1-1種田、邪魔される
県立多武小脳高等学校
ここは県内有数の進学校
授業は8時間授業、土日も半日授業と、生徒からすればかなり厳しい高校だ
そんな中首席を何度もとり、先生からも大絶賛されているのが種田だ
「どうもお疲れ様です金分先生明日は春の東大模試ですねー先生のクラス23人が、受験ですかー東大くらいほとんどA判定でしょう?」
「そんなことはない君があんまり出来るから東大の価値が低く見えるだけでほぼC〜E判定だよ」
「ほー皆そんなに悪いんですなー」
種田は勘違いしているが東大は並大抵の人間が通る場所ではない
夢が内閣総理大臣の種田は、勉学に勤めていた。
「どこもかいこも雨がふりよんなー」
「それ言うなら、どこもかしこもやで」
平和な会話をしているのは参三とアヤメだ
アヤメは頼りがいのない男が大好き
参三は県内最下位の高校で赤点連発
しかも、女の子には優しいが男に対しては乱暴で補導されたことも多い
「明日入学式やんどうせ今年もアヤメより可愛い女なんか、おるわけねーし遊びにいこうや」
「良いねー、水族館と動物園と遊園地とゲーセンと」
「おいおいそんな行けるわけねーじゃん」
「なら、遊園地とゲーセン」
「それで良いぜ」
「よし、授業も終わったし帰宅して復習、予習しないと」
種田は1日12時間勉強を2年以上続けている
家で平日も土日も最低4時間だ。そんな勉強熱心なのは親としても放っておけないのか
「頭のネジ壊れてないか?もう少し休憩しなさいご飯くらい台所で食べろよ」
「内閣総理大臣なんて、頭が全てじゃないのよ、この前だって云々がきちんと読めない人いたじゃない」
種田は日本の政治は腐ってるという考えがある
その根拠は種田自身分かっていない
それでも、何故か自分なら良い政治ができて国民を幸せに出来るという確信があった
「ただいまー」
すると突然聞き慣れない声が聞こえた
「誰ですか?」
「不審な女子名を名乗れ」
「えーー、父ちゃんも母ちゃんも何言ってるの?」
二人「は?」
「あれー?よく見ると、どっちともブサイクだなぁ父ちゃん、母ちゃんそんなに髭とか、シワとかないし」
「失礼な」
「さっさと帰れ」
種田の両親は見た目をけなされると激昂した
「帰るねー、ってここどこ?」
少女はドアを開けた途端悲鳴に近い声を出した
「まさかと思うが」
「道に迷った?」
少女は呆然としながらうずくまり
「助けてー超怖そうな人達の家に迷いこんじゃった絶対殺されるよ誰かーー」
金切り声で泣きながらそんなことを言われて焦った両親は少女の事をどうするべきか考えた
「警察に電話して保護してもらいましょう」
「そうだな」
と110しようとした両親に少女が抱きつき
「警察なんて嫌、保護されたらクソ不味い飯食わされるじゃん」
両親はそれも気にせず
「少女が迷子で自宅に迷いこんで来て‥‥‥」
突然少女が父親の携帯を奪い地面に叩きつけた
「こいつ何しやがる」
無残にもその携帯は使い物にならなくなった
「親に賠償させてやるからな」
「構わんよ」
「しのびねーな」
「もう、父さんったら構わんよって言われたらどんなときでもしのびねーななんだから」
「時代劇の見すぎだな」
「そんなことよりも」
2人「構わんよ!?」
親に対して迷惑をかけているのを何とも思わない少女に2人は衝撃で目眩がした
このような事になり気がつけば、1時間以上経っていた。外は暗く、少女も疲れきっていた
仕方なく、家で面倒を見てあげることにした2人は良い案を思い付いた
勉強ばかりしている種田に遊び相手になってもらう両親にとっても少女にとっても最高の関係だ
種田の部屋に侵入するため本日はご飯を部屋まで持っていかない
21:30いつもなら、もうご飯があるのにと種田はガックリする
しかし、今日は、変な人来てたみたいだし遅くなるのも無理はないな
22:30あれまだないお腹減ったけど急かすのも悪いからもう少し待とう、ちょいと遅過ぎるような?
23:30いや、これはおかしい忘れてやがる
「オーイご飯がまだだよー早目に作ってお腹減ったよー」
‥‥‥返事がない
「もう寝たの?ご飯作れって俺の事餓死させたいのかよ」
我慢の限界の種田はいつもより口調が悪い
「今までこんな事なかったのになんでなんだ」
「ごめんお母さん足挫いたみたいで階段上れないのよ台所まで来て」
「父さんは?」
「マラソンしてるわ」
「マラソン?」
「来週50kmグルグル大会があるでしょ?」
「知らねーよ」
仕方がない台所行くかと階段を降りていると上のほうで扉の開閉音がしたことに違和感を感じながら、ご飯を食べて部屋に戻った
するとそこには推定年齢12~14歳の女がいた
その女は、種田の教科書をパラパラめくっていた