始まり
次は早めに出す予定です。
サファール王国 国境付近 ザレスト
耳の通信機から隊長からの確認の声が聞こえる。
「おい、そっちの班はどうだ?」
「問題ありません」
「よし、じゃあこのまま作戦を続行する」
『了解』
俺はホッと息を吐いた。今のところ順調に作戦は進んでいる。昇格のチャンスがかかっているとはいえ、得体の知れない国に潜り込んだのだ。心も体も疲れきっている。馬車に寝転がりながらこれまでのことを振り返る。
大きな馬車に沢山の荷物、少々身なりのいい服を着た数人の男。
一見普通の商人に見える俺達だが、実はタルシアド帝国の特殊諜報員だ。今回の任務は、未だ謎に包まれたこのサファール王国の情報を僅かでも国に持って帰ること。
スーベルク大陸で一番の軍事力をもつタルシアド帝国はこれまで幾度となくこの国の情報を集めようとしたが、失敗してきた。今回の任務が行われるのももう何十回目だ。
今回の作戦の概要は
1、旅商人のを演じて王都へ向かう。
2、それぞれの諜報員がさまざまな職業の人になり、情報を収集する。
3、周りにバレないように姿を消して、行きと同様に国へ帰還する。
つたない作戦のように思えるが、これまで集めた僅かな情報で捻りだした最善の策なのだ。
今、ザレストの街で旅商人として滞在している。地元の民には少々変わった目で見られたが、我が国の鉱石などを売っていたところ物作りの盛んなここの街では好評で今では歓迎されているように思える。
ここを出ると、大きな街はあと3つあって
湖をこえると王都に着くらしい。2週間はかかってしまうが、全然短いと感じる。
ここまで順調にきて、なぜ今までこの国の情報が僅かしかないのか不思議で仕方ない。俺の先輩達はとても優秀な諜報員だったのだが…ここから先に何かあるということなのだろうか?
「おい、明日出発なんだから、早く寝るぞ!」
「ああ、分かってる」
仲間が馬車の灯りを消して眠りにつく。
不安がってばかりではいけないな。ここまで来たんだ。きっと…大…丈夫…
俺は意識を手放した。明日、何が待っているのかも知らずに。
はじめまして、鈴白爽和です。
今回初投稿の作品なので、文章がおかしい、
もはや文章ではない、ということがたくさんあると思いますが、よろしくお願いします。
ちなみに、この諜報員さんはメインではなく、モブ以下のモブモブさんです。
ちゃんと主人公が出てくるので、お付き合いください。