─32─レクダム
こんにちは!本久禅です!
この作品を手に取っていただきありがとうございます!この話が初めてだよーって方は是非1話から読んでみてください!そっちの方がより楽しめます!
そして、1話から読んでくださっている方、読み続けて下さっている方々!本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
──ブンッブンッ
外から聞こえる奇妙な音で僕は目を覚ました。
なにか、棒をすごいスピードで降るような、そんな音だ。
僕は眠い目を擦りながら、馬車の外へと目を向けた。
すると、外で素振りをしていたキルダーニと目が合った。
「おう。おはよう。すまん。起こしちまったか? 」
「いや、大丈夫。毎朝そうやって剣を振ってるの? 」
素朴な疑問だった。
「まぁな。1日でも剣から離れちまうとそれだけで剣は俺からものすごい距離離れちまう。1回握るともう離れられないさ」
「やっぱりキルダーニは偉いな」
「やっぱりってなんだよ」
キルダーニは照れ臭そうに目線を外した。こうやって誰にも、誰からも何も言われずに、それでも努力出来る人はすごいと思う。
だからこそ、彼には剣豪になってもらいたい。
努力は報われるべきだ。
「キルダーニっていつくらいから冒険者になったの? 」
「んー……。剣を握ったのは3歳くらいか?そんで正式に冒険者になったのは10歳の頃だったな」
「冒険者歴7年か……。大先輩だね」
「んでお前のランクは? 」
「C」
「はぁ~。この世界はやっぱり理不尽だ!でも、俊樹は他の冒険者と違って嫌な感じがしないんだよな。なんか、謙虚っていうの? 」
「なんで褒めるんだよ。恥ずかしいじゃんか! 」
「お返しだ!アハハ! 」
早朝にこんな他愛もない話をしていた。それは、今日の別れを紛らわすように……。
「そう言えば、アルさんはどこか知ってる?朝から見かけてないんだけど」
「あぁ、アルさんなら俊樹が来るほんのちょっと前に『便所に行ってくる!』って言ってどっかいったぜ?そういや遅いな……」
「大だったんだ!仕方ねぇだろ!アッハッハ! 」
「うわぁ!! 」
気づいたら僕の後ろにアルさんはいた。ビックリしたぁ。
「2人とももう起きてるみたいだからそろそろ出発するか? 」
「「おー! 」」
こうして、4日目の旅が出発した。
「今日はな、だいたい昼から夕方辺りにレクダムに着く予定だ。その後は、街で適当に時間潰してって感じになるけどそれで大丈夫だよな? 」
「はいっ!キルダーニはどうするの? 」
「あぁ。俺は今日の夜までは一緒に行動するよ。なんだかんだこのメンバーは楽しかったからな! 」
「いいねぇー! 」
「賛成! 」
満場一致で夜までのキルダーニの同伴が決まった。
「それまで、俊樹の異世界の話、聞かせてくれよ!なんか面白そうだ! 」
「う、うん。まぁ、あんまり面白くないかもだけど、最後くらいいっぱい聞いて行って! 」
「おう! 」
「これは、3年前位なんだけど──」
僕は、現実世界の経験を出来るだけ面白おかしく語った。それに目を輝かせて聞くキルダーニの姿を目に焼き付けながら……。
「お話に花咲かせてるとこ申し訳ないが『レクダム』、到着だ」
アルさんの言葉で話から我に戻った僕が目にした街の姿は、The・城下町といった街だった。
洋風の城が奥にデカデカとそびえ立ち、城門へと続く道に様々な商店等が所狭しと連ねている。
「さぁ!取り敢えず換金する為にこの街のギルドにでも行くか! 」
アルさんが音頭をとり、街の中に入るとまずはギルドへと向かった。
そこで、途中倒したゴブリンや、樹林で狩ったモンスター達のドロップ品の換金を済ませた。
そして、城門へと続く道に連ねる手頃な居酒屋のような店に3人で入った。
「おやっさん!取り敢えずシュワビー3杯! 」
シュワビーとは、こっちの世界のビールみたいなものだ。って!なんで3杯!僕飲まないのに!!
そして運ばれてきたシュワビーはもちろん僕の前にも配膳された。
「この先の、キルダーニと俺達の未来が良きものになることを願って、カンパーイ! 」
「「「カンパーイ! 」」」
そう言うと、キルダーニはお構い無しにシュワビーを飲み始めた。本当に17でも飲めるんだなぁ。
「俊樹も1回グビっと行ってみろよ! 」
そう言うアルさんはもう出来上がってる。早すぎはしないか?
まぁ、1杯くらい……。
僕は、運ばれてきたシュワビーに手をつけた。初めての飲酒だ。
思った通り苦かったが、思ったより不味くなかった。
僕はそれよりも、みんなと同じご飯を囲めていることの方がよっぽど印象的だった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
本日(12/17)は、飛行機の日だそうです。まだ、飛行機を経験した事ない私にとって、1種の憧れですね!でもそれよりも、私は飛行機自体よりも、その先に興味があります!要するに旅行行きたい(切実)。皆さんも旅行行きたいですか?そんなあなた!作チーを読めば、異世界に旅行した気分に!!
というわけで、異世界旅行が出来る「作チー」の次回もよろしくお願いします!
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