覚に楽しかったが、戦った相手が相手だけに弱すぎて、むしろ冷めたわ...

 やはり、弱いやつより強いやつの方がワクワクする...。

 俺は戦闘狂だからな...。


 ...


 はあ...

 早く戻りてぇ...

 ってか、早くまた、戦いてぇ...

 次こそは面白い戦いだといいな...


 お?

 思ったより短いな...

 やはり、もう少し休んでいた方がよかったか?

 だが、ピンチだったし仕方ないか...。


「まあ、強くなったらまた、戦おうや、それまで意地でも死なせねえ!」


 こうして、黒いオーラは唐突に消えた。


 ☆


 気がつくと辺りを見てビックリである!

 なんと右腕は再生しており、その上でなんか女王[気持ち悪い形態]が死んでいる!

 しかも、女王のかおはまるで、最後にものすごい怖いものを見たのか?って顔で死んでいるのである...。


「もしかして、僕に眠っていた力が遂に目覚めたのか...!?」


 実際それ以外この状況はあり得ない...。

 なぜなら、周りに誰かがいたという形跡はない。

 だけど、僕が倒せるってことはたぶんない思うんだよな...。


 ...


 いや、別の可能性が出てきたぞ?


 女王が自分が貧乳だと騙してたことに罪悪感を感じて、僕の腕を接着剤か何かで治して、自分の顔をおもいっきり叩いて自爆した説がかなり高いぞ?


 それなら、納得いく!

 しかし、接着剤も良くできてるな!

 手を握ったりすることも簡単だし?

 しかも、肩がかなり軽いし?


 ...


 よくわからないけど結果オーライだな!

 まあ訳がわからないけど、とりあえずすぐさまギルドに向かって王様が魔物だったと伝えよう!


 まあ、その前にこの城を頑張って抜け出さないとだけどな!


 こうして、結局6時間迷って外に出ることができた!


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 さて、なんとか脱出はできたんだけどさ?

 兵士達は遅すぎて捕まえようと頑張ってたようだけど、どうやら捕まえられなかったようだけどさ?

 思ったより出口難しくね?

 いや、最終的に、兵士を脅して連れてってもらったけどさ?


 もうあの城には行きたくねえ...


 とりあえずギルドに報告して、王様をみんなで倒して、お金を手にいれて、ハッピーエンドだ!


 .....


 外が暗くて僕がどこにいるかわからないんだけど?

 このままだとギルドに行けないんだけど?

 報告なるべく早めにしたかったんだけどな...


 ...


 まあ、別に報告にいくのに急がなくても良いかな!

 だって、転んだら痛いじゃん?

 夜の道は危険じゃん?

 泥棒さんに何か盗まれるかもしれないじゃん?

 まあ、盗めるものは僕のハートしかないんだけどな?


 あ、別に女の泥棒さんなら、盗まれてもいいかも!

 そして、泥棒さんと仲良く生涯を終えるんだ!


 ...


 まあ、とりあえず泥棒さんに盗まれるのを待つってのと、転んだら痛いってことで、今日はギルドに行くのをやめる!


 とりあえず明日はお金をザックザックだ!

 ふふふ!

 やはり、口から笑みが止まらない!

 とりあえずそこら辺で野宿をする!

 これが最後の野宿だ!

 今度から毎日宿屋だ!

 宿屋とか楽しすぎ!


 ...


 ...


 .....





 .......





 ...さない


 うん?

 何か聞こえる?


 ...許さない


 何か怖くね?

 これってホラーじゃね?


 絶対に許せない!許さない!


 うるさいな...

 前を見る。

 そこには女神様がいた。


 女神様は何か許さないらしい。

 何を許さないのかな?


「私をおいて逃げるとは...良い度胸じゃないか...私が魔法使いだから力が無いことを知っておいて...覚悟はできてるんだろうな?」


 うーん...

 そういえば、忘れてたな

 女神様の存在を。

 そういえば、女神様ってどこにいるの?

 それ知らないんだけど?


 あれ?

 そういえば、女神様は何故目の前にいるの?

 おかしくね?

 力がないのにどうやってここまでこれたの?


 ...


 ってか、女神様何詠唱してんの?

 ってか、それって火属性の魔法だよね?

 それさ、誰に撃つつもり?


 怖いよ?

 こっちに撃ってこないで!お願いします!

 そういい放つと、女神様が僕に魔法を撃ってきたんだけど!?


 炎の色が...黒色なんだけど?

 こんなの初めて見たんだけど?

 ってか、ゆっくり考察してる場合じゃなく...


 ...


 うわぁぁぁぁ!いたいいたい!


 ...


 夢か...


 怖すぎない?

 流石に火属性にはトラウマがあるんだけど?

 全部女神様のせいだけどさ?


 女神様が昔、僕に火属性魔法をぶっぱなしてきたせいだ!

 女神様許さない!


 ...


 ってか、今は朝になってるようだ!

 よし、いい感じだ!

 朝になったらやることは1つ!

 ギルドに向かうか!


 ...


 いや、女神様助けないと何か女神様に殺されそうじゃね?

 実際、女神様が城にいるって保証はあんまりないけどさ?

 だから、当てずっぽうに行くってのも作戦的には良くないけどさ?


 あれ?

 そういえばだけど、牢屋の金髪の娘がいるって女王が言ってた気がするな。

 ってことは、城の牢屋の中にいるんじゃね?

 じゃあ、どうしようか...


 1:女神様を救出

 2:ギルドに報告

 3:王様を倒す!


 ...


 迷わず2を実行!


 女神様の場所知らないから2を選んだだけだよ?

 別にお金がほしかった訳じゃないからな!

 世界の平和のためだからな!


 さて、今居るところは...


 お!


 ギルドのすぐ近くじゃん!

 とりあえず報告しにいこう!

 どれぐらい報酬もらえるかなー!!


 さて、こうしてギルドに着いた!

 みんな、こっちを見てくるのは気のせい?

 まあ、そんなことはどうでもいい!

 さて、早速報告するぞ!


 ...


 何て言えば良いんだ?

 全て本当のことを言うべきか?

 もしくは、僕が活躍したことだけを言うべきか?


 ってかさ?

 今回もギルドの人男だし?

 女の人はいないのか?

 このギルド大丈夫か?


 ...


 少し残念だが仕方がない...

 とりあえず、僕は嘘をつかない人間!

 まあそのまま伝えよう!


「何か知らないけど王様に捕まえられて...中略...そしたら王様がモンスターだったんだよ!それでね...省略...ってことがあって逃げ出してきたんだけどさ、王様を倒すために人を集めたいってのと、もう1ついい情報があるのだけど、50万エルでこの情報買わない?」


 全てを話した!

 さて、情報買ってくれるかなー?

 何エルで買ってくれるのかな?

 楽しみだ!


 ジャキーン...


 うん?

 近くの冒険者がみんな剣とか抜き出したんだが?

 そういえば、聞いたことがあるな!

 勇者が城に帰還したときにやる英雄のお迎えだったかな?

 いやー、照れるなー//


 ギルド職員がなんか、叫びだした!


「ここにいるのは指名手配犯勇者キョウヤです!皆さん、倒してください!」


 ギルド職員って時々冗談をいうのだな!

 逆に僕が勇者キョウヤだって、ばれてるわけ...


 ...


 ねえ、みんなこっちに向かってくるの何故?

 剣振り回したら危ないよ?


 それぐらい習ったでしょ!

 何でだよ!

 ひどいよ!


 まあ、一発も当たらないんだけどさ!


 とりあえず逃げ足が早いことをいかして逃げ出した!


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