─23─御者
こんにちは!本久禅です!
この作品を手に取っていただきありがとうございます!この話が初めてだよーって方は是非1話から読んでみてください!そっちの方がより楽しめます!
そして、1話から読んでくださっている方、読み続けて下さっている方々!本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
「やぁお客さん!あんたが、ドールさんの言ってた逸材って人かい? 」
馬車の操縦をしている御者さんに話しかけられた。
「た、多分……。染谷俊樹って言います。お、お名前は? 」
「俺か?俺はアルって言うもんだ!まぁだいたい1週間くらいだがよ、よろしくな!行先は、アレスで良かったんだよな? 」
「はい! 」
僕は、昨日の食事会でドールさんに行き先を伝えていた。
僕は谷を降りれるほどのクライミング能力も、長い距離を泳ぎきれる体力も持ち合わせていない。
そんな僕にとっての唯一の希望が、アドガーさんから頂いた、あのネックレスだ。
あれを使えば、もしかしたらアレスの地をなんとか生き抜けるかもしれない。
そう思い、行き先をアレスに設定した。
「あっ!あと、2日目と4日目、同乗者が乗るが大丈夫か? 」
「はい!大丈夫ですよ!あと、聞きたかったんですけど、帰りってどうすればいいんですか? 」
「アル宛に手紙書いてくれ!そしたら2週間以内には迎えに行くぜ! 」
「分かりました!それと、アレスってやっぱり寒いですか? 」
「そりゃあもう!馬にやろうと思って積んどいた水やら何やら全部凍ってたぜ!あと、まつ毛が凍って視界が悪くなる!エルザさん、よくあんな所に住めるよなぁ……」
「エルザさん、知ってるんですか? 」
「あぁ!よくうちの馬車を使ってくれてる常連さんだぜ?すっげぇ美人さんでさ!くぅー!あんな人を嫁にしてみてぇー! 」
嫁にしてみてぇ、は置いておいて聞く限りいい人そうだ。一安心。有力な情報ありがとうございます!
「そう言えば、俊樹はなんでまたアレスになんて行くんだ?行きたい割には、よく知らないようだし……」
「あの、実は──」
僕は、アレスに行くことになった経緯を掻い摘んでアルさんに話した。
「そうかぁ……。あのカエラさんがねぇ……。よしっ!決めた!俺が俊樹を責任をもってアレスまで送り届ける!きっとカエラさんを助けてやってくれよ? 」
「はい!もちろんです!って、カエラさんを知ってるんですか? 」
「そりゃ、一応これでも元冒険者だからな!有名な同業者くらい知ってるさ! 」
「アルさんって冒険者だったんですか?じゃあなんで今御者をなさってるんですか? 」
聞いた瞬間、失敗したと思った。そんなプライベートなこと、聞くべきじゃなかった。
「ご、ごめんなさ……」
「なんでだろうなぁ。俺にもわからん。ただ、多分限界だったんだよ。俺はCランクまでは死にものぐるいで上がったが、その先はどうしても辿り着けなかった。このままダラダラ冒険者続けても食っては行けただろうが、それならいっそ御者になって、いろんな人と話した方が楽しめるんじゃねぇか?って思ってな。その選択ができたことが、俺の唯一の自慢さ! 」
アルさんは、親指を空に突き立ててグッドマークをして見せた。表情には、清々しさと達成感が滲み出している。
僕は素直にこの人の事をかっこいいと思えた。
自分の暗い過去を、ついさっき初めて会った若造に明るく話す姿を見て。
そして僕は、この人の話すことをもっと聞いてみたいとも思った。きっとこの人の話すことは、面白い。こんなに深い人生だ。面白いに決まってる。
「あの、アルさん!良ければもっと色んな話僕にしてくれませんか?アルさんのお話、もっと聞いてみたいです! 」
「そ、そうか?なら、これはどうだ?だいたい2年前くらいかな?その日は──」
こうして僕はアルさんの話す、楽しい話を聞き続けた。日が暮れるまで……。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
行先はアレスでした!ちなみに僕は、暑いよりも寒い方が耐性強めです!暑いのほんとむり……。皆さんはどっちの方が得意ですか?えっ?なに?どっちも嫌?それは僕も一緒ですw
次回もどうぞよろしくお願いします!
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