─03─遭遇
どうもどうも!第3話となりました今作品!もしまだ1話見てないよって方がおられたら、先にそちらを見て頂いた方が楽しめると思います!
そして、1話より引き続き読んでくださっている方!本当にありがとうございます!
どうぞ拙い文ですが、楽しんでいただけると幸いです!
──ピヨピヨ
目を覚ますと、いつも通りの日常が……広がっている訳もなく、寝ていたのは森だった。
木々のざわめき、鳥のさえずり、こんな状況でなかったら、二度寝してしまう気持ちよさだ。
そう、僕はいわゆる「異世界転生」をしてここにいる。そして、大体の確率で主人公に着いてくる「チート能力」をついさっき、あの女神様から授かったばかりだ。
大まかに言うと4つある。
1:【魔法】
光、闇、火、水、雷、無の6属性全て使える。魔法適性は、上の上。前例に類を見ない、魔法のスペシャリスト。
2:【物理攻撃完全耐性】
その名の通り、物理攻撃が効かない。たとえ聖剣で切られようが魔剣で切り裂かれようが、全くノーダメージになる。
3:【鑑定】
アイテムや、モンスター、人のステータスを見ることが出来る。(普通、ステータスはギルドから発行される会員証に記載してある)
4:【アイテムボックス】
異空間を発生させ、素材やアイテムなどを保管できる。異空間は時間の概念がないため、入れたそのまま取り出せる。(生物を入れることは出来ない)
だ、そうだ。紙を見せられ説明を受けたが、その紙がポッケの中に入れられていた。なんて心遣いが出来るんだ!
そんなことよりも、本当に絵に描いたような「チート能力」達だ。特に、魔法特化の物理無視がほんとに強い。(恐らく)
──ガサッ
1人で、チート能力の紙を見ていると、気付かないうちに、周りを囲まれているようだった。
「グルゥゥウウ」
姿を現したのは、体長約2m。二足歩行する巨大豚だった。いわゆる、オークと呼ばれるものだろう。そんなヤツらがパッと見て10体以上はいる。
不味い。大変不味い。僕は今、魔法の使い方はおろか、戦い方すら全く知らない戦闘素人だ。
くそっ!現実世界のゲームなら、Bボタンを押せばキャラが攻撃しだしたのに!
1人であたふたしている僕を他所に、1人のオークが近づき、右手に持つ棍棒を振り上げた。
振り下ろした瞬間、僕の目の前を、赤く激しい炎が横切った。そしてオークは、炎に巻かれ、焼死体となった。
現実世界の豚とは違い、吐き気を催す悪臭が周囲を包み込んだ。
火が飛んできていた方向に目を向けると、そこに居たのは、一見か弱いように見えても、よく見ると筋肉質で、良く鍛えられた体を持つ女の子が、剣を構えて堂々と立っていた。
「ちょっとそこのあんた!なにやってんの!武器出しなさい! 」
いやいや……武器といっても。
「あのぅ……武器、持ってないんです」
「はぁー?もういい!私の後ろに隠れて! 」
「はいぃ! 」
僕は若干悲鳴混ざりに答えて、女の子に向けて走り出した。
すると、横にいたオークが棍棒を僕に向けて振り下ろした。
「あぶないっ! 」
当たるっ!と思った瞬間のことだった。棍棒が僕の体に当たる、2cmほど手前で、何かに弾かれたように吹っ飛んだのだ。
あっ……。そういえば僕、物理耐性持ってるんだった。
僕と女の子の間ですごく気まずい時間が流れた。
「で、なんであんたはあんな危険な場所に丸腰でいたわけ? 」
「えっと……それにはふかーい事情がありましてですね……」
僕は、女の子に〆られていた。
あの後、今僕を〆ているこの女の子は、周りにいたオークを一掃し、素材を回収した後、少し怒りながら縮こまっていた僕の方へ歩いてきた。
「それに何よ!あのオークの棍棒を弾き返した魔法は! 」
「えっと……そのぅ……あのぅ……」
「なによ!なんか言えないわけでもあんの? 」
「あの……絶対に他言しないと誓ってくれますか?」
「まぁ、そこまで頼まれたら誰にも言いはしないわよ」
「えっと……実は僕──」
僕は、ステータスこそ見せなかったが、異世界からの転生者という情報を彼女にしゃべった。
「なるほどね。それなら納得だわ」
「え!?ビックリしないの? 」
こういう時って、ひっくり返るぐらい驚くものじゃないのか!?
「う~ん……。まぁ多少驚きはするけど、実際に転生してくる人って昔にいたりするからねー!しかも、丸腰でこんなとこをほっつき歩いてるバカは、世間知らずか、自殺志望者の2択だよ」
はぇー!転生者って昔にもいたのか……。どんな人か気になるな。
「よしっ決めた! 」
「何を? 」
「私、あんたを街まで案内したげる! 」
「いいの!? 」
正直、この先に圧倒的不安を抱えていた最中だったので、すごく助かる。
「そ、の、か、わ、り!あんたが昔住んでたっていう異世界の話、聞かせてよ! 」
「もちろん!ほんとにありがとう!! 」
「というか、いい加減『あんた』って言うのも失礼だし、名前教えてよ! 」
「そういえばそうだね。僕は、染谷俊樹 」
「ソメヤトシキ?変な名前ね!私の名前は、ソフィー!よろしく! 」
「変な名前って……これまた酷いな 」
そんなこんなで、思い出話と引き換えに、街を案内してくれるというソフィーに甘え、不安と期待を胸いっぱいに、街へと向かうのであった。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
今日は、「書きだめ」と言った感じで、18:00に投稿させて頂きました!こんな感じで続けて行ければと思います!
また、とりあえず11月中は、【出来れば】毎日投稿したいなぁ……と思ってますw
少なくとも今週中は続けるのでご心配なく!
次回もどうぞよろしくお願いします!!