─87─扉のその先
こんにちは!本久禅です!
この作品を手に取っていただきありがとうございます!この話が初めてだよーって方は是非1話から読んでみてください!そっちの方がより楽しめます!
そして、1話から読んでくださっている方、読み続けて下さっている方々!本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
──キキィー
扉を開けると開けた瞬間暗かったボス部屋の蝋燭に次々と明かりが灯り、青い炎が屈強なモンスターを映し出した。
体は四足動物に、立派なたてがみ。尻尾が蛇になっていて、神々しくさえある翼を備えた怪物。
俗に言うキマイラというものだ。
もちろん向こうは我々の来訪を良くは思ってないらしく、低く振動する声で威嚇をしている。
キマイラが出るなんて、ちゃんと教えてよ先生!
「グルルゥ」
入って数秒。実際はそこまで長い時間ではなかったが、中にいるものにとってその数秒は、体感では数分、数十分に感じる長さだった。
「グラァァアア! 」
キマイラの雄叫びが部屋にこだました時、自然と私達の戦いの幕も開けた。
キルダーニ、椿が一気に距離を詰めてキマイラに斬りかかる。
しかし、それぞれを尻尾で捌き、身軽な体を上手くこなし無効化。
すかさずコンバートした私とマーシィの光、火魔法はキマイラの吐く炎によって相殺されてしまった。
「こいつはなかなか厳しいな」
「この強さ、ダメージ覚悟で攻撃しないと致命傷までは至れないかもしれないでござるな」
「汝らよ。我の先の扉へと進みたいか? 」
『………………え? 』
「なんだ?進みたくはないのか?では一息に蹴散らしてしまうぞ? 」
「いやいやちょっと待て!なんでてめぇが喋るんだよ!モンスターだろ? 」
「モンスターが喋ってはいけないなんぞ誰が決めた?喋れないのは低俗な証拠。我ほど高位なモンスターにでもなると人っ子の喋る言語を理解するなど容易いこと」
「じゃあなんでお前いっちょ前に唸ってたの? 」
「な、なんだ!雰囲気だ! 」
もしかしたらこのキマイラ……可愛いかもしれないな……ぷぷぷ。
「で、どうなんだ!通りたいのか?冷やかしなら帰れ!我だって別に汝らとぺちゃくちゃ話している暇はないのだ! 」
「あっじゃあいいわ。じゃあな、おかしなキマイラ!帰ろうぜ? 」
そう言うキルダーニの口元はキマイラに見えないようにはしているものの、私たちには丸見えで、おかしいくらいにニタニタしている。
「ま、待て!いや待ってくれ!せめてもう少し話しては行かぬか? 」
「どっちなんだよ!まぁいい。聞いてやるよ」
あっ……キルダーニのSスイッチが入ってしまった。と同時に恐らくキマイラのMスイッチも。
「汝ら、我と共闘する気はないか? 」
『共闘!? 』
私達パーティーメンバー全員が目を見開いて驚いた。
まさか、モンスターから共闘の申し込みを受ける日が来ようとは……。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
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